英国便り from 出見世先生
ココでは出見世先生より届いたメールや写真なんかをご紹介しております。
英国便り Vol.10〈9月12日〉
出見世ゼミの皆さん、お元気ですか。先日、商学部の寺島先生にコッツウォルズ 地方に連れて行っていただきました。寺島先生は、英国のスポーツおよびスポーツ政策に詳しいばかりでなく、英国の文化、生活についても豊富な実体験を通じて深い知見を持っていらっしゃいます。私達を乗せた車は、モーターウェイと呼ばれる英国の高速道路を走り、ロンドンから北に向かい、「ジャンクション」と呼ばれるインターチェンジや「ラウンド・アバウト」と呼ばれるロータリーを正しく通って順調に目的地まで着くことができました。こちらの高速道路は、時速120kmほどの速さで走ることができ、日本とは異なり現時点では無料で利用することができます。私達の走った高速道路は、なだらかなカーブはありましたが、比較的直線となっており、しかも、片道3車線でしたので、そのくらいの速さで走っていても特に危険を感じることはありませんでした。
英国の道路の特徴として知られる「ラウンド・アバウト」は、三叉路以上の複数の道路が交差するところにあります。道路上に円が書かれていて、一旦「ラウンド・ア
バウト」に入って行きたい道路へ出て行きます。この際、出口は全部入口でもあり、自分から見て右側の車が優先されるので、左側の車が停止することを前提にして右側に位置した車を走らせることになります。慣れると簡単なルールだそうですが、相手がこちらに向かって来ないことを信頼して行動することが求められるだけに少し不安でもあります。日本と英国で同じように運転している人の話では、英国の方が進路を譲ってくれるので走りやすいとのことです。交差点などは、日本と同じよ
うにあるのに対して、信号の数は日本に比べると少ないと思います。日本では大きい道路が優先道路になるでしょうから、信号のない交差点で細い道から進入するこ
とは難しいかもしれませんが、こちらでよく見かけるのは、大きな道路の車が一旦停止して道を譲る光景です。
信号が少ないことは、歩行者のための横断歩道も少ないことを意味します。その上、ロンドンに来た人は経験していることだと思いますが、歩行者用の青信号が点いている時間は極端に短いのです。大きな道路では、赤から青に変わって横断を始めたにもかかわらず、渡り終わる前に信号が赤になってしまうこともあります。基本的には、自動車優先、自動車の速さを維持することを優先していることなのだろうと理解しています。また、車の方は、信号が赤から黄色に変わった段階で、アクセルを踏むことが一般的なようです。何やらカーレースのスタート・シーンを見ているようです。歩行者は信号に関わらず自動車が来なければ横断します。道路には自動車の来る方向を示して、「右を見ろ」とか「左を見ろ」と書かれています。家族と一緒に日本から来た知人と食事に行った際、自動車が来ないので赤信号を横断しようとしたら、子供の教育によくないのではないかと窘められましたが、私達もすっかり英国流の歩き方に慣れてしまったようです。
その一方で、学校の近くなどには、歩行者の横断を優先させる場所があります。 白黒のポールの先に黄色のライトが付いたポールが道の両側にあり、道路には横断歩道を示す白線が描かれているのですが、そこでは歩行者が立っている場合、必ず自動車は止まらなければならないそうです。小学校の登下校時には、「ストップおじさん」、「ストップおばさん」と呼ばれる人がいて、「止まれ」のカンバンを持って交通整理をしています。ベビーカーや子供を連れて歩いていると、車の方で止まってくれることもよく行なわれています。こちらでは、譲り合いや思いやりが自動車を運転する上で不可欠なようです。さらに、英国の道路には日本では見かけないものがあります。それは、「ハンプ」と呼ばれる道路上の凸です。住宅街に多く見られるものですが、自動車のスピードが出ないようにするために設置されているようです。車がスピードを落とさずに「ハンプ」を通過すると、車台をガリガリと擦るか、大きく車が揺れて飛び跳ねるようになります。そのため、「ハンプ」の威力がわかっている人は、まず、減速をすることになります。さらには、まだ、一箇所しか見たことがありませんが、車一台分の幅に鉄柱を立て減速を促しているところもあります。
このように、住んでいる人たちにも優しい道路の工夫が見られる一方で、逆の意味で日本と異なることがあります。それは、地域性もあるのでしょうが、私達の住んでいる地域の道路はガタガタなところが少なくありません。息子の通う学校の前の道路には、舗装がはがれているところがあったり、穴が開いていたりするところもあります。歩道についても同様で、うっかり歩いていると転んだりします。また、ごく少量のアルコールであれば、運転することも認められているようです。4期生の卒業論文で倫理的課題事項として飲酒運転の問題が取り上げられていましたが、昨今の日本の報道を見る限り考えさせられてしまいます。こちらのパブと呼ばれる居酒屋の多くが駐車場を併設しているからです。もっとも、地元の人は地域社会の社交場として家の近くのパブに行くでしょうから車を利用しないでしょうし、
お酒を飲むことよりも会話を楽しんでいるようなので、そうした心配は杞憂なのかも知れません。
さて、9月末にドイツで行なわれるIFSAM、経営学会国際連合の大会に出席します。今回は、企業統治のセッションの司会を務め、「日本におけるCSR−歴史的視点から」と題する報告を行ないます。私は、現在、「ドイツへの道」を走っているところです。以下のHPでも紹介されていますので、よかったらご覧になってください。
http://www.ctw-congress.de/ifsam/progr_tracks.html次回は、ドイツからの番外編をお送りしたいと思います。
