慢性前立腺炎に似た症状が起こる病気
前立腺炎の他にも、下腹部の痛みや不快感が生じる病気には、膀胱頸部硬化症、前立腺肥大症、間質性膀胱炎、陰部神経症、前立腺ガンなどがあります。
膀胱頸部硬化症は、膀胱の出口付近の膀胱頸部と呼ばれる組織が硬くなり、膀胱の出口がスムーズに開かなくなるために、尿が細くなったり、勢いが無くなるなど、尿が出にくくなる病気です。
尿が完全には出きらずに、膀胱内に残尿が溜まった状態になるために、頻繁に残尿感が生じ、トイレの回数が多くなる頻尿(夜間頻尿)の症状が起こりやすくなります。
そして、排尿時に痛みや不快感が生じるようになる事もあります。
前立腺肥大症は、前立腺が肥大化して尿道の出口付近にある尿道を圧迫してしまうため、尿道抵抗が高まるために、尿が出にくくなる病気です。
膀胱頸部硬化症と同様に、排尿障害が生じるようになったり、排尿時や射精時に痛みや不快感が生じるようになる事があります。
間質性膀胱炎は、膀胱粘膜の異常によって、膀胱内に尿が充満してくると、下腹部から痛みが生じるようになる病気です。
尿路感染症、アレルギー疾患、結石(尿石)の影響で、症状がひどくなる場合があります。
陰部神経症は、陰部神経痛と呼ぶ場合もあり、前立腺の周囲にある様々な神経から痛みが生じる病気です。
精神的なストレスから引き起こされる事が多く、自律神経の乱れや、筋肉や神経の損傷によって強い痛みが起こる特徴があり、会陰部やそけい部、陰茎や陰嚢など、周囲に関連痛が発生する場合もあります。
また、陰部神経症と同様の原因から、膀胱神経症(神経性膀胱炎)が起こり、頻繁な尿意や残尿感、下腹部の痛みが生じる場合もあります。
症状は、膀胱炎に似た症状が現われますが、細菌感染が原因ではありませんので、細菌が検出される事はなく、治療には、自律神経失調症や不安神経症などの改善が必要になります。
前立腺ガンは、前立腺に発生した悪性腫瘍によって、前立腺の細胞が無秩序に増殖してしまう病気で、進行すると周囲の精嚢や膀胱にも広がっていく場合があり、その周囲からも痛みを引き起こすようになる事があります。
前立腺ガンは、他の悪性腫瘍に比べると比較的進行が遅いため、早期に適切な治療を受ける事で、生存率が非常に高くなると言われています。
しかし、前立腺ガンは前立腺の外側の組織(外腺)に悪性腫瘍が発生する事が多く、悪性腫瘍の肥大化によって排尿障害が生じたり、痛みなどの自覚症状が現われている時には、既にかなり進行している事が多いと言われています。
前立腺肥大症も、前立腺の細胞が異常に増殖するために肥大化が起こる病気ですが、前立腺の内側の組織(内腺)に発生する事の多い良性腫瘍であるために、直接的には命に別状はないと言われています。

