数年前ツキノワグマと出会った時の報告
土佐矢筈山から小檜曽山にかけての縦走路は気にいってよく出かけるがいつも矢筈峠から登っていた。
最近気になっていたのが登山者は少ないがふもとの明賀から笹越しを通り小檜曽山に登るコース。
その日単独で明賀の橋のところに車を停めて登りにかかる、登山道はしっかりしているが笹峠を過ぎ尾根道の入ると
自然林の中背丈ほどの笹が覆いかぶさっているところも多い、
当然剣山系はツキノワグマが生息しているので熊よけの鈴をつけて登っていた、
しばらく登ると小檜曽山手前の背の低い笹原に出て一安心した。
いつも昼食を取る場所も過ぎ頂上手前の少し低くなっているところにさしかかった時 ガサと音がした。
20mほど前に黒い何かがいる クマだ 恐怖が走る 背中は寒気 顔は引きつり 鳥肌が立つ
向こうも気がつき逃げ出した、大豊側の茂みの中をドドドともドンドンドンとも聞こえる足音を残して走り下りて行く、
足音は半端ではない聞いたこともないすごい音 どうする ここから引き返すか。(本当は引き返すべきだった)
しばらく恐怖で立ちすくんだが逃げて行ったし多分大丈夫だろうと思い恐る恐る進む
鈴を手に持ち鳴らしながら熊がいた付近まで来たときドキ
登山道南(大栃側)の林の中から変な音が聞こえるフゴーともフガーとも表現できない音だ
熊の鼻息だ もう一頭いるしかも近い10m以内 さらに寒気と鳥肌が増す。
早く立ち去りたいが走ると追いかけて来るかもしれない、
さらに大きく鈴を振りながらそっと歩く鼻息は聞こえるが動く音は聞こえない
樅ノ木の林を抜け笹原の京柱峠への別れ付近まで来て後ろを振り返り熊が追ってきてないことを確認してようやくほっとした。
矢筈山まで行き昼食を食べ引き返す、途中ご夫婦の方が矢筈峠から登ってくるのが見えたので事情を話し
明賀まで乗せてもらうことも考えたがそのまま引き返す。
京柱の別れ付近を過ぎるとさっきの林にまだいるかもしれないと思い近づくにつれどんどん恐怖が増してくる。
鈴を鳴らし鳴らし大声を上げながら恐る恐る通り過ぎる 林からは何も音は聞こえない、
大豊側に逃げていったのだろうしかしまだ怖い、笹の尾根から再び自然林と笹が茂る尾根道を下る。
笹峠までの3分の一程度下ったとき再びドドドと音を響かせて走り降りる音が聞こえた、
背中が凍りつくような恐怖が襲ってきた。さっきの熊が尾根近くまで戻って来ていた、
もう一頭はどこにいる また近くにいるかもしれないと思い鈴を鳴らしながら耳の神経を研ぎ澄まし恐る恐る下る
笹峠からは足早に下って中腹の人工林まで来ると一安心見通しが利くようになった。
無事明賀まだ帰り着き帰宅途中の土佐山田警察署に立ち寄り熊にあった状況や場所などを報告した。
警察によると少し前 地元の人が大小2頭の熊を見たとの事でどうもその2頭だろうとのこと。
親子だったらしいので先に逃げたのが子供だとすると鼻息の方は親だろう
子連れの熊は子を守るため凶暴になるという よく襲われなかったもので今でも思い出すとぞっとする。
その後しばらくの間小檜曽山から向こうには行くことができなかった。
矢筈峠の登山口には警察の注意書きと熊よけの鈴が用意されていたようです。