痰迷心竅 (痰濁が清竅を塞ぐと神明は失われる) <気閉痰迷により現れる症状> 1味が分からない
<相談例> ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ >ひきつけを起こして倒れ、家族が気づき救急車で運ばれる。 突然意識を失って倒れるという事は日常ではめったに無いことですからさぞかしご心配でしょう。 現代医学では脳障害を一番に疑いますが、漢方では一寸違った見方をします。 「心(しん)は神明(意識)を主宰する」という言葉があります。 意識を司るのは脳ではなく、五臓六腑の内の心(しん)と考えます。 これは「心は血脈を主宰する」ところから脳血管障害が原因で意識障害が起こると 考えている事になります。 まあ、脳を治すか血管を治すかと言うことになりますね。 当然、意識障害の治療は血管障害の治療と言うことになります。 では何故、血管障害が起こったのかという事ですが、これを漢方では「痰阻心竅」 と言って、原因を“痰”と考えています。 つまり痰(コレステロールなど)が心竅(毛細血管)を塞いでしまったと言うわけです。 塞がり方が急であると「痰迷心竅」といい、意識混濁を来します。 痙攣のことを“風”と言うので、痙攣を伴うと風と痰の合併現象と考えます。 それを「風痰卒中」と言い、突然昏倒・牙関緊急(歯を食いしばり痙攣する)の状態になります。 では痰はどうして生ずるのでしょうか? 「痰が発生する原因は脾肺腎の気化機能の失調による。」 「痰は津液が煮詰まり濁痰になったもので、あらゆる所に入り込み、異常な証を多発する。」 「心にあれば痰熱が心包を塞ぎ、経絡にあれば四肢の硬直・しびれ・関節腫脹を来す。」 更に痰に熱が加わると「痰熱動風」といって、前述のように風を誘います。 この時の熱とは「肝熱」のことです。 過労やストレスが溜まると「肝鬱気滞」となり、高じると「肝欝化火」となり「肝熱」が 生じるのです。これでお分かりでしょう、整理してみますと、 1 過労やストレスや食生活の乱れ 2 肝鬱気滞 3 肝旺脾弱(脾の気化機能の失調) 4 生痰 5 肝欝化火→痰火 6 痰迷心竅→意識混濁 7 痰熱動風→肝風を誘発する→突然卒倒する 8 →肝風が経絡に入れば痙攣や震えや引きつけを起こす ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ >5ヶ月後の6月ごろから言語、歩行に少しずつ障害、物忘れが起こっており、 >担当医の方からは残っている脳腫瘍が若干腫れているために起こる事ではないか、 症状から見ると軽い中風と同じ状態ですね。 中風のひとつ、脳梗塞の場合はコレステロールが血管を塞ぎますが、脳腫瘍(良性)では 腫瘍そのものが血管を圧迫して塞ぎます。 コレステロールと腫瘍は共通の基盤に立っているので結論的には脳梗塞の治療法と同じになります。 腫瘍についての漢方医学の考え方を次に述べます。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― (1)痰の生成 (痰と湿とは同源で、一口に痰湿と呼ばれるものです) ・痰とは「津液(しんえき)」の変化したもので、これは六淫・七情・飲食・勞倦・虚損 などにより発生するといわれ、五臓の気血の濁りや逆行が原因だとされています。 ・痰は津液が煮詰まり濁痰になったもので、あらゆる所に入り込み、異常な証を多発する。 ・津液が濁って濃密になると“痰”になります。 ・痰が発生する原因は脾肺腎の気化機能の失調による。 ・「脾は生痰の源」で「肺は貯痰の器」といい、水分代謝の大元は何と言っても“脾”です。 ・脾胃の気化機能が虚すると「脾虚湿盛」といって、水分の停滞が起こります。 この停飲は長期になると熱を受けて粘性を持った「痰」へと変化します。(「脾は生痰の源」) ・痰は変幻自在に離合集散し、全身の内外を動き回るもので、血管の中ではコレステロール として存在し、瘰癧(るいれき・リンパ腺腫)・甲状腺腫・乳房のしこり等の形態をとります。 ・「怪病に痰多し」で、難病・奇病の類にはこの痰飲が悪さをするのがあります。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― (2)腫瘤の生成 さて、その痰を核として熱邪・寒邪・淤邪(お血)などの内外因が結びついて腫瘤を形成します。 それぞれには「治痰」を主的治療方法としつつ、「清熱瀉火解毒」、「温化寒凝」、 「逐淤消腫」、「滋陰養血」という方法を組み合わせる事になります。 清代の医家、高錦庭という漢方医は次の様に言っています。 “癌瘤とは,陰陽正気の無い所に結腫する。すなわち五臓の淤血・濁気・痰滞が原因である。” ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ >狭心症、心筋梗塞、動脈硬化 >6月の入院までは65kg有った体重が現在54kg。 >動脈硬化がきついため心臓血管の先の方の風船治療も困難であり 血管がコレステロールで狭くなった場合の動脈硬化には当然のこと コレステロールの除去が原因治療になります。 肥満とコレステロールの関連は現代医学で既に解明されています。 肥満の本態を漢方では「水湿」「湿熱」「痰飲(たんいん)」などと 全て水分と関連づけて考えます。 ではこれらの「痰飲」はどうして出来るのかというと肺脾腎の働き、 なかでも「脾(現代医学でいう膵臓)」と密接な関係があります。 勿論、カロリーの取りすぎは直接原因に違いありませんが、それだ けでは説明が不十分です。 自己の内因として「脾虚湿盛・湿聚成痰」といって、「脾」の機能 減退と水分代謝の停滞が根底にあります。 >食欲が無い >胸やけがする その一端がここにも現れています。 コレステロールも含めて脾の運化作用が衰える(脾気虚)と半消化の 「痰濁」という病的産物が組織内部や血管壁に着く事になります。 脾気が衰えると心気も衰え(胸陽不振)始めるので血流は緩慢になり、 痰濁を押し出せないので遂には脉絡不通となり心筋梗塞を起こします。 先ず脾気を補えば痰濁は生じなくなります。 脾気が強くなれば心気も強くなり、血流は増大します。