【4】 風湿
風湿相搏 (風湿の邪が筋肉・関節に止まり、経絡が不通になる)
寒湿凝滞 (寒湿の邪が経絡を塞ぐ場合)

<風寒湿により現れる症状>
1顔面麻痺 2頭重 3悪寒発熱 4悪風 5自汗 6頚項痛 7アトピー性皮膚炎 8かゆい皮膚掻痒  9水疱 10頭痛


<相談例> ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ >私は難病の魚鱗癬です。 >皮膚がフケのように薄くはがれ落ちてきていつも乾燥した状態 魚鱗癬のことを漢方では銀屑症・乾癬・松皮癬・蛇皮病などと呼んでいます。 難病ではありますが、よく考えれば必ず手段はあると思います。 一見乾燥状態の様にみえますが、 >汗っかき >耳から汁がでる >口が乾くが飲みたくない これは「湿」の存在を意味しています。 湿なのに燥があるという矛盾した状態です。 湿には「外湿」と「内湿」があって、内外の湿邪が結合しようと働きます。 即ち内因として内湿があると外因である外湿を呼び込みやすくなります。 そして内湿とは元を糾せば「脾の運化失調」から生じるものです。 整理しますと初めに脾失運化があり内湿が生まれ、次いで相似たものどうしの外湿 を呼び込み、外湿が久しく皮膚に留まった為に熱化して湿熱となり、熱は風を呼び、 (風は能く火に化し,火は能く風に化す) 化燥するや皮膚が荒れて痒くなり脱屑することになります。 >便秘と下痢をくりかえす  頻尿 >腸が鳴る >おりもの これは内湿です。 >目がかすむ  目が痒い これは外風です。 >胸やけがする  吐き気がある >アフター性口内炎がでる  歯茎が腫れる  歯茎から血が出る  口が乾く >食べてもすぐ腹が減る >夜間排尿が多い  切れが悪い  尿が濃い 内湿が熱化した状態です。 かくして風湿熱の三邪が結合して >斑点  かゆい  湿疹  さめ肌  にきび  抜け毛  フケ性 となり、これを「風湿浸淫脱屑証」といいます。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ >それまでは頭痛や肩凝りなど全く無かったのですが、腰から背中さらに後頭部に >かけて痛みが移動します。 肺炎を患ってから一年半も不快な症状に悩まされているのですね。 若しかしたらその時の治療法に問題があったのかもしれません。 解熱剤の使い方にいろいろ問題があるといわれています。 眉間からスタートして頭の上へ、後頭部を通って項へ下り、背中を下がって腰へと 向かうのが足太陽膀胱経という経絡です。 ここは一番先に外からの気候の変化を受けるところです。 風邪を引くのも大抵はここから外邪が入ります。 おそらくは肺炎感染の時の外邪がまだそこに残っているのでしょう。 漢方では外邪を除去するのに「発汗法」をとりますが、発熱に対して解熱剤という 西洋医学的な考え方だと自己の免疫機能が働いて治癒したのではないので、こうして 外邪が残ることがあるのです。 足太陽膀胱経に風寒湿などの外邪が侵襲すると「寒は凝滞を主る」ため 「経絡閉阻,気血運行不暢」となり、「背部痛板滞,頚項強痛、肩胛不舒」とか 「背痛項強,腰似折,頚似酸」といった症状が現われます。 >呑気症になりおなかに空気がたまります。 >おなかは減っているのに食事を食べられないという状態が多くあります。 いっぽう「湿」は「脾は燥を喜び湿をにくむ」という性質上、脾の運化失調という 結果をもたらします。それがこれらの症状です。 >皮膚 頭皮 毛髪 : 斑点(しみ)  かゆい また「風」は「邪気経に中れば、すなわち身痒くして[病<隠]疹となる」といわれて いる如く掻痒は風の仕業です。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ >歩くと左腿が痛くなり歩行困難になります。 >100bもあるくと歩行困難となり2.3分休んでいると痛みが消え、 たぶん座骨神経痛でしょう。 寒冷・湿気などの外邪から体表を守る作用を「正気」と呼びますが、この正気が加齢 によって衰え、風寒湿邪が経絡へ侵入したために気血の運行が不暢となった為でしょう。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ >潰瘍性大腸炎を治療中で症状は改善していますが関節痛がとれません >肘、膝、首の付け根、腰、肋間に慢性的な鈍痛があります >潰瘍性大腸炎の合併症かと思っていたんですが 血膿の混じる便というのは漢方では「湿熱」の邪にあたります。 湿熱は最初に湿邪があり、それが長引いて熱化して形成されるのが多いものです。 湿邪が腸内に止まると下痢となり、四肢の経絡に止まると疼痛になります。 さらに長引いて熱化すると血膿便や腫れや熱感を伴う疼痛になります。 >だるい 眠ってばかり >湿疹 フケ性 これから見るとまだ湿熱が依然として残存しているようです。 これまでの潰瘍性大腸炎の治療が対症療法に過ぎなかったかの感があります。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ >病院にて血液検査などなどをおこないましたがなんど調べても異常なしなんです。 >微熱が2,3ヶ月続いている。軟便、下痢(昔から)。 >関節痛(筋肉痛みたいな感じ)。 どうやら風邪の一種ですね。 漢方では「湿温病」になります。 昔の名医、葉天士は湿熱温病の原因を「内湿外湿互引」であると云いました。 外湿とは「長夏の湿熱」、内湿とは「脾湿が元で酒肉が湿熱に変わった」もの。 前者は外因であり、後者は内因です。 すなわち外邪が裏に入り裏湿と合わさって発病する。 あるいは長夏に外部から受けた暑湿が水穀の気と相合わさって発病するものです。 湿は陰邪であり其の性は重濁である。 熱と相い合わさると梅雨時の雨雲のように粘膩で分離しにくくなる。(湿熱之性氤雲蒙昧) 湿熱は人体を侵犯しやすく、容易に気機や陽気を阻む。 寒邪なら一度発汗させれば済むし、温熱なら一度清熱させれば済むのだが湿熱は 発病はゆっくりしており変化も遅く治癒も非常にのろい。 だからこれの治療には「理気化湿・宣暢気機」という特殊の方法を取らなければならない。 湿熱が経絡に鬱阻すれば“痛痺”となる。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ >アトピー性皮膚炎(乾燥系) >年中手の平に痒い直径1mmくらいの水疱(汗疱?)あり。 >体全体が乾燥し、粉を吹く 痒いのは風の存在、水疱は湿の存在を現しています。 風湿が長く同時に存在すると、陰と血を損耗して乾燥状態になります。(病久則傷陰耗血、生風化燥) >もともと汗かきのため、おでこ、鼻の頭と下を中心に滝汗が流れる。 >寒いところから急に暖かいところへ行くと顔がほてって赤くなる、というのではない。 >ガスがたまる(胃や腸の中でポコポコ発酵してる感じが分かる。) >腹が張る 腸が鳴る 消化器系に内湿があります。(飲食失節,脾運失健) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ >痛みは肩から指先までビリビリとしびれるように痛み、温めるとだいぶ良いそうです。 >寝ると背中まで痛みがひびくようです。 >胸の上よりも高く上げられないようです。 >スーパーの冷蔵庫の冷気が寒くて買い物に行けない 漢方では自然界の風・火・暑・湿・燥・寒の「六気」の過多あるいは不足を「六淫」 といって、外的病因すなわち外邪と考えています。 六淫のうち、寒は痛み、湿はしびれとなって現われます。 外界の寒湿の邪気が腕肩の肌肉、関節、筋脉などに侵襲してその部位の経絡を閉阻する と気血の運行が不通になり痛痺を発します。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ >2ヶ月遅れの生理がひきつるような激痛をともないはじまり、 >体が冷えを感じる等の症状があります。 >腰が痛い  腰がだるい  しびれる  足が冷える  むくみがある >月経量が少い このような劇症は実証に属します。 「寒湿凝滞」による経行腹痛(生理痛)というのがあります。 「経前或経期小腹冷痛,得熱則減、形寒肢冷,月経后期,経量少,渋滞不爽,経色暗紅挟有血塊」 (月経の前から経期にかけて下腹部が冷えて痛む。温めると痛みは減る。手足は冷え、 月経は遅れる。出血も少なく、黒っぽく、塊が混じる。) 状態がそっくりなように思います。 寒湿凝滞というのは気候の冷えと湿気が体に直接影響を与えている状態です。 月経を起こすのは「血海」と呼ばれる衝脉ですが、この衝脉及び妊娠と関係深い任脉 が寒湿に見舞われ、それが居座ってしまうと寒湿凝滞の状態になります。 >吐き気がある 寒湿はまた脾胃の昇降機能を狂わせるので悪心が起こります。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ > 背中の鈍痛が起こると肩や首のほうにも鈍いハリが広がり、吐き気もしてとても辛いです。 背中の筋肉は外気の風湿などの影響を受けやすく、こりや鈍痛になりやすいものです。 > 2人とも授乳時に慢性じんましんが全身にでていて 蕁麻疹も体表の症状で、外因性(アレルゲン)であることから、 双方は内因によるものではなく、風湿や過敏性刺激などの外因による気血凝滞が原因だと思われます。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ > 手足の指、関節手首足首が痛く。手足ともむくみがある。 > 朝起きたときは手の指がこわばり、指を曲げるのが困難になる リュウマチの発症のような感じです。 風寒湿の邪が肌肉 関節 筋脉に侵襲して気血が痺阻されたと表現します。(阻塞経絡) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥