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11世紀・アラブ領主のパティオ |
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11世紀のパティオ
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家の中に洞窟があると聞いては黙っておれません。 さっそく取材に行きました。
・・・なんと、劇場のようでした。
柱に寄り添うように置かれている植物は、 ピディストラというそうです。 トレドではどんな庭にも必ずあります。
細かい小石の嵌めこまれたテーブルは、昔使われていたスペイン式千歯稲扱(せんばこき)。小石が歯の役目を果たします。 小麦は収穫されると市場に運ばれ地面に敷き詰められました。その上をこの板を牽いた家畜が歩き回るや、小麦は板と家畜の足とこの板に嵌められた小石によって脱穀されていきます。板の上には三又の鍬を持った人が乗り、干草にする茎や葉をより分けていったのです。
こんな素敵な家の持ち主は美術家でもなんでもありません。 花の名前に首を傾げるご主人は、眼光鋭い刑事さん。 働き者の奥様は、女盛りの看護婦さん。
11世紀のアラブの領主の城だったというこの家、先祖から受け継いだわけでもありません。ごく普通のお二人が、数年前に購入したもの。きちんと歴史資料も残されているそうです。
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二階の回廊からの眺めもまた、まるで桟敷席から見た舞台。
「回廊」はラテン語でガリレア。「ギャラリー」のことです。 ぐるりと回って美しいパティオを眺めることから来た言葉なのかもしれません。
雨を遮るため、元は空に筒抜けの天井に曇りガラスの屋根を取り付け、パティオを室内の居間のとして利用しています。 陽射しがやわらかく感じられるのはそのためです。
脱穀機の板は、特注した足と表面のガラスでお洒落な空間を醸し出すのに一役買っています。
どことなく、アジアの匂いがしませんか?
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