英国便り from 出見世先生
ココでは出見世先生より届いたメールや写真なんかをご紹介しております。
英国便り Vol.17〈2月12日〉
出見世ゼミの皆さん、お元気ですか。
5期生の皆さんは、卒業式までの学生生活最後の期間を有効に利用されていることと思います。私の場合は、大学院進学を控え、とにかく多くの本を読み、2年後の大学院後期課程の入学試験に向けて第2外国語の勉強をしていました。私が1・2年次に受講していた中国語は、当時の入試科目にはなかったので、一から学ぶ必要があったからです。ラジオ講座、テレビ講座などを利用して、独学でフランス語とドイツ語を学びました。入試は、どちらか一方を選択すればよかったのですが、受験の年まで両方とも勉強して、最後によりわかりやすい方に選択する方法を取りました。友人の多くは卒業旅行に行ったので、よく土産話を聞かせてもらいました。前にもここに書きましたが、できるだけ若いときにいろいろなところに行かれるとよいでしょう。
1期生の皆さんは、卒業から5年目になりますね。私が亜細亜大学短期大学部に就職したのも、商学部を卒業してちょうど5年が過ぎたときでした。大学教員になることを目標として大学院に進学しましたので、その目標は達成されたわけです。浮かれた気分で大学教員としてのスタートを切りましたが、ある先生から「人間は5年も同じことをしているとマンネリになる。これからは自分自身で意識して変化をつけた方がよいですよ。」という助言をいただきました。5年以内で博士論文を書き上げ、博士の学位を取得することが次の目標となりました。仕事をしながら、論文を書くということは決して楽なことではありません。「忙しいから仕事ができないというのはおかしい。忙しい人の方が集中して仕事をするので、よいものができる」との先輩の先生の言葉を励みに努力することになりました。ここでの仕事は、私達の場合、論文や学会発表になります。卒業生の皆さんは、今、どのような目標や夢を持って日々を送っているのでしょうか。
話題は変わって、先週の土曜日、イングランド・プレミアリーグの試合を息子と見に行きました。昨年の優勝チームで、今年は第2位のチェルシーのホームゲームでした。家の近くの駅から、すでに同チームのレプリカの青色のユニフォームを着た人を見かけましたが、試合会場の駅は、青一色という趣がありました。その地域の繁華街に近いことも関係しているでしょうが、スタジアムの近くにはホテルもあり、ショップも広く単に店に入るだけでも入場制限をしているほどでした。日本からの観光客も何人も来ているようでした。ただ、イングランド・プレミアリーグといっても、チェルシーはロシア人がオーナーになっていますし、つい先日も人気も実力もあるマンチェスター・ユナイテッドがアメリカ人の二人の富豪により買収されたことが公表されました。テニスの全英オープンの様子から「ウィンブルドン現象」といわれたことがありますが、英国は外から何でも受け入れ、活性化を図っているようです。
その一方で、「フリーガン」はほとんど見られません。だからこそ、子供を連れて試合を見に行けるのです。景気がよくなったことも関係しているでしょうが、警察を含め徹底した警備体制も影響していると思います。対戦チームのファン同士が隣り合わないような配慮があることはもちろんのこと、その間に警備の人が並びます。試合終了近くになると、グラウンドは警察官により取り囲まれます。そして、駅までの通りには騎馬警官が並びます。その上、英国政府は至る所に監視カメラを設置しているので、「フリーガン」が暴れる余地がないのです。商学部の1年生のときの英語の授業で、英国のことについて学びましたが、そのとき、英国社会の一つの特徴として学んだ「フリーガン」は、もうすっかり過去のものとなったようです。その時代の英国は、高い失業率、階級の対立などから、「英国病」といわれるほど、経済が低迷し社会も停滞していたのです。英語の授業のテキストには、フィッシュ・アンド・チップスも、新聞紙に包まれて売られていると書かれていましたが、訪英して1年近く経ちましたが、現在まで見ていません。年月の経過は社会も変化させることを実感しています。
