
*は楽譜の所在がわからないもの、※は録音したものの入手方法がわからないものです。
〈イラン〉 昔から独自のピアノ曲が存在したようです。J.Maaroofの作品の録音テープ
を持っています(コピー。レコードは友人がパリで入手)。この作曲家の作品
《Fantasie Jila》の楽譜が東京芸術大学小泉文夫資料室にあることがわかり
コピーを入手しました。
1960年の第6回ショパン国際ピアノ・コンクールでタニア・アチョット=ハルトゥ
ニアンという人が3位に入賞していますが、その後どうなったのでしょうか。ど
なたか情報をご存じな方はお知らせ下さい。1979年のイスラム革命以降、こ
の国のピアニストについての情報は聞いていません。ただ、2006年1月24、25
日、日本人ピアニスト、宮本いずみさんがテヘランでコンサ−トを開き、ベート
ーベンのソナタなどを演奏しました。ヤマハがイランでのピアノ音楽普及のた
め開いたものだそうです(朝日新聞 2006.1.28夕)。この国の今後が期待され
ます。
参考書:「世界音楽の時代」(ブルーノ・ネトル著、勁草書房、1989)。イラン
のピアノ音楽に関する考察が載っています。
〈シリア〉 Dia Succari (1938〜 )の《La Nuit du Destin》*という流麗な作品を聴く
ことが出来ます(CD:World Keys、piano:Joel Fan、Reference Recordings
RR-106に収録)、またこの作曲家の《Suite Syrienne》※の楽譜があります。
(出版 Societe des Editions Jobert :44, rue du
Colisee - 75008 Paris France)
アラ ブのメロディーの主題が展開してゆく所が私にはわかりにくかったです。
〈レバノン〉 Abdallah Chahine はアラブ世界でもっとも有名なピアニストの一人だそうです
この人はピアノによるアラブ音楽(ピアノ曲ですが太鼓がつきます)のレコード
「Oriental Bouquet」*を1974年に出しています。注目すべき試みだと思います。
(レコードNo.はMT703。Voix de l'Orient Series producted
by A.Chahine & Fils
P.O.Box 11-1729 Beirut. Lebanon / Manifacture &
distribution by Emi Greece
S.A. P.O.Box 944. Central. Athnes. Greece。友人がパリで入手)。
現代ピアノ作品としては、Naji Hakim(1955〜 )の《Dumia》があります。
(CD:spectrum3、Thalia Myers-piano、Metronome
CD1053)。
国際的に知名度が高い ピアニストではアブデルラーマン・エル=パシャがい
ます。
〈イスラエル〉 私は1992年にエルサレムで楽譜を少し入手しました。やはり他のアラブの
国とは違う独自のメロディーが感じられました。
ブロッホ Ernest Bloch (1880〜 1959)は、スイスに生まれ、アメリカに移住
したユダヤ人の作曲家です。その音楽は彼自身が述べているように、旧約聖
書の世界からの霊感から生まれたユダヤ精神による音楽です。神秘的な感じ
を受けます。(CD:Bloch:Complete Piano Works
1&2、MARCO POLO
8.223288 & 8.223289)。
2004年、ピアニスト田隅靖子さんはリサイタルで、ナチス・ドイツの大虐殺で
犠牲となった4人のユダヤ人作曲家の作品(ヴィクトル・ウルマン《ソナタ第7
番》、クライン《ソナタ》、エルヴィン・シュルホフ《組曲第3番(左手のための)》、
ハース《パストラル》)を演奏しました。未聴。貴重な試みだと思います。
CD「ベン・ハイム ピアノ曲集」(Piano Music
of Paul Ben-Haim,Centaur
CRC2506,piano:Gila Goldstein)があります。Paul
Ben-Haim(1897〜1984)の
作品は民族音楽をベースにしてプロコフィエフを思わせる現代的な響きを聴か
せます。初めはとっつきにくかったのですが、何度か聴いてゆくうちに面白さが
わかってきました。
Gil Shohatの、《ゴッホ、ムンク、クリムトの絵画に寄せる3つの即興曲》
(3 Inprovisations on Paintings)※の楽譜がイスラエルのOr-Tav
Musicという出
版社から出ています。アカデミア・ミュージックの楽譜検索にあり。未見。
〈グルジア〉 ロシアの作曲家リャプノーフ Sergei Lyapunov (1859〜1924) に《グルジア民
謡の主題による変奏曲》*があります(CD:OLYMPIA OCD688
Sergei
Lyapunov Piano music)。さわやかな作品です。
〈アゼルバイジャン〉 アジザ・ムスタファ Aziza Mustafa Zadeh (1969〜 ) というピアニスト
兼ヴォーカリスト兼作曲家が民族音楽とジャズとクラシック音楽を融合させた、
独特の躍動的な作品を発表しています(CD:DECCA UCCL-1045 Aziza
Musutafa Zadeh Shamans。CD中14曲のうち6曲がピアノ・ソロです)。
またフランギス・アリー=ザデー(1947〜 )という女流作曲家の《ピアノの
ための音楽》*が収録されているCDがあります(ノンサッチまるDWPCS11868
未聴)。
〈アルメニア〉 ハチャトゥリアン Aram Khachaturian(1903〜1978)のピアノ曲の多くはまる
で「健康優良児」を連想させるような陰影のない音楽です。《トッカータ》(1932)
にはアルメニアの民族色があります。《仮面舞踏会》にはミステリアスな魅力が
あり、彼の作品としては異色なもの。
CD「Piano Music from Armenia」(OEHNS CLASSICS
OC 374 ,piano:Sona
Shaboyan)にこの《トッカータ》やアルチュニアン Alexander Arutiunian(1920〜
)、ババジャニアン Arno Babadjanian(1921〜1983)の作品が収録されてい
ます。このCDは前半で紹介された作品群は素晴らしく面白いのですが、後半
の部分は、私にはよくわかりません。
楽譜では全音からハチャトゥリアンのいくつかのものが、またアルチュニ
アンの《三つの音楽的絵画》が出ています。
〈トルコ〉 A.Adnan Saygun(1907〜1991)の作品を集めたCDがNAXOSから出ました。
また、《Sketch on Aksak Rhythm》が収録されているCDもあります(CD:World
Keys、piano:Joel Fan、Reference Recordings RR-106)。
最近ではこの国出身の人気ピアニスト、ファジル・サイが、トルコ民謡とジャ
ズと旋法的な音楽を融合させた作品を発表しています。東洋と西洋をつなぐこ
の国のピアノ曲のさらなる紹介が望まれます。
〈キプロス〉 Cyprien Katsaris の弾いたCD:A Tribute to Cyprus (NIGHT&DAY P21
015)の中に、この国出身の作曲家 Anis Fuleihann
(1901〜1976)の作品など
が入っています。
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