お嬢様、これは触手です(7)








メイドになったお嬢様(2)お嬢様、お仕置きされる



その日、ユーシナはリリリアーナと二人で、庭の掃除をしていた。

それに気づいたのは、かすかな声が聞こえたからだった。ユーシナは手を休めて周囲を見回し、すぐにそれを見つけた。

慌てて建物の影に移動し、部屋の中からこちらが見えないように身を隠した。

「どうしたの、ユーシナさん」

リリリアーナが不思議そうな顔で近寄ってきた。

「しっ」

とユーシナは人差し指を口に当て、部屋の中を慎重に覗き込んだ。

中では異様なものが蠢いていた。

それはこの館の主であり、この町の領主でもあるネアランド・イアーその人だった。その美しい金髪は見間違いようがなかった。

だが、ユーシナより二歳年上なだけの領主は、もはや人間の少女の姿をしてはいなかった。一見すると、肩の付け根から先と、脚の付け根から先が消え失せ、頭と胴体だけの存在のようにも見えた。

だが、そこには触手があった。ほとんど透明な肉質からなる、弾力性のある細長い器官が、窓から差し込む陽光を浴びて、きらきらと輝いていた。無数の触手が絡まり、とぐろを巻き、絶えず蠢いていている。そしてそれは、ネアランドの肩と脚の付け根から生えているのだった。付け根部分は人間の細胞と触手の細胞が入り混じった、美しいグラデーションになっていた。

ネアランドの触手は、一人の少女に絡みつき、犯していた。

犯されているのは、メイド長のタリスニアだった。先ほどから聞こえていたのは、彼女の喘ぎ声だったのだ。

彼女が喘ぎ声を上げるたびに、そのウエーブのかかった黒髪が乱れて揺れた。裸の胸に巻きついた触手がぐねぐねと蠕動し、勃起した乳首がぷるぷると震える。大きく広げられた股間には、無数の触手が群がり、ぱっくりと開いた割れ目に、太い触手が出入りを繰り返していた。

「ユーシナさん、ちょっと…」

リリリアーナがうながしたが、ユーシナは振り返りもせずにいった。

「見たくないなら、別に見なくてもいいわよ」

「うーん」

リリリアーナはしばらく迷ったようだったが、結局その場から離れようとはしなかった。

ユーシナの目は真剣だった。ミーアニーナ以外の触手が、どんな風にセックスをしているのか知りたかったのだ。

ネアランドの触手はミーアニーナとは比べ物にならないくらい数が多かった。あれだけの触手に全身をまさぐられたら、どんな気分がするのだろうか。現に犯されているタリスニアは、とても気持ちよさそうだった。

それに比べてミーアニーナの触手は男根一本だけだった。いいえ、とユーシナは思い直した。あの恐怖の一夜、ミーアニーナは他にも何本かの触手を出していた。なぜあのときに限って、何本もの触手を生やしていたのかは、触手ではないユーシナには分からない。

見ているうちに、ユーシナはだんだん腹が立ってきた。なぜ、タリスニアはあんなに気持ちよさそうな顔をしているのだろう。異物を挿入される嫌悪感や、犯されることへの屈辱感を感じないのだろうか。それとも、自分も、犯されている間、あんな顔をしているのだろうか。そんな光景を思い浮かべて、ユーシナは顔をしかめた。

「すごい…」

耳元で、リリリアーナの興奮したような声がした。

ユーシナは異常を感じ取って彼女を振り返った。リリリアーナの頬は真っ赤に高潮し、瞳は美しく潤んでいた。明らかに興奮し、欲情している顔だった。

「リリさん…」

ユーシナはあきれたような顔をし、それから彼女の腕をつかむと、ずんずんと歩いていった。

「あっ、ユーシナさん」

幸いなことに、リリリアーナはおとなしくユーシナに従ってくれた。もし、彼女があくまで覗き見を続けようとしたら、ユーシナの力ではどうにもならないところだった。

ユーシナはメイド用の休憩室までリリリアーナを引っ張ってくると、とりあえず椅子に座らせた。

「ユーシナさん…」

リリリアーナは哀れっぽい声でいった。顔をうつむかせて、苦しそうに息をしている。

「だいじょうぶ、リリさん?」

「我慢できない…かも…オナニーしてもいいかなあ」

「え、ちょっと、リリさん!」

ユーシナは驚いて言ったが、リリリアーナはすでにスカートをたくし上げて、自らの股間に手を差し込んでいた。背中を丸めるようにして、淫らな喘ぎ声を漏らし始める。

「うっ…うぅ…はぁ…はぁ…あっ…んんっ」

それからリリリアーナは顔を上げて哀願した。

「…お願い…ユーシナさん…私たち、友達だよね…」

彼女の欲情に濡れた上目遣いの表情に、ユーシナは心臓が跳ね上がるのを感じた。頭に血が上り、全身の血管がどくどくと音を立て始めた。

「…分かったわよ、やってあげるわよ」

ユーシナはぐっと拳を握り締めると、椅子をリリリアーナの方に寄せ、密着するように腰を下ろした。

隣から手を伸ばしてリリリアーナのスカートの中に手を突っ込む。手探りでパンティの中をまさぐり、濡れて熱くなっている割れ目を探り当てた。

「あっ…はぁ…はぁ…はあっ…くっ…ううっ…いいよぉ…気持ちいいよぉ…」

指先を割れ目に沈み込ませ、くちゅくちゅと掻き回してやると、リリリアーナは気持ちよさそうに声を上げ始めた。

間近でリリリアーナの顔は、あまりにも艶めいていて、ユーシナは異常な興奮を覚えた。昨晩は暗がりの中だったから、おぼろげにしか見えなかったのだ。

「ああっ…あっ…あくっ…ううっ…うぅ…」

さすがに大きな声を上げるのが恥ずかしいのか、リリリアーナは両手で自分の口を塞いだ。まるで嗚咽しているかのように、肩が震えている。やがて、リリリアーナの体はびくびくと震え、それからぐったりと背もたれにもたれかかった。

「ふぅ…」

リリリアーナが逝ったのを見定めると、ユーシナは息を吐き、手を引っ込めた。陰部に挿入されていた指先が、べっとりと濡れている。ユーシナはハンカチを取り出すと、丁寧に指先を拭った。

「ユーシナさん…その…ありがとう」

リリリアーナが息を吹き返して、恥じらいの入り混じった笑顔で言った。

「どういたしまして」

「次はユーシナさんの番だよね」

「えっ…私は別に…ちょっと、リリさん!?」

ユーシナは慌ててスカートを押さえようとしたが、そのときにはすでにリリリアーナの手が股間に入り込んでいた。

「リリさん、落ち着いて!」

ユーシナは何とか彼女を思いとどまらせようとしたが、リリリアーナの方は完全にその気になってしまっていた。力ずくで跳ね除けようにも、ユーシナの力では彼女の腕一本動かすことはできない。やがてリリリアーナの手がパンティの上から感じやすい部分に触れると、それだけでユーシナの全身から力が抜けていった。

「やっぱり…ユーシナさんも、こんなに濡れてる。あんなのを見せられたら、仕方ないよね」

(違うわよ!)

ユーシナは反論したかった。確かにユーシナの股間は、溢れ出した愛液ではしたないほどに濡れていた。だがそれは、ネアランドとメイド長の情事を覗き見したためではないのだ。

(リリさんのせいよ。あんなにエッチな顔をするから)

だが、ユーシナの口から出たのは、押さえきれないよがり声だった。

「ひっ…うっ…うぅ…くっ…ぁあ…あっ…はぁあっ…あっ…んんっ…」

リリリアーナの指が、ユーシナの割れ目をこじ開け、愛液に満たされた膣の中を掻き回している。くちゅくちゅといういやらしい音が聞こえる。ユーシナは慌てて自分の口を塞いだ。

快感と恐怖が入り混じった、ぞくぞくした感覚が、背筋を這い登ってきた。もし今誰か来たら、自分の恥ずかしい姿を見られてしまう。心臓が破裂しそうなほどに鼓動を打ち、頭が今にも爆発しそうだった。

(リリさん、お願い、やめて! 友達なら分かるはずでしょ?)

ユーシナは必死に目で訴えたが、リリリアーナには通じなかった。彼女はユーシナの顔を見るといった。

「ユーシナさん…分かったわ、もっとしてあげる」

笑みを浮かべ、リリリアーナはユーシナのクリトリスを擦り始めた。

ユーシナの体がびくんっと椅子の上で跳ねた。意識が今にも飛びそうだった。もう体の自由は利かなかった。ただ肉芽を擦られるたびに、全身がびくびくと痙攣するのが分かった。口を塞いでいた手の感覚はなくなり、ユーシナの口からは、もう止めることのできない喘ぎ声がひっきりなしに溢れ出した。

「あっ…あっ…あひっ…ぁあっ…ああっ…あぁああっ…あぁあっ!」

そのとき突然ドアが開き、メイド服姿の誰かが現れていった。

「何をしているんですか」

リリリアーナの体が驚きのあまり、びくんと震えた。

(見られた!)

羞恥と絶望にユーシナの目の前は真っ暗になった。それと同時に、いつか感じた、堕ちていくような恍惚と快感が全身を襲い、ユーシナはたちまち絶頂に達した。

「あっ、あっ、あぁああああっ!!」

そしてユーシナは気を失った。



やってきたのは、つい先ほどまでネアランドに犯されていたはずのメイド長、タリスニアだった。覗かれていることに気づいて、二人を探しにきたのだ。そして今や二人は、そのメイド長の部屋で、罰を受ける身となっていた。

それにしてもこれは酷いと、ユーシナは思った。タリスニアが二人に手渡したのは、男根型の張形がついた淫具だった。男根をあそこに挿入し、付属のベルトで体に固定するのだ。しっかりと。

男根を見たことがないらしいリリリアーナは、最初不思議そうな顔をしていたが、説明を聞くにつれ、泣きそうな顔になっていった。

(見てられないわね)

ユーシナは頭に血を上らせながら思った。じたばたするのはフィロディス家の娘としてのプライドが許さなかった。それでユーシナは「分かりました」と答え、率先して罰を受けることにした。

パンティを脱いでスカートのポケットにしまい、スカートをたくし上げて淫具を装着した。

ぐちゅりと音を立てて、割れ目が男根の先端を飲み込んでいった。まだ濡れたままだったから、挿入はスムーズだった。

(これくらい何よ)

それなりの太さの男根だったが、ユーシナは意地になって奥まで差し込んだ。毎日、本物の男根触手に犯されていたのだ。作り物の男根など、なんでもないはずだった。

最後にベルトを締めて、淫具を固定した。

ユーシナの姿を見て観念したのか、リリリアーナもたどたどしい手つきで淫具を装着した。

二人が淫具を装着したのを見届けると、タリスニアは「私が戻ってくるまで、部屋から出てはいけませんよ」と言い残して、部屋を出て行った。



タリスニアが出て行くと、ユーシナはベッドの端に慎重に腰掛けた。

お尻の谷間にベルトが食い込み、男根が強く押し込まれて子宮口を圧迫した。

「くっ…」

ぐっと歯を噛み締めて、襲ってくる快感に堪えた。

(このくらいの罰、どうってことないわよ)

そう思っていられたのはわずかな時間だけだった。理不尽な扱いに対する怒りが冷めるにしたがって、挿入された男根の存在感が次第に増していった。

膣が異物を排除しようと収縮を繰り返し、ぞわぞわと蠢き続ける、否応なしの快感が背筋を這い上がってくる。子宮への圧迫感のために、何かが喉からせり上がってくる様な感覚がいつまでも続いた。じゅぷじゅぷと音がする。愛液で内腿はもうべとべとだった。腰掛けているシーツにも染みているだろうが、そんなことを気にする余裕はもうなかった。

「う…ぅ…ぁ…」

太腿を擦り合わせるように蠢かせると、男根がわずかに膣の中を掻き混ぜ、新たな快感が背筋を走った。一瞬気が遠くなる。だが、足りなかった。体が更なる快感を求めていた。

「ユーシナさん…」

椅子に座っているリリリアーナが情けなさそうな声を上げた。

「…オナニーしてもいいかな…私…もう我慢できない…」

「だめよ、リリさんっ!」

ユーシナは叱り付けるようにいった。驚いたのかリリリアーナがびくっと体を震わせる。

「またエッチなことをしているところを見られたら、もっと酷い罰を受けることになるわよ」

「も、もっと酷いって…なに…?」

「全裸で仕事させられたりとか、みんなの前でオナニーさせられたりとか…とにかく、そういうことよっ。だから我慢して」

「う…うぅ…」

ユーシナの脅しが効いたのか、リリリアーナはおとなしくなった。ただ、よほどつらいのか、俯いてぽろぽろと涙を流している。

できることなら自分もオナニーしたかった。あそこに指を差し入れて、めちゃくちゃに掻き回したかった。過敏になった肉芽を擦り、乱暴に揉みしだきたかった。激しく腰をよじらせて、何度も繰り返し逝きたかった。

だがユーシナは、両膝の上に置いた拳をぎゅっと握り締め、快楽の誘惑に堪え続けていた。拳がぶるぶると震えていた。爪が手のひらに食い込んで痛かった。

いったいいつになったらタリスニアは戻ってくるのだろう。ユーシナは次第に意識が朦朧とするのを感じた。

そのときガチャリと音がして、ドアが開いた。

ようやく戻ってきた! ユーシナは期待を込めて入り口を注視した。

だが、入ってきたのはタリスニアではなかった。そこに立っていたのは美しい金髪の少女だった。

「ネア様…」

ユーシナはどうしていいか分からずに、金縛りにあったように固まってしまった。まさかこの館の主人であり、この町の領主でもある彼女が、メイド部屋などへやってこようなどとは思いもしなかったのだ。

「あら」

ネアランドは一瞬驚いたような顔をしたものの、すぐに状況を理解したのか、微笑を浮かべた。

「…お仕置きを受けているのね。かわいそうに。私は別に覗かれたくらいいいじゃないとはいったのだけれど」

ネアランドは入り口に近いユーシナの方へ歩いてくると、やさしく話しかけた。

「苦しかったでしょう。大丈夫、私に任せて」

そういうと彼女は、おもむろにユーシナの股間に手を伸ばした。

「あっ…だめっ…」

ユーシナは慌てて止めようとしたが、体は思うように動かなかった。ネアランドの手がすばやくスカートの中に潜り込み、愛液で濡れた太腿の間に差し込まれた。

「ひっ…!」

稲妻のような衝撃が腰から頭まで走り抜け、頭が真っ白になった。クリトリスに触れられただけで逝ったのだ。全身がびくんと跳ね上がり、それから背中に回されたネアランドの手に抱き止められた。

「もう我慢しなくていいから」

耳元でネアランドが囁き、彼女の指先がユーシナの肉芽を、愛液もろとも押し潰すようにして撫で回した。

ユーシナの小さな体は壊れた玩具の様に跳ね回った。もうどうすることもできなかった。あられもない声がひっきりなしに上がった。頭の中が真っ白になったまま、何も考えられなかった。

「あっ! ああっ! らめっ! あっ! ひっ! ああっ! あぁあっ! あぁああああっ!!」

どれほど絶頂が続いたか分からなかったが、ようやくネアランドの愛撫が終わり、ユーシナの体はベッドにぐったりと倒れこんだ。

息が苦しかった。ハァハァという自分の息遣いがやけに大きく聞こえた。頭が朦朧とし、目の焦点が合わなかった。あふれた涙が流れ落ちていく。体が自分のものでなくなったようで、動かすことができなかった。

ユーシナは横になったまま、ピクリとも動かず、リリリアーナの悲鳴のような喘ぎ声を、ぼんやりと聞いていた。ネアランドがユーシナと同じように愛撫しているのだろう。

やがてリリリアーナの喘ぎ声が途切れると、ネアランドが近づいてきて、ユーシナの頬をそっと撫でた。

「起きられるようになったら、もう自分の部屋へ戻っていいわ。タリスさんには私から言っておくから」

そういい残してネアランドは部屋を出て行った。


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