お嬢様、これは触手です(2)








お嬢様、これは触手です(2)お嬢様と午後のお茶



昼下がり、ユーシナは窓際の椅子に座って本のページをめくっていた。

お嬢様らしい完璧な午後だった。ユーシナは肩を剥き出しにした、白いフリルのついたワンピースに身を包んでいた。ちょうど肩紐のあたりに、丁寧に三つ編みにされ、赤いリボンがつけられた黒髪が垂れていた。カーテンがかすかに揺れ、心地よい風が頬を撫でる。

静かだった。ページをめくる音がやけに大きく聞こえる。静か過ぎた。

ユーシナは顔を上げ、窓の向こうの中庭を一瞥し、それからドアの方へ目をやった。まるで誰もいないようだった。

「ずいぶん静かだこと」

そういった途端、誰かがドアをノックした。

「失礼します」

入ってきたのは、ミーアニーナだった。ティーセットを載せたワゴンを押している。

ユーシナは彼女がテーブルの上にカップを置き、お茶を注ぐ姿を、見るともなしに見つめた。彼女の動きにつれて、白金色の髪がさらさらと揺れる。ユーシナは無意識のうちに、自分の髪に指を絡ませていた。

「お召し上がりください」

お辞儀をするメイドに「ありがとう」と答え、ユーシナはカップを手に取った。ミルクは多め、猫舌のユーシナにはちょうどいいぬるさ。誰に聞いたのか知らないが、憎らしいほどに完璧な出来だった。

(おいしいじゃない)

内心の感想とは裏腹に、仏頂面でカップを置く。

「ご馳走様」

「どういたしまして」

読書に戻る。カップを片付ける音が聞こえていたが、読み進むうちにそれもすぐに気にならなくなった。

「失礼します」

「え?」

突然、背後から手が伸びてきて、本を取り上げた。本に集中していたおかげで、何が起こったのか分からなかった。取り上げられた本がテーブルに置かれるのに続いて、両腕が掴まれ、背中の方へ引っ張られた。それから両手が手首のところで交差され、紐のようなもので縛り上げられた。すべてが完璧で、無駄のない、流れるような動作だった。ユーシナが事態を把握し、口を開いたのは、そのすべてが終わった後だった。

「ちょ…ミーアさん、どういうこと!」

ミーアニーナはユーシナの正面に立ち、いった。

「お嬢様、セックスしましょう」

ユーシナは自分の耳を疑った。まじまじと相手の顔を凝視する。胃がむかむかした。だが、メイドは通常の職務を果たしているときと同じ謹厳そうな顔つきで、主人をからかっているような様子は微塵もなかった。

ユーシナは慎重に言葉を選んだ。

「まだ昼間よ。お母様が知ったら、どう思うかしら」

「奥様はお出かけになりました。他のメイドの方たちも、奥様のお供や、それ以外の用事で出払っています。今、屋敷にいるのは私とお嬢様だけです」

「え…」

ユーシナの顔から血の気が引いた。

「でっ、でも昼間からなんてだめ決まってるでしょ」

「あまり誉められた行為ではないことは承知しています」

「とにかく、ほどきなさいよ。奴隷が主人を縛るなんて、ありえないでしょ」

ユーシナの抗議を無視するように、ミーアニーナはメイド服のスカートの中に手を差し込んで、パンティを脱ぎ捨てた。それからスカートをたくし上げると、その下から一本の男根触手が這い出してきて、鎌首をもたげた。

「ひっ」

ユーシナは小さく悲鳴を上げ、蛇ににらまれた蛙のように体を縮こまらせた。

男根はユーシナの顔に近づいてきた。それは、ほとんど透明で、窓から差し込む陽の光を透過して、きらきらと輝いていた。かすかな反射で、それがぶよぶよした肉塊であることが分かった。そして、その内部では無数の血管に似た組織が走って、透明な体液を循環させているのだった。

ユーシナは粘液が滴っている、その先端を、恐怖の混じった視線で見つめた。首を仰け反らせて逃げようとしながらも、それから視線を外すことができない。

「今日はお嬢様に、私の精液を飲んでいただきます。先端を口に含んでください」

「な、何を言っているの。これはあそこに入れるものでしょ」

ユーシナは震えながら言い返した。

「ほとんどの方は、口から精子を注ぎ込まれることに喜びを感じます。お嬢様にも、私の精子を味わってもらいたいんです」

「私はいやよ!」

「お嬢様、口を開けていただかないと、無理やり入れることになります」

男根から漂ってくる、触手特有の甘い香りに気づいて、ユーシナは顔を背けた。心臓の激しい鼓動が、耳鳴りのようにして響いていた。ミーアニーナはそれ以上何も言わず、じっと待っていた。沈黙が続いた。

ユーシナは忍耐強い方ではなかった。再び男根に視線を向けると、あきらめの入り混じった口調でいった。

「分かったわ、飲めばいいんでしょ。その代わり、早く済ませてよね」

「ありがとうございます、お嬢様」

ユーシナが口を開くと、男根がゆっくりと押し込まれてきた。

「うぐっ…」

ぬるぬるした粘液が唇に触れた。硬いのか柔らかいのかよくわからない、弾力のある感触。触手特有の粘液が放つ甘い香りが口の中に充満した。喉の入り口に先端が密着したところで、ようやく動きが止まった。

「うぅ…」

息苦しさに涙が滲んだ。

(どうしてこんなこと、されなきゃいけないわけ。私の方がご主人様なのに…)

「動きます、しばらく我慢してください、お嬢様」

ミーアニーナの言葉通り、男根はゆっくりとピストン運動を始めた。ぐじゅ…ぐじゅ…口内を擦りながら、何度も行き来する。初めての体験だったが、ユーシナにもすぐに自分がされていることの意味が分かった。

(私…犯されてる…口を犯されてるんだ…)

愛液の替わりに唾液が溢れ出してきた。それに絶えることなく染み出してくる触手の粘液が入り混じって、すぐに口の中が一杯になった。

吐き出してドレスを汚すのは嫌だった。ユーシナは思い切ってごくりとそれを飲み込んだ。

(うぇ…触手のぬるぬる、飲んじゃった…気持ち悪い…)

食道を生温かいものが流れていく感覚がやけにリアルに感じられた。気のせいか、ほんのり体の中が温かくなったような気がした。

口淫は淡々と続いた。時が止まったような静かな室内に、口を犯されるいやらしい音だけが、場違いな幻聴のように聞こえていた。頬をやさしい風がそっと撫でていく。薄目を開けると、ミーアニーナが少し苦しそうな顔をしているのが見えた。頬が赤い。感じているのだろうか。彼女の脚は少し震えているようだった。

男根の動きが速まった。

「うぅ…んっ…んんーっ!」

ユーシナは抗議しようと唸ったが、動きは止まらず、かえって速くなる一方だった。男根が口の奥を貫こうとでもいうように、勢いよく突き入れられる。衝撃で頭がくらくらした。

ミーアニーナが苦しそうにいった。

「お嬢様…出ます…全部飲んでください…」

男根が喉の入り口にぎゅっと押し当てられたかと思うと、次の瞬間、何か熱い物が勢いよくほとばしった。

「…っ!」

たちまち口の中に充満した。何が起こったのか分からなかった。ただ必死にそれを飲み込むことしかできなかった。それでも、いくらかは唇から溢れて垂れていった。

熱く、どろりとした何かが、喉を滑り落ちていった。そして粘液とは比較にならない、甘ったるく、そしておぞましい今にも吐き出しそうなほどの強烈な匂い。脳が急速に犯され、神経が麻痺するような匂いだった。

(これがせーえき…私、せーえき飲んでるよ…)

いったいどれほどの精液が放出されたのか分からなかった。このまま永久に精液を飲み続けなければいけないのかという恐怖がユーシナを襲った。だがやがてその放出も終わり、ユーシナは最後の一滴を、ごくりと飲み干した。

男根が口から引き抜かれ、ユーシナは咳き込んだ。

「んぐっ…かはっ…こほっ…こほっ!」

唇から溢れた精液を、ミーアニーナがハンカチできれいに拭い取ってくれた。

だが、ユーシナはそれどころではなかった。異変が、ユーシナの体を襲っていたのだ。

「なっ…何これ…体が…あつい…」

飲み干した精液が熱を発し、内臓を溶かしていくように全身へと広がっていった。ユーシナは苦しさに耐えかねて、口を開けっ放しにし、ハァハァと肩で息をした。ぽたぽたと唾液が落ちていく。

下腹部がジンジンと痺れるようだった。膣が蠢き、割れ目が開いて愛液を垂れ流している。子宮が疼き、狂おしいほどに犯されるのを待ちわびているのが分かった。

「ご安心ください、お嬢様。精液には強力な催淫作用がありますから、精液を飲んだ方は誰でもそうなります。すぐに私が犯して差し上げます。下着を脱がさせていただいてもよろしいでしょうか」

ミーアニーナの言葉に、ユーシナは強情に首を振った。

「いやっ、いやよ! せーえき飲んであげたじゃない。ほどきなさいよ! もういいでしょう!」

「お嬢様、子宮に精液を注ぎ込まなければ、赤ちゃんはできません」

「じゃあ、どうして口から飲ませたのよ」

「少しでもお嬢様に気持ちよくなっていただきたかったからです」

ユーシナは低く唸りながら、上目遣いでメイドを睨み付けた。ミーアニーナも一歩も引かず、静かに主人の視線を受け止めた。

やがて、ユーシナは顔をうつむかせ、小さな声で言った。

「……れてよ」

「お嬢様?」

「…入れてよ…お願い…がまんできない…」

ユーシナの小さな肩は、その声と同様、小刻みに震えていた。

「分かりました、お嬢様」

ミーアニーナはやさしく答えると、ユーシナのパンティーを椅子に座らせたままで丁寧に脱がした。それから彼女は自分のスカートも脱ぎ捨ててしまった。割れ目から触手が這い出ている様が白昼さらけ出される事となったが、ユーシナはうつむいたまま顔も上げなかった。

「失礼します」

そういうと、ミーアニーナはユーシナの足元にひざまずき、両膝に手を添えて左右に広げた。太腿がぬるりとした感触と共に椅子の上を移動した。溢れ出した愛液で、椅子の上がべたべたになっているのだ。それからミーアニーナの生殖茎がV字に開いた太腿の間に滑り込み、そのまま割れ目へと潜り込んできた。

「うっ…」

男根の先端がちゅぷりと音を立てて入ってくると、ユーシナの体は反射的にこわばった。先端に続いて、ずぶずぶと本体が潜り込んでくると、ユーシナは危うく気を失いかけた。

じゅぶ、じゅぶる、じゅぶっ…男根が規則的にユーシナの中を行き来した。男根が突き上げるたびに、その圧力に押し出されるように、うつむいたユーシナの口から喘ぎ声が漏れ出した。

「うっ…うぅ…ぐっ…ぁ…はあっ…あっ…うくっ…ぅ…」

男根の単調な動きは、ユーシナに絶望的な快感を与えた。膣がぎりぎりと締め付け、その肉襞が男根に擦られ虐げられるたびに、生々しい振動が精液の催淫効果で過敏になった体全体にびりびりと拡散していくのだ。全身が犯されることに歓喜していた。あまりの気持ちよさにどうにかなりそうだった。そしてユーシナはその感覚がたまらなくいやだった。

ユーシナは必死に歯を食いしばった耐えた。一瞬でも気をゆるめたら、快楽に押し流されて、淫らな叫び声をあげてしまいそうだった。

「うぅ…ぐっ…はやく…終わって…おかしく…なっちゃう…はあっ…あぁ…あくっ…うぅ…」

男根の動きが次第に速くなると、ユーシナは全身を硬くし、ぎゅっと目をつぶった。閉じたまぶたから、ぽたぽたと涙が零れ落ちていった。

「あっ! あぐっ! うっ! ううっ! はっ! ああっ! くっ!」

頭が次第に朦朧とし、絶頂が近づいてくるのが分かった。鋭く突き上げてくる男根の衝撃で、華奢な体ががくがくと震えていた。

「お嬢様…出ます…」

ミーアニーナの言葉に、ユーシナは切羽詰った様子で答えた。

「はやく! はやくっ! だしてっ!」

次の瞬間、子宮口に押し付けられた男根から、熱い精液が勢いよくほとばしり、子宮の中へと注ぎ込まれた。

ユーシナの体は、精液のほとばしりに合わせて、びくん、びくんと震えた。声を出すことはできなかった。快楽の衝撃が脳天へと突き抜け、頭の中が真っ白になった。子宮の中に次々と注ぎ込まれる精液の熱さと、膣に包まれてびくびくと脈打っている男根を感じながら、ユーシナの意識はゆっくりと薄れていった。



頬を撫でる風を感じて目を覚ますと、もう夕方らしく、オレンジ色に染まった部屋の光景が目に入った。風邪を引かないようにと誰かが気遣ってくれたのだろう。ストールと膝掛がかけられていた。

部屋の外では、いつものように使用人たちが忙しく立ち働いているざわめきが聞こえていた。もうすぐ夕食の時間なのだ。

傍らのテーブルに目をやると、読みかけの本がページを開いたまま裏返しに置かれていた。

何もかもがいつも通りだった。

突然ユーシナは眠りに落ちる前のことを思い出して愕然とした。白昼、ミーアニーナに無理やり犯されたのだ。

ユーシナは慌てて自分の体を見回した。一見しておかしなところはなかった。衣服は乱れてはいなかった。愛液と粘液と精液で汚れたはずの股間も清潔だった。縛られていたはずの手首にも、何の痕もついていなかった。

白昼夢だったのだろうか。

だが、体の中には、まだ炎の残り火が燃えているような気がした。あんなにはっきりした夢などあるだろうか。

ユーシナは立ち上がると、ドア越しに廊下の様子をうかがいながら、そっと鍵を閉めた。そして天蓋付きのベッドの陰に行くと、ワンピースを脱ぎ捨て、パンティを下ろした。

恐る恐る指先を自らの割れ目に沈めていった。ぐちゅりという、いつもオナニーするときとは違う、いやな感触があった。抜き取った指先には、白濁液が付着し、忘れようのない強烈な匂いを放っていた。

ユーシナは悔しさに唇を噛んだ。

膣がかすかに蠢き、割れ目からぽたぽたと白いものが零れ落ちていった。


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