小泉首相を刑事告発しよう!

小泉首相の「私戦予備罪」での告発運動の提起(前田朗東京造形大学教授)   2003年12月29日

 先に「自衛隊イラク派兵準備は私戦予備罪にあたる――小泉純一郎首相の犯罪を 告発するアピール」を公表しました。このアピールに賛同して頂ける方がいらし たら、小泉首相告発運動を起こしたいと思います。ご意見をお寄せいただけると 幸いです。
 趣旨
 自衛隊イラク派兵はイラク特措法にもとづいて閣議決定により進められています が、その間、驚くべきことに憲法論議がまったくといってよいほど行われていま せん。日本国憲法は戦力不保持・戦争放棄・交戦権否認を規定しているにもかか わらず、政府は憲法無視の違憲行為を積み重ねてきました。そのうえで、いまや 武装した自衛隊を派遣して、違法なイラク占領に加担する勢いです。これほどの 憲法破壊が行われているのに、政治やマスコミにおいては、憲法論は無視された ままです。それどころか、小泉首相は、憲法前文の趣旨をねじまげた引用を行う 有り様です。
 反戦平和運動は、イラク特措法に反対し、イラク派兵に反対して頑張ってきまし たが、残念ながら議論を巻き起こすことに成功していません。政治もマスコミ も、真の問題点には目を塞ぎ、自衛隊派兵を既定事実としています。こうした状 況を変えるために、私たちは、できることは何でもやる必要があります。かつて の「湾岸戦争」に際しての戦費90億ドル調達や掃海艇派遣に対しては裁判所に 違憲訴訟を提起しました。最近の「アフガン戦争」でのインド洋自衛艦派遣に対 しても違憲訴訟が闘われました。しかし、裁判所における違憲訴訟はことごとく 却下されています。違憲訴訟を舞台とした反戦平和運動の意義はいまもなお失わ れていないと思いますが、「イラク戦争」に関しても裁判では同じ結果しかえら れないことも考えざるをえません。 いずれにせよ、絶対平和主義と平和的生存権を国際公約としてきた日本社会の構 成員である私たちの反戦平和運動は、いま自衛隊を止めるために、やれることは 何でもやらなくてはなりません。デモもパレードも、新聞への投書も政治家への 要請行動も、自衛隊員への働きかけも、違憲訴訟も、各地の仲間が闘っていま す。そうした運動に連なる一つとして、小泉首相告発運動を考えました。反戦平 和運動の確信につなげ、憲法論議を深めるために、議論の場をつくる必要があり ます。 イギリスではLAAW(戦争反対法律アクション)が、「ブレア首相を国際刑事 裁判所で裁こう」と声をあげて、まずイギリス国内の検察に対して「ブレア告発 運動」を展開しています。イギリスには国際刑事裁判所法があり、まず国内裁判 所で裁くことが要件とされ、それができなかったときに始めて国際刑事裁判所に 持ち込む可能性が生まれるからです。アメリカと日本は国際刑事裁判所規程を批 准していませんので、同じ手段を採用することができません。 そこで、日本に関しては、小泉首相への「私戦予備罪」の適用を考えたもので す。

  自衛隊イラク派兵準備は私戦予備罪(刑法93条)にあたる
      ――小泉純一郎首相の犯罪を告発するアピール
   小泉内閣は、圧倒的な国民世論の反対にもかかわらず、武装した自衛隊のイラク派兵を強行しよ
うとしている。自衛隊イラク派兵は、平和主義と戦争放棄を定めた日本国憲法に反するだけではなく
派兵準備自体が私戦予備罪(刑法93条)にあたる犯罪である。
 刑法93条は、「外国に対して私的に戦闘行為をする目的で、その予備または陰謀をした者は、三月以
上五年以下の禁錮に処する」としている。
  「外国」とは、国際法上の未承認国を含む国家・政府を意味する。米英軍によるイラク攻撃は、武力行
使の正当化要件をおよそ満たさない違法な攻撃である。
「大量破壊兵器」を口実とした開戦論が破綻するや、「イラク民主化」を唱えたが、これはたんなる内政
干渉のための武力行使であり、国連憲章に違反する侵略である。国連安保理事会決議を得ることに失敗し
た米英軍による独断的な違法行為である。米英は、違法な武力行使によってイラク政権を転覆し、その後
も違法な占領を続けている。
  「戦闘」とは、たんなる暴力の行使ではなく、武力による組織的攻撃や防御をさす。国家の合法的意思
によらない「戦闘」は、国家機関によるものであっても「私戦」にあたる。組織としての自衛隊が私的に
戦闘を行えば、私戦にあたる。
  内閣総理大臣や防衛庁長官がその職務に反して自衛隊に違法な戦闘を行う「命令」を下せば、それは私
戦の命令である。私戦の目的で自衛隊に出動命令を出すための予備または陰謀を行えば、私戦予備罪が成
立する。
 そもそも日本国憲法第9条第1項は、戦争のみならず、「武力による威嚇又は武力の行使」を永久に放
棄しているうえ、日本国憲法第9条第2項は「交戦権」を否認しているから、自衛隊を戦闘地域であるイ
ラクに派遣することが許されないことは言うまでもない。
 しかも、イラクは米英軍による違法な占領が継続している。自衛隊をイラクに派兵することは違法な占
領への加担であり、日本国憲法の平和主義と平和的生存権に照らして許されない。
 日本国憲法に違反して自衛隊を派兵し、国連憲章に違反する占領に加担することは、現代立憲主義国家
にとっていかなる意味でも許容できない事態である。
  自衛隊イラク派兵は、日本国憲法に照らしても、国連憲章に照らしても、およそ正当化理由のない行
為であり、それは「私戦」と呼ぶ以外にない。憲法も自衛隊法も無視した「イラク特措法」による私戦の
遂行は許されない。
   従って、小泉首相は、憲法によって授権された職務権限の範囲を超えて、自衛隊イラク派兵により違
法な占領に加担する準備および陰謀を行い、私戦予備罪を犯したものである。
   反戦平和運動は自衛隊イラク派兵に反対するだけではなく、小泉首相の憲法破壊と犯罪を厳しく告発
するべきである。


2月19日(木)大津検察庁へ告発状を提出

以下、概要の報告です。

1.告発者(告発行動参加者)と日時  日時 2004年2月19日 午後1時45分〜午後2時30分  
告発者5人  岩崎(全交滋賀)中川(全交滋賀)山上(ICTI)  川端(堅田教会牧師)山崎(滋賀県平和委員会)

2.マスコミ 同行取材⇒ 毎日新聞 中日新聞  事前・事後取材⇒朝日新聞 (全国版に掲載するとのこと) 事前取材⇒ 京都新聞(夕刊に掲載済) 事後取材⇒共同通信

3.対応(13時45分〜14時30分) 対応者:大津検察庁共同捜査 植田氏 森島氏

 告発状提出前に同行取材の記者を検察官室に入れる入れないで、 押し問答あり、捜査ではないので入れろと私たちと毎日記者が 主張するが、「そういう規則になっている。取材は次席にして くれ。」一点張りで、結局廊下に待機する記者に私たちが逐一 える方法で、告発状提出に移った.また、告発者も代表だけと 言ったが、それはおかしいと押し返し、5人全員で部屋に入った。  提出は告発者5人が部屋に入り、告発状を提出しその趣旨を 説明。その後川端牧師から、国民の半数が反対している合法的 でない派兵だとの発言があった。また告発人がそれぞれ発言。 検察側「このような告発は初めてなので、一たん預かって検討 したい」「被告発人は東京在住だが、東京へは行かないのか、 また警察へは行ったか」告発人「刑事訴訟法にのっとって大津 で告発している。東京に行く必要はない」「口頭でもできる告 発をきちんと文書を作成している。受理・不受理の決定は口頭 でなく、告発状に対応する法理論に基づいて文書で行なって欲 しい。でないと納得できない。処分の決定はいつになるのか」 検察側「処分がいつになるかも含めてここでは回答できない。 これはどの告発でも同じ。内部で検討したい。」  終了後、もし不受理の場合再度検察庁に抗議をする。そして、 その回答を広く市民に知らせる。ことを確認しました.


以下、告発状の全文です。


                    告発状
                                                 2004(平成16)年2月19

大津地方検察庁 御中
                                        告発人   別紙告発人目録のとおり      

東京都千代田区永田町2−16首相官邸内
                               被告発人   小泉純一郎

私戦予備被疑事件  
                                  告発の趣旨

 被告発人には、刑法第93条に該当する所為があるので、緊急捜査のうえ厳重処分相成りたい。

                                   事件の概要
第1 はじめに
本告発はイラク復興支援特別措置法に基づく一連の自衛隊のイラクへの派遣が、@ 憲法第9条及び憲法の前文に違反する違憲な行為であるA 仮に@の点を譲っても今回のイラクへの派遣は復興支援特別措置法にも違反するのであり、従って、今回のイラクへの自衛隊派遣は国家としての合法的意思に基づくものでないので「私戦」に該当し、そのための被告発人の一連の行為は刑法第93条の私戦予備罪に該当するということからなされているものである。
第2 事実経過
上記事件に関する一連の事実経過は以下のとおりである。
2003年7月26日 イラク復興支援特別措置法成立(同法第2条3項で人道復興支援、安全確保、支援活動は「わが国の領域および現に戦闘行為が行なわれておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行なわれることがないと認められる」地域において実施すると規定されている)
    12月 9日 イラク派兵「基本計画」閣議決定
    12月18日 イラク派兵「実施要項」(防衛庁策定)を被告発人が承認
       19日 防衛庁長官が陸海空3自衛隊に派遣準備命令。航空自衛隊先遣隊に派遣命令
       26日 航空自衛隊先遣隊が出発(40名)
2004年1月 9日 防衛庁長官が陸上自衛隊先遣隊に派遣命令。同日、航空自衛隊本隊派遣命令
       16日 陸上自衛隊先遣隊が出発(30名)
       19日 陸上自衛隊先遣隊がイラクに侵入
       22日 航空自衛隊本隊第1陣が出発(110名)
       26日 陸上自衛隊本隊、海上自衛隊に派遣命令。3自衛隊への派遣命令が出揃う(総                      勢1100名に)。同日、航空自衛隊本隊第2陣が出発(約50人)
     2月 3日 陸上自衛隊本陣第1陣が出発(約80名)

        今後、2月下旬から3月末にかけて順次派兵が予定されている。
第3 上記の一連の派兵が違法であること
 憲法違反であること
(1) わが国の憲法9条は以下の如き規定をおいている。
「@ 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争、武力による威嚇又は武力の行使は国際紛争を解決する手段としては永久にこれを放棄する。
A
前項の目的を達するため、陸海軍その他の戦力はこれを保持しない。国の交戦権はこれを認めない。」上記の第9条の規定から考えて自衛隊の存在そのものが違憲であるかどうかについては議論のあるところで、その点はさておくとしても、以下の点から考えて憲法に違反する。
 すなわち、上記規定は、憲法の前文でいう如く、「戦争を起こすのは政府である。その政府の行為によって惨禍を被るのは国民であり、国家が必ずしも国民を守るものではあり得ない」ということから、先の戦争に対する反省ふまえ、2度と軍事力を持たないという制約を加え、かつ正しい戦争というものは国民の立場から見ればあり得ないという観点から規定されたものであるから、軍隊を派遣することなど憲法が許容するはずのないことなのである。
(2) 又、今回の派兵は、上記で述べた憲法の解釈を棚上げして、従前の政府解釈が仮に正しいものとしても、その解釈につき違反しているものである。
 従前の政府解釈では「我が国が自衛権の行使として我が国を防衛するため必要最小限度の実力を行使することのできる地理的範囲は必ずしも我が国の領土、領海、領空に限られるものではなく、公海及び公空にも及び得るか、武力行使の目的をもって自衛隊を他国の領土、領海、領空に派遣することは一般的に自衛のための必要最小限度を超えるものであって、憲法上許されない」(昭和60年9月27日提出政府答弁書)との内容であった。
 すなわち、その解釈が憲法9条の拡大解釈であったとしても、自衛の目的という限定が一応付け加えられていた。ところが、今回のイラク派遣は、
@  明らかに戦闘地域への派遣であること、
A   自衛のための攻撃及び自衛・予防のための先制攻撃という名目による武力の行使に必要な武器を携帯しての派兵であること(自衛隊はイラク国民にとっては侵略軍・占領軍であり、自衛をするのはイラク国民の方である)、
B  米英軍の物資輸送という兵站支援は国際法上武力行使の一環と見なされるものであること 等から考えて、自衛のための派兵とは到底言えないものである。 尚、加うるに国連主導下のもとで国連決議に基づいてなされる軍事行動については国連憲章との関係で憲法第9条をどう解釈するかについては議論のあるところであるが、今回のイラク派兵は国連主導でも国連決議に基づくものでもないのであるから、この点については論じるまでもない。
 以上の点から考え、今回のイラク派兵が従前の政府解釈によっても憲法違反であること明らかである。
 イラク復興支援特別措置法(以下イラク措置法という)違反であること
前述したように、イラク特措法では活動する領域が非戦闘地域であることを前提としている。
 そのことは前述したとおり、第9条の政府解釈によれば武力行使の目的をもって他国の領土に派遣することは許されていないというものであるから、それとの抵触を避けるために派遣先は非戦闘地域であるとしているものである。
 ところで、自衛隊が派遣されているイラクは全土が戦闘地域であることは米軍の現地司令官が発言しているところであるし、現に多くの人命がイラク国内で奪われる状況である。してみれば、派遣先のサマワだけが非戦闘地域(航空自衛隊はイラク全土で活動する)ということはあり得ないことであり、その意味から考えても今回の派兵はイラク特措法違反である。
第4 まとめ
 以上のとおり、今回のイラク派兵は違憲・違法なものであるから、例え国家機関の1つである自衛隊による行動であったとしても「私戦」に該当するものである。
 勿論のことながら、被告発人は公務員として憲法擁護義務(憲法第99条)を負っているものであり、又、法の適正な運営を義務付けられているものである。それ故、その上記義務に反し、今回イラクへ派兵する一連の行動を行なったことは「私戦」遂行のための予備的行為を行なったことに該当するものである。
                                    告発事実
  被告発人は、内閣総理大臣の地位にあり、自衛隊の最高司令官として陸海空の3自衛隊を指揮できる立場にあるものであるが、その監督下にある石破防衛庁長官をして、
@ 2003年12月19日航空自衛隊先遣隊(40名)
A 2004年1月9日陸上自衛隊先遣隊、

B 同月同日航空自衛隊本隊
C 同月26日陸上自衛隊本隊、海上自衛隊本隊
 にそれぞれイラクへの派遣命令を出し、もってイラク(外国)に対し、私的に戦闘する目的でその予備行為を行なったものである。
                                    犯   情
 本件犯行は国家という名を借りた犯罪であり、憲法を擁護すべき義務が憲法上義務付けられている者が憲法違反を犯した行為である。しかも各種世論調査では過半数の国民がイラク派遣に反対している中で強行されたものである。

更には、安全でない地域を「安全」と偽って出兵するものであり、自衛隊員の生命を危機にさらすことは勿論、イラク国民に対しては侵略者として行動することとなり、状況次第ではイラク国民の生命を奪う行為を行なうことになるのである。米軍がどれほど無辜のイラク国民の命を奪っているかを見ればこれは明らかである。憲法の平和主義を蹂躙し、日本の経路を誤らせる行為の結果は極めて重大である。犯情は極めて重いと言わざるを得ない。又、イラク国民又は自衛隊員に何らかの犠牲が出る前に本件捜査はなされるべきであり、その緊急性は明らかである。

                3月11日大津検察庁から、告発状を正式受理すると連絡! 

 2月19日に提出した゜小泉首相の告発状」を大津検察庁は正 式に受理するそうです。  今日(3.11)の午後4時30分頃に、大津検察庁の共同 捜査の辻氏から連絡があり、「検討の結果受理することとなっ た。」として現在も告発の意志があることを確認した上で「告 発状の原本」(滋賀では押印してなかったので)として告発人 全員の押印とページごとの契り印を押したものの提出を求めら れました。16日(火)午後2時からの3.20行動の記者発 表のあと、午後3時に提出をします。  全国的な動きの告発運動を検察は無視できなかったのだと思 います。これをテコに「起訴せよ」の大きな世論としていきた いと思います。

     3月16日大津検察庁、告発状を受理! 

 3月16日(火)午後3時に大津地検に告発状の原本を提出しました。中川(全交滋賀) 川端(堅田教会牧師)と山崎(滋賀県平和委)各氏の3人が行いました。捜査官室に通 され、押印など確認のうえ16日付けで受理されました。「 今後は検察官に送致し検討する」とのこと。他府県でも同様 の取り組みをしていることを告げると、驚いたように「全国 でやってるのですか」と逆に質問されて(?)、意外でした。  マスコミは、毎日、中日、読売、朝日、共同などが同行しま した。
      3月19日付け、東京検察庁から不起訴処分の通知

 3月17日付で、大津検察庁から、東京検察庁へ移送した旨の通知がありました。

  「処分通知書」  大津検察庁 検察官 検事 早川 幸延
  1 被疑者      小泉純一郎
  2 罪  名      私戦予備
  3 事件番号     平成16年度検第1−725号
  4 処分年月日   平成16年3月17日
  5 処分区分     東京検察庁へ移送

 3月19日付で、東京検察庁から、「不起訴処分」の通知がありました。

 「処分通知書」  東京検察庁 検察官 検事 平尾 雅世
  1 被疑者        小泉純一郎
  2 罪  名       私戦予備陰謀
  3 事件番号     平成16年度検第8369号
  4 処分年月日    平成16年3月19日
  5 処分区分     不起訴 

 「不起訴処分理由告知書」 東京検察庁 検察官 検事 平尾 雅世
                                東地特捜第121号
  (不起訴処分の理由)  罪とならず

  今後は東京での「検察審査会」が舞台となります!
 


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