【15】痰熱
痰熱 (痰飲が長引いて熱化した場合)


<痰熱により現れる症状>

1舌痛 
1咳嗽 
1口が粘る 2咽痛 
1不眠 
1健忘 2耳鳴り耳聾 3舌麻  4むねやけ 
1善驚(驚悸) 2てんかん癲癇 3動悸


<相談例> ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ >1年で一挙に6kgも太ってしまいました。 >また、この時期から(若い頃にはなかった)吹出物が目に見えて増え、 >ハウスダスト・カビがアレルゲンと思われる呼吸器症状も出てきました。 >常時切れにくい痰がある >たまに吐き気がある >手指がしびれる 脂肪肝という診断名にとらわれずに全身的な不調和を考えてみますと、これらは 「痰飲」という概念で整理がつきます。 痰といっても喉から出てくる痰だけを言うのではありません。 痰飲、略して痰とは「津液(しんえき)」の変化したもので、津液が濁って濃密に なると“痰”になります。 端的には「飲食過多で道楽にふけり、大声を張り上げてひどく疲れ、 運動が適当でなければ、津液が巡らず、集まって痰飲になる。」と言われています。 痰は変幻自在に離合集散し全身の内外を動き回るもので、アレルギー症状などの 原因不明な疾患に発展する事が多いものです。 また痰はよく肥満の形で現れます。 「脾は生痰の源」で「肺は貯痰の器」といい、水分代謝の大元は“脾”です。 従って脾の消化吸収機能が衰えた事が根本にあります。(脾失健運,湿聚成痰,痰濁壅肺) 一方、粘痰とは「痰+熱」で、経過が長引くと蓄熱されて去る事が困難になります。 痰飲の問題が解決すれば肝臓は何の心配もありません。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ >口臭(鉄が錆びたような臭い) >舌の奥(付け根?)がしびれる >舌がもつれる >舌苔が厚い >喉が詰まった感じ >おりもの 五行説では「かなぐさし(金属臭)」は肺(金)に関連づけられています。 また「肺は貯痰の器」といい、痰飲がたまりやすいところです。 舌がしびれたりもつれたりする原因に「痰阻舌麻」といって、“痰証”があります。 舌苔が厚いのも喉が塞った感じやおりものも共に“痰証”と関係があります。 これはもともと内熱が盛んな人が「痰火」を作りやすいので、それが上部で詰まると 現われる症状です。 痰熱が肺を塞ぐと「痰熱壅肺」といって、唾や痰に腥臭がして口臭のもとになります。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ >不安感・動悸・イライラ(生活の中ですべての事が不安材料になる) 漢方ではこれを「情志之火内発」といいます。 >切れにくい痰がある その火はどこから来たのかというと、「痰火」から来たものです。 >おりもの >不眠(熟睡できない) >背中が痛い  肩の痛み  手指がしびれる >かゆい  湿疹  さめ肌  にきび これらもみな痰火の色々な現われです。 痰火はどこから来たのかというと、脾胃の損傷があって食べ物の消化吸収に変調 が起こったからです。 どうして脾胃が損傷したかというと、ストレスもさることながら、辛辣肥甘の 食物の取り過ぎです。 >瞼のむくみ  めまい  頭痛  頭が重い >胸やけがする  吐き気がある >腹が張る  腸が鳴る  食欲が無い 病的な「痰湿」の発生により気の昇降が妨げられ、清気が上らないからです。 (清陽不昇,濁陰不降) 痰湿は日を経て痰火となり、蓄積すると「心」を乱すことになります。 (擾乱神明,心神不安) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ >痰が多い >参蘇飲(風邪のあと痰が切れずにいたときのみました、1週間で良くなりました) >舌苔が厚い >切れにくい痰がある >乳房にしこりがある  乳腺腫 痰とは「津液(しんえき)」の変化したもので、津液が濁って濃密になると“痰”になります。 多くは飲食が不摂生で脾胃の運化機能が損傷した事が原因です。 舌苔が厚いことがそれを表わしています。 痰ができると経絡が詰まって気の停滞が起こります。(痰凝気滞) 肝経は胸部をまとっており、それが肝経絡で起こると「乳中結核」といって、乳腺腫になります。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ >健忘があり(刷り込む様に覚えても抜ける程度) 「心は神を藏し神明を主る。腎は精を藏し脳に通ずる。脾は意思を主る。」といい、 心脾の気血不足および腎精虧虚があると「養心安神」ができずに健忘となる。 これは極端な衰弱や老化現象によって起こることでよくある事です。 >◎切れにくい痰がある >喉に異物感がある。朝、痰が喉に詰まった感じで起きる。 しかし別に一時的な病として「痰濁擾心健忘」といって痰濁が内生し、それが上逆する と神明を擾乱することがあります。 気持ちがのびのびせず肝気が鬱結すると脾の水湿運化も滞り痰濁が生じます。 舌苔は白く厚くなり、頭暈目眩・心悸失眠・胸悶不舒・喉中痰鳴などを伴ないます。 >めまい >口内、唇が乾き水分をとっても効果が無い。 >口が乾くが飲みたくない >暴飲暴食をしたわけでもないのに腹が張る。 >疲れやすい。適度の運動さえ、疲労が酷い。 すべて脾の健運失調です。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ >外などの寒い所から、室内などの暖かい所に行くと、手足は冷たいのに >顔は、熱があるようにほてって、しばらく直りません。 いわゆる「冷えのぼせ」ですね。 こういう人は本当に体が冷え切っているのではありません。 冷えと熱(のぼせ)が共存するのです。 >汗っかき >にきび これが熱です。 >胃の辺りが痛い >むくみがある >おりもの 水分の停滞(痰飲or痰湿という)があります。 水分を代謝するのは脾胃ですから脾胃の虚が根底にあります。 >肩が凝るようになりました。 >3〜4年前から手、足が冷えるようになりました。 顏ののぼせや肩凝りや手足の冷えは同じ原因で起こっています。 体の内部には十分な熱源があるのにそれがスムーズに体表まで運ばれてこないのです。 体表やその下の皮膚組織を漢方では「衛(え)」といいます。 もう少し深部の筋肉層や血管が通る部分を「営(えい)」といい、 あわせて「営衛(えいえ)」といって、この部分は協力しながら外敵と対峙する砦の ような役割をしています。 この営衛が不和になって協力体制がとれなくなると筋肉は凝り、手足は冷え、 むくみが現われます。 この「営衛不和」は何故起こるかというと、前述の「痰飲」が営衛間の気の流れを 妨げて体温の移動をさせないからなのです。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ >一ヶ月ほど前に風邪をひいて以来体調が戻らず、今だにせき込むことがある。 >切れにくい痰がある >尿が濁る  尿が濃い 一ヶ月も経っておれば悪寒発熱などの初期症状はもややなく、風邪が残していった 後遺症のみが喉頭気管支や腎・膀胱にあるという状態です。 それが「だるい」状態なので「貧血気味」かと思わせているのです。 実際は貧血ではなく、風邪が姿を変えて居残っているのです。 この時期になってもまだ風邪薬を飲むような人はいないでしょう。 では何を飲めば良いのでしょうか? 粘痰は「痰+熱」で、尿濁・尿黄は「湿熱」です。 痰と湿は一連のものです。 つまり「痰湿熱」が肺経や膀胱経に残留しているのです。 (風邪ぐらいでは肺・腎の臓器にまで影響はしません、それに繋がる経絡に邪があるのです) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ >胸やけがする  酸っぱい水が上がる >腸が鳴る >下痢 脾に「湿痰」が停滞しています。 >手指がしびれる >足がだるい  足の裏がほてる 「脾は四肢をつかさどる」ので手足に症状が現れます。 >舌の奥の両脇がしびれた感じでしばらくして、舌に渦状の白い苔ができて >その内側が赤くなりヒリヒリと痛みます。 舌はしびれと白苔の渦から始まっているので、これは湿痰の所見に違いありません。 日にちを経て熱化して「痰火」も生じています。 つまり痰火が上って、心の竅である舌に噴出したのです。 湿痰が舌につながる心経絡をふさいで「絡道不通」にしています。 舌の麻れや強ばりで言葉が出にくかったり、痰が出たりしませんか? >口がにがい  口が乾く これも明らかに痰火の所見です。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ >痰が多く出るようになりました >もともと小食で痩せてはいましたが >一度にたくさん食べることができません 「脾は生痰の源」で「肺は貯痰の器」といい、水分代謝の大元は“脾”です。 従って脾の消化吸収機能が衰えた事が根本にあります。(脾失健運,湿聚成痰,痰濁壅肺) >微熱(37度程度) 経過が長引くと蓄熱されて「痰+熱」となり、粘痰に変わります。 >耳鳴りがします。耳に水が入ってしまったときのようにボーッとして >一日中寝ている、ぼーっとする、思考力が低下、無気力 >口が臭い 舌がもつれる 脾胃虚弱であると濁陰(老廃物)が耳部経脉に阻滞して清気は上昇しません。 それで耳が塞がり、ボーッとして思考力低下をきたします。(清陽不昇,濁陰不降) また痰が舌につながる心経絡をもふさぐので舌のもつれが起こります。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ >吐き気がしてきます。 >疲れが溜まると肝臓が弱るのか夜寝る前ムカムカしてきます。 胃気は下がるのが順で、上がるのは逆です。 だから“はきけ”は脾胃の昇降機能の失調です。 では何が原因で昇降失調が起こったのでしょうか? >生理の時むくみがひどいです。 水分の代謝異常の痰飲があります。 >口が乾く >冷えのぼせて赤 熱があります。 痰飲と熱が合わさって「痰熱」となり、脾胃の昇降機能を阻害していると思われます。 >また不眠になります。 痰熱が心神を擾動して不眠多夢易醒を起こす事はよくあります。(痰熱擾心) 甘いものの食べすぎが原因になる場合が多いものです。 >原発性免疫不全症候群 痰熱の存在がこれと大いに関係しているようです。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ >目が回る。(乗り物酔い状態) “痰が無ければ眩暈はしない”と云われる位にめまいと痰湿は関係があります。(無痰則不作眩) >寝つきが悪い >おなかが弱い。 痰湿が胸中で阻むと気の昇降が不利となり、胸悶・はきけ・むねやけ等が起こります。(清陽不升,濁陰不降) 痰湿というのは消化機能が悪いと生ずるので甘いものや油物は避けてください。 痰湿の存在が長引くと熱化して「痰熱」となり、これが心神を擾動して不眠になります。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ >体重が多すぎる >耳鳴りがもう長い間続いていて まだ年齢が若いので腰痛があっても腎虚の耳鳴りではないでしょう。 一番の気がかりは肥満です。 肥満は飲酒厚味の結果で「痰は無い」といっても目で見えない“痰飲”というものがあります。 これが体内に長くあると“痰熱”に変わり、これが壅塞して清気を上げないと耳鳴りになります。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ >肺が熱を持った感じ 時に多汗 痰が切れるまで咳 不眠 >舌苔が厚い(黄色) 唇が乾く 口が乾く(夜間) >咳が出る ゼイゼイ音がする 呼吸困難 切れにくい痰がある 痰にたまに血が混じる 邪熱が肺に留まって痰濁を形成し、それが長引いて淤血も生じています。 すなわち「痰淤阻肺」の状態で、更に長引けば「内結成癰」で“肺癰”になります。 当然、肺気の出入りは妨げられ、喘息のようになります。 痰火が心を騒がせるので不眠にもなり、肺熱で口乾が起こり、痰中に血絲が混入することもあるでしょう。 清熱去痰を行って一刻も早く熱痰を取り去らなければなりません。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 全身性エリテマトーデスといっても全身症状は千差万別です。 それは病名はほんの一部しか表現しないからです。 病名も含めて全体像を把握しないと本来の免疫力を発揮することが出来ません。 感染症による発熱、喘息、口腔乾燥、切れにくい痰が出る、胸やけがする、吐き気がある、 などの症状から浮かび上がるのは「痰熱(痰火)」の証候です。 これが根底にあり、月経困難症、筋痛、膀胱炎など多種の合併症が生じているものと思われます。 複雑に見える症状でも、たいてい原因は一つに絞られるものです。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ > 頭全体がボーっとしやすく目の焦点がすぐ宙をさまよってしまう。 > ある程度睡眠をとってもすぐ眠くなってしまう。 > 非常に粘り気の強いほぼ固体のような痰が出てくる。 > 舌苔が厚い 口が臭い 舌がもつれる ボーッとして思考力低下をきたすのは「清陽不昇,濁陰不降」といって 清気が痰に邪魔されていて頭へ上れないためです。 痰はまた気の流れを阻害するのであちこちで熱を生み、熱痰となります。 それが口臭やフケなどになります。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ > 40度を超える熱が1週間以上続き > 咳・痰だけずっと残っています。 > 水分の少ない粘りのある痰で、のどにからみついて出にくいです。 はじめに脾虚があり、それで痰飲を生じ(脾湿生痰)、 加えて風邪の熱と結んで「痰熱」となり、粘痰となっています。 > 特に食後は必ずひどい眠気あり‥‥‥(脾虚) > 口が乾くが飲みたくない(水をたくさん飲むと胃がちゃぽちゃぽした感じになる)‥‥‥(脾虚湿困) > 鍼の先生によると私の体質は陰虚ということです。‥‥‥(むしろ痰熱) > 生理前に膿を持った吹き出物ができることが多い。‥‥‥(これも痰熱) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥