英国便り from 出見世先生


ココでは出見世先生より届いたメールや写真なんかをご紹介しております。


英国便り Vol.12〈11月29日〉

 出見世ゼミの皆さん、お元気ですか。
 セント・メリーズ大学経営学部の「企業倫理」の授業に出ています。その主な内容は、「経営における倫理」「労働者の権利」「広告」「情報技術と倫理」「金融における倫理」「社会的責任と倫理投資」「企業と自然環境」「多国籍企業」「倫理綱領」などです。これは、私が経営哲学の授業で後期に取り扱っているものとほぼ同じ内容です。また、担当のカーニー先生は、授業の最初に小テストを行ないます。たとえば、先日の多国籍企業に関する授業のときには、「世界最大の100社の売上高は世界全体のGDPのどのくらいに当たるか」という問題が出されました。学生は、4つの選択肢の中から一つを選ぶことになります。授業は、パワーポイントによりスライドを用いて進められますが、配布される資料はスライドの一部のみです。カーニー先生の話を聞きスライドを見て、配布資料にメモを取ることになります。自分自身の授業の進め方と似ている部分が少なくなく、授業内容ばかりでなく、授業の進め方についてもよい勉強になっています。
 海外の大学の授業について持っていたイメージと異なることもあります。カーニー先生は、自嘲気味にこのクラスはとても静かですといわれますが、これは、授業中の先生からの「何か質問がありますか」という問いかけに対し、積極的に質問することがあまりないからです。日本では、学生は先生から一方的に授業を聞くのに対し、外国では、学生と先生との活発な議論が行なわれるというイメージを持っていましたが、このイメージはすべての授業に当てはまるわけではないようです。授業の時間についても、きっちりと時間通りに始まり、そして終わるように思っていたのですが、必ずしもそうではないようです。カーニー先生の前の時間の先生は、終業時刻を過ぎても授業をしているので、カーニー先生はよく教室の前で待たれています。もっとも、カーニー先生は、事前に教室に設置されているパソコン等を立ち上げ、配布資料を机に並べ、すぐに授業が始められるように早目に教室に行っているので、そのことも教室の前で待つ原因になっていると思います。
半期の授業の回数は、10回程度です。これは、大学によって異なるのかもしれませんが、明治大学の3分の2程度しかないのです。そのため、 カーニー先生の企業倫理の授業は、12月の第2週で終わります。成績の評価は、1月は2時間に及ぶ筆記試験と2000ワードのレポートの提出により行なわれます。レポートの提出期限は、12月なので、最近の授業では、しばしば「ここはレポートで取り上げられるべき論点です」という言葉が使われます。2000ワードというのは、英単語を2000使って書くことを意味しますので、日本の感覚では、400字詰め原稿用紙50枚程度になるでしょうか。
 話題は、変わりますが、皆さんは、今年のボジョレーヌーボーを飲みましたか。日本のニュースは、2006年のヌーボーの品質や価格を話題にしていましたが、英国では、ごく一部の百貨店やスーパーを除いて、ボジョレーヌーボーをあまり扱っていないようです。偶然、店先でボジョレーヌーボーを見つけたのですが、日本に比べると、価格が半分以下なのに驚きました。地理的な近さ、ワインへの関心の違いなどが影響しているのでしょうか。写真のボジョレーヌーボーを購入したのですが、見ておわかりのように、日本で一般的に売られているものとは異なり、スクリューキャップが採用されています。これは、手軽に飲めるように、あるいは、保存しないことを前提としているからでしょうか、こうしたところにも国による違いを感じてしまいます。英国は、パブに代表されるように、ビールを飲む国だと思っていると、そうではない一面もあります。それは、クリスマスに発泡ワインを飲むことです。こちらでも、すでにクリスマス商戦が始まっていますが、お酒の売場には、たくさんのシャンパンなどの発泡ワインが売られているのです。これは、最近の変化ということではないようです。英国のクリスマスについては、別の機会に紹介したいと思います。