【35】陰(津)虚
胃陰虚 (辛燥のものを過食したり病後に胃の津液を失うと気が降りなくなる)


<胃陰虚により現れる症状>

1しゃっくり吃逆 2歯衂 3はきけ 4胃痛 5食欲不振 6嘔吐


<相談例> ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ >手のひら、足のひらにびっしょり汗をかく事が多く 漢方では「胃は四肢を主る」と言い、手足と深くつながっています。 汗とは津液の中でも陽液で、陽気の発散に使われるものです。 汗をかくという事は陰陽のバランスで考えなければなりません。 体内の陽気<エネルギー>が陰気<物質>よりも長じて有余になると、 有余の分だけ溢れてこぼれるのが汗です。 この時、次の二通りがあります。 1.陰気が正常量なのに陽気だけが一方的に増加している場合 2.陰気が不足していて陽気が相対的に多くなっている場合 >喉が乾く事が多く 「咽燥口干」が起こるのは「脾胃陰虚」があるからでしょう。 従って2.の場合に相当するようですね。 何故、陰気が不足したのかというと 「恣食辛熱厚味,蓄熱傷陰,陰虚熱自内生」 (ほしいままに辛熱厚味のものを食べ続けたので蓄熱のため陰気を傷つけ、 陰虚になったので熱がひとりでに生じた。) その結果、津液を生産する大元である胃の陰陽のバランスが崩れ、 津液が胃の支配する四肢手足から汗となり外泄しているのです。 >他人と比べても頻尿の様です。 更に進行すると透明な小便が頻繁になり、一方大便は兎糞便といって、 コロコロの大便となり出にくくなります。 これを「脾約(ひやく)」といいます。 脾胃が制約を受けて機能をしなくなりつつあります。 そのため「空腹感はあるが食べたくない」という状態になることもあります。 また胃陰が損傷される−→肺津は胃から生まれるので肺陰も虚す−→ >アレルギー性鼻炎で‥‥‥鼻がかわく という結果になります。 また陰陽が昇降を失調すると気が降りなくなり、 >腹が張る >シャックリ となり、みんなつながっています。 この「虚熱偏旺」の片寄りを治さない限り根本的治療にはなり得ません。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ >吐き下し これを「霍乱」といいます。 主に暑気あたりによる吐きくだしする急性の病気を指しています。 これは一時的な病気ですから治ればそれで一件落着です。 しかし何度も繰り返すとなるとやはり内的な問題を抱えています。 特に治った後も口の中の渇きが続いているのは異常です。 おそらくは霍乱によって津液を大量消耗して、それが未だに回復していないのだと思います。 >唾液の量が少なくていつもガムを噛んでしのいでいる。 >水を飲まなければならない事はないけれど咽の奥まで乾く感じがする。 唾液は津液と言って、脾・腎が化生を司っています。 経過から見て今の場合は脾に病変があると考えられます。 脾土の陰(脾陰)が損傷を受ければ「脾陰不足」となります。 その結果、脾気も虚すると「脾虚失運」と言って、転輸(消化吸収)の機能が失調し、 胃が水谷(食物)を受けても脾が運化することが出来なくなります。 するとまた「霍乱」を引き起こしやすくなります。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ >吐き気、胸やけ >体重も5キロ位減りました。 >手のひら、足の裏に汗をよくかきます。 これは多分、辛熱厚味の食べ物の過食による「脾胃陰虚」でしょう。 すなわち熱性食品による「蓄熱傷陰,陰虚内熱(虚熱)」の結果です。 胃は本来が“潤を喜び燥を悪む”性質のものです。 これが内熱のために乾燥すると「胃陰不足」になり、食欲不振・ 空腹感はあるが食べたくない(脾約の証)・干嘔・咽干・しゃっくり等の症状を発します。 >満腹感があるのに突然空腹感が出てくるようなときもあります。 これが脾胃陰虚の現れですが、同時に脾約があるので少ししか食べられないのです。 脾は「運化」をつかさどり清気を上げ(昇清)、 胃は「受納」をつかさどり濁気を下ろす(降濁)作用があります。 この昇降機能が狂うので吐き気や胸やけが起こり、体重は減少し、 また虚熱のために掌や足の裏に汗をかくのです。 ニキビや脂性、体がだるい、微熱ある感じ、汗っかき、口が臭い、口が乾く、 頭が重い、目がまぶしい、鼻づまり、喉が詰まった感じ、切れにくい痰、 腹が張る、頻尿などとどれを取っても皆「清気が上昇せず、濁気が降下しない」 事と「陰虚内熱」の所産です。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ >多飲・多尿、嘔吐は連日のようにあり、 >口が乾く >尿が多い これは珍しい症状です。 口渇と嘔吐の組み合わせは「胃陰不足,胃気上逆」といって嘔吐の中でも激しい症状です。 先ず食物を吐出し、食物を吐き尽すと継いで清水を吐き、清水を吐き尽すと継いで 胆汁を吐きます。 胃陰が不足するのは通常は熱病や大手術によって陰液を失った場合に起こるものです。 それがどうして通常の状態で起こったのか、余程のハードワークがあったのでしょうか。 ひどくなると口渇のため水を飲んだだけでも吐くものです。 そのためますます咽干するのです。 吐けば吐くほど胃陰を消耗するので胃中の虚火はますます上逆して際限がありません。 >膝が抜けるような感じがして歩けない、力が入りにくい 胃陰不足から更に進むと「気陰両傷」になります。 すなわち「脾気が虚すれば四肢不用となる」で、四肢の力が抜けてしまいます。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ >食後、気分が優れなくなることが多く、げっぷやしゃっくりに悩まされる >便秘 胃気は降るのが正常なのにゲップやシャックリとなって上逆するのは気機の乱れです。 気が下降しないので当然便秘にもなります。 >最近鼻が乾く >口が乾く >食べてもすぐ腹が減る(すごく) >足の裏がほてる >おできや化膿  にきび >体温が高く手のひらはいつも温かいです なぜ胃気が下降しなくなったのか、その原因がここに示されています。 これらはすべて「肺熱」や「胃熱」があるからです。 どこから来た熱でしょうか。 多分、辛熱厚味の食べ物の過食による「脾胃陰虚」から来る熱でしょう。 すなわち熱性食品による「虚熱」の結果です。(蓄熱傷陰,陰虚内熱) 胃は本来が“潤を喜び燥を悪む”性質のものです。 これが内熱のために乾燥すると「胃陰不足」になり、昇降の気機が乱れ、食べてもすぐ 腹が減る(善食易飢)とかシャックリ等の症状を発します。 こういう状態が続くと糖尿病へと進行します。