【53】その他
肺気不降 (気が上逆して降りないと大腸の伝導作用に悪影響を及ぼす)
肺失通調 (気が上逆して降りないと水分代謝に悪影響を及ぼす)
腎気上逆 (腎精を固守できないと気は上逆する)



<相談例> ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ >重症の便秘 漢方では便通に関与する臓器は単に大腸だけとは考えていません。 先ず大腸腑は(1)肺臓と表裏の関係にあるので、肺気の粛降を待って始めて下降運動を始めます。 肺は呼吸を司るので、全身の気の総支配人です。 肺は「華蓋(かがい)」と言い、身体の上部を覆う臓器で、呼吸により取り入れた「気」を 雨のように降らせているのです。 次に大小腸の直ぐ上の(2)脾胃の気が下降して来なければ大小腸の気も下降しません。 脾胃の気を下降させているのも肺の粛降性です。 更に全身の気を休まず運行させているのは(3)肝の「疎泄」機能で、脾胃の運化や胆汁の 分泌は皆この肝の働きに因ります。 このように肺・脾胃・肝と三つの部位からのサポートが無ければ「便通」は整いません。 女性は胸式呼吸が主になっているので先ず肺気の下降の効率が悪いと考えられます。 それに比べて男性は腹式呼吸なのでよく肺気が下降してくるのです。 肝は春の臓器といい、生長の気をはらみ、条達を喜び、舒暢を好み、抑鬱を嫌います。 ストレスや運動不足により情志が鬱屈したり感情が激高したりすると肝気は滞り、 「肝鬱気滞」の状態になります。 「鬱」とは集まって散逸しないこと、そして上昇すべきものが上昇できず、下降すべき ものが下降できず、変化すべきものが変化しないと言うことです。 これは転化異常であり、ここから「六鬱」(気鬱・血欝・火欝・痰欝・食欝・湿欝)の全てが始まります。 このようにして起こる便秘は「肺失粛降・肝脾気滞」の結果なのです。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ >頻尿及び排尿までに時間がかかる症状 >(今年1月に経尿道的前立腺切除術を受け、その後もいろいろ投薬も受けたが、 >頻尿や排尿までに時間がかかる症状がなかなか改善しない) 排尿といえばすぐに膀胱・腎臓を連想してそちらの治療にばかり専念するのです。 前立腺も取ったし細菌感染もないし、それなのにどうしてか排尿がスムースにいかないのは 何故でしょう? 漢方では肺は呼吸の他に“気”の機能(元気、宗気、営衛の気)をも持っていると考えます。 また皮毛、鼻、水分代謝、粛降、心の補助、血液運行とも密接に関係していると考えています。 肺の粛降作用とは「スムーズに降りて行くこと」であり、これは水分代謝に現れます。 古典には「肺は五臓六腑の華蓋<カガイ>(ふた)なり」とあります。 これは肺は一番高い所に位置し、ふたのようなもので諸臓を保護しているという意味です。 肺が高い所に位置するのは、気が軽いので昇散し易い性質があるのを受け止める為です。 軽い気は下部にある他の臓腑に行こうとしても容易には行く事が出来ません。 それで肺は下降気流を起こして上昇気流を押さえているのです。 もし肺の粛降作用が失調すると咳嗽・呼吸困難・胸悶脹満などの症が現れます。 それと同時に浮腫や小便不利、尿少などの症が現れることがあります。 人体の水分代謝は単に脾の運化、腎の気化に関係があるだけではなく、 肺の粛降とも密接に関係しているのです。 肺気の粛降は水液を膀胱に下輸して小便を通利し、水湿貯留の病態発生を防いでいます。 肺は一身の気を主り、水の上源です。 腎は一身の水を主り、水の臓です。 水液は肺の宣発粛降の作用によって人体各組織に送られ、膀胱に下輸されます。 腎は水液の気化昇降の機能をもち、また水門開閉の役目を行っています。 肺と腎は水液代謝にあって重要な役割を果たしており、その中のどれか一臓の機能が 失調し病変が起こると、別の一臓に影響を及ぼします。 たとえば尿がでないのは腎だけの責任ではありません。 肺気の宣発、通調(粛降)作用の失調とも関係があるのです。 古代の医家達は「天人相い応ず」という理論で、自然界の現象の気の昇降を用いて 人体の生命活動を解釈してきました。 「地気上りて雲となり、天気下りて雨となる。 雨、地気より出で、雲、天気より出づ」 とあり、昇降出入(上下内外)の運動は天地万物の生化の根源であるといっています。 人体の生命活動も例外でなく、この二つの昇降出入が基本となっています。 以上の事より肺は上の水源、腎は下の水源と呼ばれます。 排尿がスムースにいかない原因の一つに「肺失粛降」があり、 これを「気閉証」による[病<隆]閉(りゅうへい)症といいます。 呼吸に関して何か思い当たる事はありませんか? タバコの害とか‥‥‥。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ >漢方薬で「突発性肺炎」に効果のあるものはありますか? >医師からは肺が少し縮んでいると診断され、ずっと以前から咳きこみやすい体質です。 >現在は少し歩くだけでも息切れがします。 「突発性肺炎」というのが何なのかよく分かりませんが、咳きこみやすく 少し歩くだけでも息切れがして、足がだるくて高血圧だということから推論します。 漢方では「肺為気之主,腎為気之根」といい、呼吸を司るのは肺だけではなく、 腎も肺と同じほどの大切な働きをしています。 即ち腎には腎精を固摂し、肺の気を最終的には腎において納め取るという、 固摂と納気という二つの大きな作用があります。 腎の陽気が不足するとこの摂納の作用が不完全になり気が源に帰らず、 「呼多吸少(吐く息が多く、吸う息が少ない)」となり、腰膝はだるく、 「面青肢冷(顔色が悪く、足が冷える)」の様子を呈します。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ >気管支喘息 >将来妊娠を希望していますので、この先ステロイドをやめられなくなるの >ではないかと不安で使うに使えない状態です。 >ヒューヒューと呼吸が苦しくて、眠いのに横になれない夜を過ごすようになり、 「肺は気の主,腎は気の根」といい、呼吸をつかさどるのは肺だけではなく腎も重要な 関係を持っています。 腎の主な働きは「固摂と納気」です。 >咳すると尿が漏れる  夜間排尿が多い これは腎の固摂作用が働いていないのです。(腎気不固) >呼吸困難 これは腎の納気作用が働いていないのです。(腎不納気) >腰がだるい  足が冷える  足がだるい また「腰は腎の外腑」と言われるように腎の変化は腰に現われます。 従ってこれは腎の陽虚です。 腎の陽気は全身の「陽」の元でもあるので陽気が不足すると免疫力が衰えます。 >アレルギー性の鼻炎はあいかわらず収まりません。 >鼻づまり  鼻水  クシャミ >血圧も昼間で90ー60くらいで立ちくらみも頻繁に起こります >月経が遅れる すべて腎陽虚で説明ができます。