英国便り from 出見世先生
ココでは出見世先生より届いたメールや写真なんかをご紹介しております。
英国便り Vol.9〈9月7日〉
出見世ゼミの皆さん、お元気ですか。こちらの気候は、すっかり秋めいてきました。
今回も、前回に引き続き、英国における一消費者の視点から企業の活動について紹介したいと思います。先日、英国の交通機関が高く不便なのは、利用者が声を上げないことが原因ではないかと米国出身の元経営者がコメントしていたのを読みました。一時期、熱波の影響で暑い日が続きましたが、ロンドンの地下鉄の車内には
エアコンがないので50度近くになったこともあり、地下鉄運営会社は、乗客にペッ
トボトルなどを持参して熱中症を予防するよう呼びかけていました。地下鉄の温度を下げる方策は試みられていません。また、週末は必ずどこかの区間が不通になり
線路の点検などが行なわれます。もちろん、地下鉄に平行して路線バスが走っていない区間では、代替バスが運行されるのですが、地下鉄に比べると不便であること
はいうまでもありません。日本であれば、多くの場合、終電から始発までの間にこうした作業が行なわれているような気がしますが、どうでしょうか。
食品に関してですが、英国人の3人に1人は食品の「消費期限(use by) 」を無視して、食べているとの記事を見ました。これによると、会社は余裕を持って消費期限を設定しているはずだと消費者が考えているとのことでしたが、皆さんはどうでしょうか。これは、いつまでおいしく食べられるかを示す「賞味期限」(best
before)と品質の劣化により食べることができなくなる「消費期限」とを混同していることと関係しているとのコメントも寄せられていましたが、牛乳など一部の商品については「陳列期限」が印字されているものもあります。先日、我が家では「消費期限」内であるにもかかわらず、サラダ用のカット野菜がひどく傷んでいたので廃棄しました。この程度であれば、こちらの人は食べるのだろうかと思いながらも、お腹を壊したくないですから。また、特に食品を購入する際には、期限内ものであるか、必ず確認するようにしています。一部のお店ですが、上記のような消費者気質を反映しているのか、平然と期限切れ商品がそうでない商品と同じ棚に並んでいたりするからです。そうした注意を払っていても、先日、中身がカビだらけのウェ
ットティッシュを買ってしまいました。セールで元の値段の3分の1になっていたので、つい買ってしまったのが失敗の原因です。店に文句を言いに行くことも考えま
したが、往復の交通費を考えあきらめました。食品などの表示は、一定の基準はあるのでしょうが、かなり詳細に成分等を表示しているものとそうでないものとが混在しています。英国においても、「オーガニッ
ク」や「ナチュラル」という表示の食品を見かけますが、そうした食品に対する規制がゆるいのではないかと指摘しているNPOもあります。TVコマーシャルを見ていると、価格の安さやセールの開始を伝えるものが多く、また、商品の機能がこんなに優れていると強調するものが少なくありません。どのような規制が存在するのか、少し調べてみたいと思います。
下の写真を見てください。1ポンドと50ペンスの大きさの違いをどう思われますか。私の家族は、その商品を1ポンドだと判断してレジに持っていきましたが、もちろん1ポンド50ペンスを払いました。スーパーでは、「バイ2フリー1」、「セーブ1ポンド」のような表示が価格表示よりも大きく掲げられていることもあります。前者は2つ買うと1つ分が値引かれる、後者は「1ポンドのお得」という意味ですが、こちらの生活に慣れていない我々にとっては、価格による判断以前にこうした販売促進活動に影響されてしまいます。また、セール品に1本だけ並んでいた高価なものを買
ってしまったこともあります。スーパーでは、値札が貼られていることはまずないので、お客が適当に商品を戻してそれに気がつかないとこんな経験をすることになります。そのためか、一部のスーパーでは、バーコードの読み取り機を自由に使
え、会計をする前に自分がいくら買ったか確認できるようにしています。英国でも、公正取引や消費者保護を目的とする企業法(Enterprise
Act)や競争法 (Competition Act)も制定されていますが、公正取引局のアンケート調査では、
その存在が企業に対してあまり認識されていないようです。 英国のスーパーや銀行などで必ず経験するのが、列(queue)に並ぶことです。一時、日本で話題になったような「フォーク並び」もありますが、長い列に待つことが一般的です。スーパーなどでは、1週間分程度のまとめ買いをする人が多いので、会計にかかる時間も長くなります。多くのスーパーでは、5品以下や現金払いのみなど、条件をつけて列を分けるように試みていますが、見ていると必ずしも並び方の指示が守られていないようです。長い列ですから、どんな理由があれ割り込みなどをしようものならば、大声で文句を言われます。その一方で、スーパーの駐車場には、建物の入り口の側に車椅子の方、小さな子供のいる方などの指定があるところが多く、実際よく利用されているので、こちらの方はよく守られていると思います。
そうした駐車場のあるスーパーは、基本的にバリアフリーの仕組みになっていて、出入り口のみならず、レジの高さまでちょっと低めになっていると思います。こうした点についても、地下鉄の一部の駅には、エレベーターがありますが、階段だけのところも少なくなく、対応が遅れているようです。
