南東の風・私の読書日記

最近の三冊
【ハートブレイカー Heart Breaker 】
  ロバート・フェリーニヨ 著 浅尾敦則 訳

 これは、典型的なハード・ボイルドだ。 フロリダのギャングの大物・ジュニアの片腕として働いていたバルは、幼馴染みの潜入捜査官が惨殺されるのを見たことを切っ掛けに、組織を裏切り、西海岸へと逃亡する。
 冴えない映画のアクション振り付け師として暮らすバルは、同じアパートの美しい海洋学者と知り合い、恋に落ちる。 学者の実家は有数の財産家で、しっかりものの母親と、優柔不断ながら莫大な財産を所有する義理の父親、そして、見かけだけは一流のファッション感覚を持つ実弟のいる豪邸へ招かれる。
 そこには、弟の新しい恋人も同席するが、やがて、財産を狙う弟カップルの魔の手が母親に迫る。 一方、密告されたジュニアは、西海岸へと飛び、旧友のバルに対して復讐を企てる。

舞台は、オレンジ・カウンティ。 私の大好きな西海岸を舞台にした物語です。
事件解決か、と思われた最後の最後でドンデン返しが用意されていて、飽きずに読めた。
タイトルが重要な意味をなすのも、最後の展開においてである。

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【最終審判の日 The Last Day】
Gレン・クライヤー著 内田昌之 訳
写真右  徳間書店

 この本が書かれたのは、1997年である。 つまり、世紀末の、先行き不透明な時代に書かれた小説であると言うことが、この本の全てであるように思える。
 聖書の予言にともなって、千年期の終わりから始まりにかけて、イスラエルに救世主が出現する。 イエス・キリストの再来である。 果たして、この救世主の正体は?
 現代と言う時代にあって、救世主の起こす数々の奇蹟は、メディアによって即座に世界中へ配信され、ライブで知ることができる。 世界中の宗教界、政治を巻き込んだ世界最終戦争へ=ハルマゲドンへと突き進んで行く時、救世主の指し示す世界は、、、。

 既にミレニアムを体験し、9・11を体験して来た2004年と言う現代において、物語は陳腐化しているとは言え、ノンストップ・アクションとしてこの小説は、おもしろかった。

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 先だって読んだミステリ・サークルという小説でも、最終審判の日でも、聖書や予言、と言うことが重要なモチーフとして、取り上げられている。
   9・11以来、宗教の対立、主としてキリスト教、ユダヤ教と言うことに大して、強い興味が湧いているのだが、単なるエンターテインメントとしての小説においても、それらの宗教の価値観、歴史等が色濃ゆく表現されていることを実感する日々で、より一層の勉強の必要性を感じる。

2004年07月09日 09時27分28秒

石の猿


【The Stone Monkey】 ジェフリー・リーヴァー著 池田真紀子訳 文芸春秋社

 映画にもなった【ボーン・コレクター】のリンカーン・ライム・シリーズの第4作目。
中国からの不法移民の斡旋を行う蛇頭との戦いを描いたノンストップ・アクションです。と言っても主人公のリンカーンは爆弾事件の捜査中の被害で、第4頚椎損傷を受け、車椅子生活を余儀無くされているため、彼の頭脳とゴーストと呼ばれる蛇頭の殺人鬼との対決だ。
嵐のロング・アイランド沖、20数名の中国からの不法移民を乗せた船を蛇頭が、自らの逃亡を計るために転覆させる。
命からがら脱出し、上陸した移民達の命を証拠隠滅のためゴーストは執拗に狙う。
とぼしい証拠を駆使し、頭脳と、手足となって働く恋人の協力をえて邪悪なゴーストと手に汗握る移民達の追跡劇は、最後まで息をつかせぬ展開で、ついつい夜更かしをしてしまった。
ジェフリー・ディヴァーの良さは、登場人物の細かい描写、情景説明の的確さであろう。

【サイレント・ゲーム】リチャード・ノース・パタースン著 後藤由季子 訳 新潮社


リチャード・ノース・パタースンの著作は、前作【最後の審判】についで、2作目です。
高校時代の良きライバルであり、無二の親友だった男が、自分が教頭を勤める高校の女子生徒の殺害容疑で逮捕される。
弁護士の主人公も高校生時代に殺人容疑をかけられて、ふる里を後にした経験があり、今は友人の妻となっている昔の恋人も要請で、20数年ぶりに帰郷する。
友人の女子高生殺人容疑と、自分にかけられた嫌疑と、そこに関わる小さな田舎街のひとびと。

ふる里の全てが忌わしさと懐かしさを思いださせる。
(お前はおれの親友だ、だから、お前のやっていることがどんな馬鹿のことでも、評価することはやめにした)
切なく甘い青春の友情は、どのような姿で主人公を迎えるのだろうか?

30数年ぶりにふる里の街を訪ねた経験がある私は、ふる里やおさな友だちの変わらないもの、変わってしまったもの、それぞれに、色んな思いを抱いた経験があるだけに、主人公の心象風景が理解できるような気がしていた。
法廷でのスリリングな攻防、心にうまれる数々の疑惑。甘く切ない幼き日の恋。

秀作です。


【ペインテッド・ハウス】 ジョン・グリシャム 著  白石朗 訳 小学館


グリシャムの自伝的小説とのこと。
先のアメリカ大統領、クリントン氏の出た、アーカンソウ州の綿花栽培農家の苦闘の物語。
綿花栽培の小作農一家の暮しぶりを一家の幼い息子の目を通して、たんたんと描いている。
主人公の男の子は、この物語の時代1955年に7歳と言うから、私と同じ年である。
7歳の私は、九州の筑豊の炭坑街の悪戯小僧でした。
空には、双発の戦闘機が飛んでいたり、親父達が掘り出した石炭を運送するのに、時折馬車なども使われていた時代。
テレヴィ放送は、実験放送の段階だったと思う。
力道山の活躍、相撲では、若乃花、栃錦がこれから大関、横綱へと登り詰めて行く前の時代。
野球では、長島は大学生で、川上が全盛のころ。

時折、知人の家で、見せてもらうテレヴィのなかのアメリカは、大きな冷蔵庫や家々にある電話、芝生がひかれた大きな庭。そして食卓には、厚いステーキや、色んな果物、クッキーやチョコレイト、、、。

アメリカの全てが眩しく輝いていた、そんな時代だったと思う。

ところが、この本に描かれた南部アメリカの綿花栽培地帯は、そんなアメリカとは懸け離れ、ひと人の多くは、裸足だったり、借金にあえいでいたり、その日の食べ物にも事欠いていたり、竜巻きや洪水に苦しめられたり、、、。
およそ、自分が知っていたアメリカの豊かさとは、無縁の世界でした。

ここ2冊、グリシャムの法廷小説以外の物語を楽しめました。







2004年05月18日 22時19分44秒

2004年3月
【真相】ロバート・B・パーカー著
菊池光一訳 早川書房刊
 ボストンの私立探偵=スペンサー・シリーズの記念すべき30巻目の今回は、前作で年老いて、心配していたスーザンとスペンサーの愛犬パールが亡くなっていた。
そして、二人は、パールと同じ犬種の子犬を新しい家族として迎える事になった。

スペンサー・シリーズの初期の名作【初秋】に登場して、後にスペンサーの養子とも言える存在になった、ポール・ジャコミンのガール・フレンドの母親が殺された昔の銀行強盗事件を調査を引き受けるところから物語が始まる。
60年代から70年代始めにかけて、アメリカを席巻したヒッピー達をスペンサーはどう捉えていたのか?
その視点は、おそらく多くのいわゆる一般市民がヒッピーと言う言葉、運動、人たちに抱いていたイメージと大した変わりはない見方しかしていない事に少し幻滅を感じてはいたが、まあ楽しめる本ではあった。

そもそもシリーズと言う形式の物語には、おなじみのキャラクターがお馴染みの事件を解決をしていく、と言う事になるのだが、そこには読んでいて、友人の話しを聞いているような安心感を覚える。
また来年、お前の話しを聞かせておくれ、、、。そんな気持ちを抱いてしまうのだ。

【コールド・ロード】T・ジェファーソン・パーカー 著

この作家の本は、【パシフィック・ビート】以来、4冊目となる。
この本以前は、その物語の舞台は、ロスアンジェルスの近郊=オレンジ郡やロング・ビーチなどが主なところだったが、今作からは、サン・ディエゴが舞台となっている。
作者の引っ越しとともに物語の舞台も引っ越したと言うべきか。

三世代の渡る確執の二家族が、一方では殺人事件の捜査官、一方は被害者として登場。
各々の家族の数十年が事件に色濃ゆく反映される展開となっている。
私はこの物語では、サン・ディエゴの街の描写に魅了された。

【チェイシング・リリー】マイクル・コナリー著


LAの刑事ボッシュ・シリーズデお馴染みの作家によるナノ・テクノロジーを重要な要素としたミステリー。
若くして成功を目前にしたサーファー科学者が、新しく引っ越した家の電話にかかって来た間違い電話を切っ掛けに、ナノ・テクノロジーをめぐる欲望の暗闇へと引きずり込まれて行く。
2転3転する展開は、ミステリーとして、秀作だと思う。
2004年04月11日 00時19分28秒

カストロ 偶像なき権力者
カストロ 偶像なき権力者 戸井十月 著 新潮社刊

 日本のマスコミは世界中の通信社から配信を受けたニュースを取捨選択して、ニュースとして私達の手許に流しているはず。
その出所が、時として、ある種の政治的意図を帯びて流された時、私達は身構えてそのニュースを受け止める必要があるのでしょう。
 よほど興味がある人でない限り、キューバの国と言う事については、熱烈な音楽の国であり、サトウキビの生産国であり、人民の上に君臨するカストロ(独裁政権)の国であると言う認識がおおかたであろうか。
 このような認識は、主に代々のアメリカの政権から発した見方が元になっていると思っていたが、その事を検証してみるために友人が進めてくれた、タイトルの本を読んでみた。
 この本も、一人の旅人の見方であると言う事を念頭に起きつつ、読み進めていくが、ほとんどの独裁政権下の国と、キューバはどうやら異なった国作りを行っているようにあるなあ、と言う感想を持つにいたった。
 タイトル通り、カストロは自分の銅像や肖像画を飾る事を禁止し、自らの地位を国民に押し付ける事を無理強いする事なく、革命以来の国作りに励んでいる、と言う事が良く分かった。
たしかに、革命と言う事の影の部分もあるのだろう。その事を言うならば、資本主義社会の悲惨さもまた、虐殺とも言い換えて良いような場面に出くわす事もある。
 色々な出来事が起こり、様々なニュースが流されている現在、そのニュースを良く吟味して受け取らねばならない、と言う事を再認識した次第です。

プレイ(Prey) 獲物

マイクル・クライトン著 早川書房刊
マイクル・クライトンという名前と、ジュラシック・パークと言う映画とでは、一体どちらが人々の認知度として高いのだろうか?
古くは、アンドロメダ病原体、から、最近に本でも公開された、タイムラインまで、クライトンほど映像化された作品が多い作家も数少ないと思う。
S・キング、やJ・グリシャムと共に、映画化作品の多いクライトン、発表される作品はいつも、時代の最先端の問題を扱った作品であるところが、ハリウッドに愛される作家たる由縁だろうか?
 この本は、1ミリの数千分の一以下の分子、原子の世界を取り扱った物語である。
時折、新聞の科学欄で紹介される、ナノテクノロジー=分子レヴェルでの機械や道具の生産技術、をめぐる物語は、今度もまた、映像としておもしろそうな展開を見せる。
現在、最強のエンターテインメントな作家である。
2004年03月07日 11時26分40秒

テスタメント
【テスタメント】 ジョン・グリシャム 白石朗 訳 新潮社刊

アメリカ屈指の大富豪が飛び下り自殺をした。直前に書き直された遺書をめぐって、物語が展開する。遺産相続人として指名された、未知の娘は、アマゾンのジャングルの彼方。遺産相続執行人のアル中弁護士は相続人を見つけることができるだろうか?

【ブラック・ウオーター】T・ジェファーソン・パーカー 横山啓明訳 早川書房刊

サイレント・ジョーと同じ著者。同じ舞台=アメリカのオレンジ・カウンティで起こった、保安官助手に寄る妻殺しと自殺未遂の真相を追求する女性捜査官。彼女を取り巻く人間模様。この捜査官を主人公にした物語が2冊先行して発表されているらしい。その内容が、色濃く反映されていて、捜査官の真理を理解するのにやや戸惑いを覚える。



【ケルアック】 青山南他 訳 毎日新聞社
 
いわゆる、ビートジェネレイションの中心にいた、ジャック・ケルアックの伝記。彼の周りの人たちにインタビューをして、その人となりを解きあかして行く。アメリカの伝記には、この手法をとった書き方が多く存在する。
ロックを創った男・ビル・グレアムなど、この種の伝記本として秀逸な出来上がりだった。
わたしは、グレイトフル・デッド>ニール・キャシディ>ビート・ジェネレイション>ジャック・ケルアックという流れでこの本に辿り着いた。
2004年01月18日 09時56分34秒

最後の審判


【最後の審判】リチャード・ノース・パターソン著 東江一紀訳 新潮社刊

サンフランシスコ在住の女性弁護士キャロラインは大統領より連邦控訴裁判所判事に推薦される。 人生の最終目的に今にも手が届かんとするその時に、20数年前に捨てたふる里、ニュー・ハンプシャーから一本の電話を受ける。
 キャロラインの姪が殺人事件で犯人として訴追されそうだと言う。 らつ腕弁護士として姪を救って欲しいと言う依頼の電話だった。
 捨てたはずのふる里と、家族。 中でも判事として地方の名士として隠然たる影響力を持った父親との葛藤。異母姉との葛藤。 古い恋人が姪を訴追する検事としてキャロラインの前に立ちふさがる。
物語の進展と共に、何故キャロラインガふる里を捨てたのか、家族と絶縁してしまったのか、父親との葛藤の原因は、、、が明かされて行く。 そして、最後にはドンデン返しとも言える真相が明かされる。
 60年代、70年代を青春期で過ごした私にとって、物語の背景に大きく影を落とす重要なファクターとしてヴェトナム戦争があった、と言う事実に大いに興味がそそられた。
 ニューイングランド地方のWASPの旧家の人間関係=親子関係の物語り。 これも、面白い。

サイレント・ジョー


【サイレント・ジョー】T・ジェファーソン・パーカー著 七搦理美子訳 早川書房刊

この本の主人公の名はジョー・トロナ。 幼い頃、実の父親から硫酸を浴びせられて顔の半分に見にくい傷を負う。 売春婦だった母親からも捨てられ、施設で引きこもりがちなところをオレンジ・カウンテイの郡政委員をしている男に引き取られる。
 長じて保安官補として刑務所勤めをしながら、空き時間に養父の運転手兼ボディガードを勤める。 そんなある日、養父が銃撃された時から物語が始まる。
 複雑に入り組んだ人間関係、絡み合う利権構造。 小説にしては凄い数の登場人物。 名前を覚えるだけでも大変な努力を要する。 翻訳小説の一番の難点がここにある。
 事件の核心に迫るに従って、崇拝する養父の暗部にも迫らざるを得なかったジョー。 24歳の純粋な心を持った男が、事件を追って犯人に迫りながら、自らのアイデンティティにまで迫って行く物語は、その舞台=LA南部のオレンジカウンティへの興味とも相まって、非常に面白い物語だったと言える。
 この物語は、面白いミステリーであると共に、一人の男の成長の物語でもある。

ユダヤ人の歴史地図


【ユダヤ人の歴史地図】マーティン・ギルバート著 池田智訳 明石書店刊

この本は、まるで高校の地理の地図本みたいな装丁です。 いろいろな翻訳ものを読んでいて、ユダヤ人の歴史や居住地域などに興味を持ってこの本を借りてきました。
 紀元前2000年頃のユダヤ人の居住地から聖書にしるされたモーゼの出エジプト記のころの居住地など、あらゆる時代のユダヤ民族の居住地や分布地などが一目瞭然な形で地図にしるされています。 BEN・Hurの活躍した場所は?から、1992年までの世界中のユダヤ人の住んでいる場所、迫害の歴史等もしるされていて、非常に興味深いです。
 中央アフリカや中国など極わずかな国をのぞいて、世界中に散らばる(存在する)ユダヤ民族。 次は、何故ユダヤ民族が迫害されてきたのかについて読んでいきたいと思っています。 

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不揃いの木を組む


【不揃いの木を組む】小川三夫著 草思社刊

現代の名工 鵤工舎の親方 小川三夫氏の仕事に対する心構えや、弟子の育成などが、朴訥な口調の中で語られています。 氏は、あの有名な西岡棟梁の内弟子として鍛えられた方で、数多くの寺社建築、修復を手掛けられています。 
 日本の伝統的な建築界の、弟子の育て方など、大いに興味をそそられました。 

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ベン・ハー


【ベン・ハー】キリストの物語 ルー・ウォレス著 辻本庸子/武田貴子 訳 松柏社刊

 ある年令より上の方は、このベン・ハ=と言う名前には、あああの映画、と言う反応を示されると思います。 それほど、ベンハーと言う名前のハリウッド映画は有名で、お馴染みの戦車競争のシーンは手に汗を握ったものです。
 かく言う私も中学校2年生の時、担任だった先生に連れられてこの映画を見に行きました。 当時まだ珍しかった70mmワイドスクリーン一杯に繰り広げられるシーンに、驚き、感動したものでした。
 この映画の原作が存在するとは知っていたものの、まさかアメリカの南北戦争のころに書かれた物語だったとは思いもしませんでした。 映画自体も3度目のリメイクだったそうです。
 副題にも示されているように、キリストと同時代に生きたベン・ハーの人生が、キリストの人生と交錯し、大きな影響を受けて生き抜いて行く物語でした。 ほとんどの部分が、映画にて表現されているのですが、作者が一番か来たかったと思われる、キリスト教信仰に関わる部分が詳しく掛れていました。
 キリスト教とユダヤの反目など、あまり詳しくは知らなかったのだけど、キリストがユダヤ民衆の裏切りによって磔になった経過が分かりました。 それでも、何故、裏切ったのか?と言うことは今いち不明な疑問が残ります。
 キリスト教、ユダヤ民族(=旧約聖書物語などを読んだが)、そして今に繋がるアラブとの長い歴史的な反目。などなど、この地方の衝突の歴史などまだまだ知らないことが多すぎます。
 先に読んだ【イエスの遺伝子】もキリスト信仰が大きく物語りに影響していて、やはり、西洋の物語はキリスト教などに対する知識があるとないとでは、面白みが全く違ってくることを改めて痛感しました。

2003年08月09日 13時07分58秒
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イエスの遺伝子


【イエスの遺伝子】The Miracle Strain マイクル・コーディ著 内田昌之 訳 徳間書店刊

 ノーベル章の授賞式直後、暗殺者の放った弾丸は愛する妻の命を奪い去った。 打ひしがれる天才遺伝子学者は、亡き妻の脳に悪性腫瘍が存在していたことを知った。
 母親も同じ腫瘍で亡くした経験から、一人娘の遺伝子を調べると、そこには、、、、、。
 バイオテクノロジー会社を経営する主人公が、その能力を最大限に発揮して娘の命を救うべく飛び回る。
恐ろしい暗殺者の影に追われながら、究極の遺伝子=イエス・キリストの遺伝子に含まれる治癒能力を求めて探索を続ける。
 とまあ、このような物語でした。 これは面白かった。 西洋の精神の根幹をなすキリスト信仰と、最先端の遺伝子工学が、複雑にからみ合い、見事なサスペンスに仕上がっていた。
 作者の言葉「科学と宗教の戦い、運命と意思の戦いを描いてみたかった」が、見事にノンストップ・スリラーとして、展開されています。 お薦めです。

2003年08月09日 13時07分58秒
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