*は楽譜を探索中のもの ※は録音したものが見つからないものです。
〈メキシコ〉 この国を訪れて、ここがピアノ音楽の宝庫だということがわかりました。
ビジャヌエバ Felipe Villanueva (1862〜1893)の《詩的ワルツ Vals Poetico》
カストロ Ricardo Castro (1864〜1907)の《ワルツ
Vals bluette》など民族的
な音楽やサロン音楽の伝統があります。
特にヨーロッパの後期ロマン派の影響を受け継いだロマンティック・メキシ
コと言われ る作品群が注目さ
れます。この代表がメキシコを代表する作
曲家で《エストレリータ(星)》やギター曲で先に有名になったマヌエル・M.
ポンセ Manuel Maria Ponce (1882〜1948)(写真)です。ポンセのピアノ曲
は最近CDが少しづつ出て来ました。きわめて魅力的な音楽です。この内
「Balada Mexicana」 (ピアノ:J.F.Osorio、ASV DCA874)と、《ピアノ協奏
曲》が入っている「メキシコ管弦楽名曲集(6)」(ピアノ:J.F.Osorio、指揮:E.
BATIZ、メキシコ国立交響楽団、ASV DCA-926)をお勧めします。ポンセの
《ピアノ協奏曲》は、チャイコフスキーやグリーグのそれとも並べることの出
来るものです。ポンセこそショパン以来のメロディー・メイカーだと私は信じ
ています。
ポンセのピアノ曲の七枚組CD全集の申し込み先:
http://www.tiendakit.com/poncemusic
このCDのピアニストはHector Rojas、これだけまとめあげたのは世界
初の偉業です。ただし演奏はやや生硬で、これを出発点にさまざまな演奏
スタイルが練り上げられてゆくことを期待しています。
一方、カンポス Ruben M. Cmpos (1876〜1945)の作品は、良い意味でた
いへん大衆的な音楽です。またモンカージョ
Jose Pablo Moncayo (1912〜
1958) の《3つの小品(Tres piezas)》は、メキシコ先住民の音楽をピアノで表
現したものでたいへん新鮮。
これとは反対にアルメンゴル Mario Ruiz
Armengol (1914〜 )は、おし
ゃれで都会的な音楽が特徴で、今はまだ知る人ぞ知る存在でしかありま
せんが、日本での流行を期待したいと思います。私としてはカンポスの方が
好きですが。
私がメキシコの図書館や音楽店で集めてきた楽譜が、「ラテン・アメリカ・
ピアノ曲選」 Bメキシコ編(CD付き楽譜、校訂・監修・演奏:宮崎幸夫、全音
楽譜出版社、3400円+税、2000年)となって世に出ました。ぜひお買い求め
下さい。CDだけでも「メキシコ」というタイトルでラック・ミュージック(
027-
234-6484)から出ています。さらに「ポンセ・ピアノアルバム」が新発売され
ました(CD付き楽譜、これも宮崎さん、全音、3400円+税、2005年)。これも
CDだけのものがラック・ミュージックから出ました。
なおメキシコの Escuela Nacional de Musica からポンセなどの楽譜が出
版されています。また、この国のネットCDショップMix upと、Agora music
にその他のCD情報があります。
メキシコの作品の多くはロマンティックで親しみやすいので、ピアノ教育の
分野でもうってつけだと思います。今後、日本で広く紹介されてゆくことを期
待しています。
メキシコの音楽図書館 (楽譜をコピー出来ます)。
CNA (CENTRO NACIONAL DE LAS ARTES)
Rio Churubusco & Calzada Tlalpan,
Col.Country Club,04220
Mexico,D.F.Mexico
http://www.cnca.gob.mx/cnca/buena/cna/biblioteca.html
l Escuela Nacional de Musica
Xicotencatl 128, Co1. de1 Carmen
Coyoacan, Mexico,D.F.
Mexico
〈グアテマラ〉 Marco Polo社からGuatemala Volumeというシリーズもののピアノ曲のCD(作曲
家専集)が出ています。この内、Manuel Martinez-Sobral(1879〜1946)はモーツァ
ルトの焼き直しみたいであまり独創性はありません。しかし、カスティージョ
Ricardo
Castillo (1894〜1966)の作品は先住民族マヤの音楽を継承したもので、じっくり聴
くことをお勧めします(楽譜はフランスのMax Eschigから)。
〈ホンジュラス〉 リバス Jimena Andonie Ribas の作品、《Cuentos para piano》※の楽譜を入
手しました(Secretaria de Cultura y Turismo Honduras,
C.A.より)。純朴で、技術
的にもやさしい作品です。また、R.Velasquezの作品《Dos
Canciones Hondurenas
(2つのホンジュラスのうた)》*の録画を友人から入手しましたが、これも純朴な
作品です。
〈キューバ〉 ポピュラー音楽の聖地として世界的に注目されているキューバ。ピアノ曲でも
期待が持てそうです。セルバンテス Ignacio Cervantes
(1847〜1905)、レクオーナ
E.Lecuona( 1896〜1963) の作品など、一度聴いただけで体が踊り出したくなるこ
と必定、日本でも愛好者を増やしてゆく兆しがあります。
2001年10月ピアニスト宮崎幸夫さんによって、CD付き楽譜「ラテン・アメリカ・ピ
アノ曲選」Cキューバ編が全音から発行されました。(CDだけならラック・ミュージ
ックから)。ここに収録されているセルバンテスの《すごい衝撃(Los
tres golpes)》
は、“これぞキューバの魂”と言える作品。神代麻子さんの弾くCD「ハバネラ」(フォ
ンテック―未聴)にもセルバンテスが収録、映画「苺とチョコレート」にもセルバンテ
スの作品が挿入されています。2010年、菅川(ひろかわ)薫、奈々子夫妻の校訂・
運指によるセルバンテスの楽譜集「キューバ舞曲集」がヤマハミュージックメディア
から発行されました。
またレクオーナ Ernesto Lecuona(1895〜1963)にはアフリカのリズムが生きて
いるのがわかります。CD:アフロ・キューバン・ダンス(ピアノ:神代麻子、fontec
FOCD20018)など。そう言えばキューバの音楽文化とは、ヨーロッパとアフリカと
キューバ原住民の音楽が融合したものなのです。
キューバを主題とした外国人の作品としてコープランド(米)のキューバ舞曲
Danzon Cubano、ポンセ(メキシコ)のキューバ狂詩曲 1a Rapsodia Cubana、アル
メンゴル(メキシコ)のキューバ舞曲 Danza cubana 全19曲などがあり、お薦め
です。
〈イギリス領ケイマン諸島〉 むかし新世界レコード社でケイマン諸島のピアノのCDを売っ
ていたのですが、買い逃してしまいました。どんな音楽だったのでしょうか。
〈ジャマイカ〉 ジャマイカのピアノ曲として情報を入手したのはただ一つ、Oswald Russell
(1939〜 )の《Three Jamaican Dances》*です。サンプルを聴くことが出来ます。
http://www.nyaho.com/senku.htm
〈ハイチ〉 Ludovic Lamothe のピアノ曲のCDの情報があります。
http://www.cdbaby.com/cd/cpphillips
〈アメリカ領プエルトリコ〉 Carlos A. Vazquez (1952〜 )の《Imagenes Caribenas》*とい
う作品がありますが、私にはどうもカリブのイメージとは結びつきません。
(CD:Sonoric Rituals、Martha Marchena(p)、Albany Records U.S.TROY242の中
に収録)。
〈フランス領マルチニック島〉 差別にめげず、黒人であることに誇りを持って明るく生きる少
年を描いたフランス映画「マルチニックの少年」の主題曲*が、私の知っているこ
の島の唯一のピアノ曲です。
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