【19】陽亢
肝陽上亢 (過労により肝陰を損傷すると上下の陰陽が失調する);「肝陰不足・肝気上逆」 もある


<陽亢により現れる症状>

肝 陽亢
1めまい頭暈 2耳鳴り耳聾 3頭痛 4耳塞がり 5偏頭痛


<相談例> ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ >片頭痛の中の群発頭痛という病名です。 >吐く事もあります。 >目の奥が痛くなる感じです。 群発頭痛という偏頭痛は夜間などに急に来て短時間で去っていくという特徴と、 吐き気を伴なったり目に痛みを感じたりする激しい様相を呈します。 これを漢方では「肝陽の上亢」で解釈します。 肝経と督脉は頭頂部で出会うので肝の陽気は頭面部を攻撃することになります。 また「肝は目に開く」ので目にも影響します。 肝の機能(肝用)は主昇・主動の陽性の性質をもつので「気火上逆・肝陽風動」になりやすいのです。 肝臓は病理上では「肝陰・肝血が常に不足し、肝気・肝陽が常に余る」という特徴をもっています。 (肝陰不足・肝気上逆) 夜間に眼の奥に痛みを感ずるのは肝陰不足です。 「肝は疏泄を主り、条達を喜ぶ」という性質上、肝気が鬱屈するとたちまち「気鬱化火」となり、 陰虚陽亢(陰虚火炎)します。 肝気は横逆して胃気を上逆させるので吐き気になります。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ >強いめまい,前庭神経炎という診断をもらって 漢方では「諸風掉眩<タクゲン>、皆肝に属す」という言葉があります。 身体が動揺して安定せず、頭のふらつき、めまいなどの症状は多くは肝経の疾病で あるという意味です。 陰陽五行説では、肝は五臓の一つであり、五行中では木に属し、五気中では風を主り、 五志では怒りとなります。 風とは「風眩」のことで、頭旋・眩暈などを動き回る風に象徴しています。 肝経は頭頂部に上り督脉と出会うことになりますが、肝の陽気はこの脉を伝って 頭面部へと上がり、風を起こし眩暈になります。 これを「肝陽の上亢」といい急激な症状を呈します。 >鼻血  耳鳴り  耳が痛い >口が乾く >寝汗をかく  眠ってばかり >腰が痛い >若白髪 ところが一方で上のような症状があるという事になると、肝自身の病ではなくて、 肝を涵養するはずの腎水が不足して、肝の陽気が偏盛して頭部のふらつきやめまい を起していると考えられます。 つまり腎陰(水)不足が根本原因で、二次的に肝陰不足を引き起こした結果、 肝陽が上亢したもので、これを「陰虚陽亢」とか「血虚生風」とかいいます。 これは正気不足の虚証ですから長引きます。 この種の風病では先ず養血すべきです。 「風を治すには先ず血を治すべし、血行れば風自ら滅す」といわれています。 >吐き気がある >下痢 これは上亢した肝気が脾胃を責めるために起こっているのです。(肝気横逆) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 月経が始まる前は受胎可能態勢に入るため子宮の気血は大いに充実します。 漢方では「女子は肝を以って先天と為す」と言われているように、月経と肝の働きには 密接な関係があります。 従ってここで集められる気血は“肝”の気血です。 >20歳頃より、頭痛が生理の前1〜2日前より始まり、生理が始まると直った。 >血圧が高く、最近100/160くらいです。 >生理のときに来る頭痛が始まると、血圧がさらに高くなるのです。 肝の機能(肝用)は主昇・主動の陽性の性質をもつので「気火上逆・肝陽風動」になりや すいのです。 肝経は頭頂部に上り督脉と出会うことになりますが、肝の陽気はこの脉を伝って頭面部 へと上がり、風を起こし頭痛・眩暈・耳鳴り等になります。 これを「肝陽の上亢」といい急激な症状を呈します。 肝臓は病理上では「肝陰・肝血が常に不足し、肝気・肝陽が常に余る」という特徴を もっています。(肝陰不足・肝気上逆) 肝を涵養するはずの腎水が不足して、肝の陽気が偏盛して頭痛を起していると考えられます。 つまり腎陰(水)不足が根本原因で、二次的に肝陰不足を引き起こした結果、肝陽が上亢 したもので、これを「陰虚陽亢」とか「血虚生風」とかいいます。 これは正気不足の虚証ですから長引きます。 >吐き気を伴い、頭痛薬を飲んでも直らなくて、ただひたすらに寝るしかなかった。 これは上亢した肝気が脾胃を責めるために起こっているのです。(肝気横逆) 肝気は横逆して胃気を上逆させるので吐き気になります。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ >高血圧 180〜105前後 1996.1.24 の『中国中医薬報』に「高血圧のさまざま」という記事が出ています。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 漢方では高血圧を肝・腎・心・脾の正気虚を病の本とし、 風・痰・気・火を病の標としている。 本虚から言えば肝陰不足・心脾血虚及び腎虚が多い。 肝陰が不足すれば肝陽は上亢して肝風が内動し、風陽が上で騒ぐ。 心脾が血虚で気血が脳を栄養しないと腎虚・髄海不足となり、 頭痛・耳鳴り・眩暈を起こす。 脾虚から中焦の不化となり痰濁が上犯することになる。 古人は言っている「痰さへ無ければ眩をなさない」と。 (1)肝陽が上亢すると体内の陽気が盛んになる。 怒りが肝火を動かしたり、或いは気鬱が火に化して肝陽の上亢をもたらす。 陽は動を主り、升を主る。 肝陽が上亢すると肝火が風を生じて発病する。 凉血瀉火・平肝熄風を治法として竜胆瀉肝湯加減を選ぶ。 (中略) (2)高血圧患者の中で腎精虧虚の者は大抵は先天不足・腎精不充・腎精虧損である。 腎は髄を主り、脳は髄の海である。 髄海が不足すると耳鳴・眩暈となる。 その外、腎虚して養肝できなければ肝陽が動きやすくなり、虚風が上を騒がせる。 滋腎填精・養肝熄風を治法として杞菊地黄丸加減を選ぶ。 (中略) (3)高血圧患者の中で痰濁が上犯する者は肥満体型で、 甘い物を好んで脾胃を傷り、湿が集まって痰となり、 痰濁が壅盛となると肝風に痰を挟んで発病する。 その外、痰濁が経絡に流注すると気血の運行に影響し、 肢体を麻木したり半身不随になる。 化痰降濁・調肝健脾を治法として旋赭滌痰湯加減を用いる。 (中略) このように高血圧には肝陽上亢・陰虚肝旺・風痰上擾が多く、相互に転化する。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― >顔面すこし赤いと言われることがあるあとは特に自覚症状はありません 漢方では未病を治すのを理想としますが、何も自覚症状がなくて血圧だけが高い 場合には上の3つのタイプから選択せざるを得ません。 >(1)肝陽が上亢すると体内の陽気が盛んになる。 がファーストチョイスになるように思います。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ >最初少ない量から始まるが3日目くらいから多くなって 年齢的にそろそろ肝腎陰虚の時期になってくると若い時とは違ってきます。 「陰虚陽亢」といって陰が虚すと陽気は陰の制約を失うので上亢してきます。 >突発性難聴 >生理にともなって良くなってる 月経と関係深いのが肝経で、肝の陽気が上亢すると耳聾や耳鳴りとなります。 月経が始まると肝気も降下してくるのでいくらか良くなります。 >冷たい指を耳の穴に突っ込むと頭がスッとする >頭の中が鬱血してる感じ 肝陽とは上気であり熱気ですから冷やす事で良くなりますが、 それだけでは本質的な治療にはなりません。 肝腎の虚した陰を補って陽気を引き下げなければなりません。(滋陰潜陽) さもないと次には更年期障害という形で再現されます。