ひとりひとりの個性を輝かせるための教育を!

  ――教育先進国・北欧の教育と比較する――

           フィンランド・オランダ・スウェーデン


 

フィンランド教育・世界一の秘密

1、 学校制度――生涯学習の原則と平等な教育機会

2、 学校への責任委譲――国家主導から地方自治体が管理する学校行政へ。1980年代から1990年代に。( 福祉国家建設と財政再建、行政改革が重なってできた。 ) 実質的に各学校が実践活動において自己決定を下すことができる。

3、 学校制度の監視――調査と評価、テスト結果、成績の悪い学校を見つけて、学校改善を支援する道具とする。( 公表なし )

4、 支援制度の組織として――「情報による統治」

5、 「標準」( テストによる ) はない――「達成されるべき成績のミニマム」は定められている。

6、 教育課程の組織は、国家カリキュラム大綱に沿って、自治体と学校が土グ氏のカリキュラムを発展させる。よりよいものがあれば修正してよい。

・生徒の評価は「自己観察」「自己評価」を重視 ( テストは重視しない )

学習の進み具合は、個々の生徒のレポートで把握。

それにカウンセリングや特別支援教師をつける

7、 移民の子ども

8、 生徒間の差異の克服――統合制学校をつくる

9、 教師の専門性開発――修士号を必要とする統一教師養成制度

  現職になると、制度的個人別教師評価は行われない。

10、大学入試――高校間格差がないので、地元の学校へ。大学資格試験が年二回。連続した三回の試験の内で、していされた四科目を合格すれば(どれも記述式)基礎資格。そのほかに将来の専門性に必要な教科を学習する。

11、記述式の採点――チェックポイントにより、まず高校の教師が四段階評価。つぎに験委員会が同じチェックポイント。二つの成績が一致すればよし。一致しなければ、検討委員会にかけられる。

12、大学の個別の入学試験。ペーパーテスト( 本を一冊渡し、それについて一枚の紙に自分の考えを記述する ) 大学資格試験に合格しても、大学に入学するまで、平均二、三年かかる。

 

福田『競争やめたら学力世界一』2006年 朝日新聞社 より

 

 ( 編集中 )

 

 フィンランド教育の骨子

 

 「一人たりとも落ちこぼれをつくらない」

 「教育というボートに乗った子どもは、一人たりとも落とせない」

 

 

1、 一人ひとりを大切にする平等な教育

――16歳まで、選別をしない教育。

――1人ひとりの発達を支援する教育

               ――社会には、どのルートを通っても、学ぶ気になれば、誰でも学べる学校教育制度

 

2、子どもが自ら学ぶことを教育の基本にすえる

――競争などで学習を強制しない。

――したがって、子どもは授業中でも、休む自由も与えられている。

――グループ学習、教え合いを大切に。マイペースで学べる工夫。「異質生徒集団方式」

 

3、教師の専門家として、信頼し、働きやすい職場をつくっている

――国の教育管理権限を最小限にし、教育の権限を地方自治体、学校、教師に委譲。

――教育行政は、子どもの成長を授業を通して、総合的に支援するという専門性を

教師が身につけ、発揮できるように援助するということに徹している。

 

4、権利としての教育を、福祉としての教育が包み込んでいる。

  ――小学校から大学まで教育費無料。給食、通学費まで。下宿代の補助金支給。

 

1994年の教育改革のヘイネンのことば

「ひとりの落ちこぼれを出さず、国民全体の教育水準を引き上げる」

「教育投資は国の競争力にかかわる問題」

 

・教育予算 フィンランド GDP比 6.1%

            日本      〃   3.5%

 

・つまずきの早期補充――国の平均、2割の子どもが補充学習を受けている。分かるまでていねいに。マンツーマンまで――留年をさせてでも。

・ひとりの子どもの成長に責任をとり切る。

 ( 編集中 )

 

 オランダの教育

 

・「教育の自由」――学校設立が、200人の生徒数を集めれば、誰でも学校を設立することができる。教育理念、方法も自由。検定教科書制度のもない。

・校舎は市が支給。授業料は補助金。

・学びは問からはじまる。質問なしでは教えない。

・小学校では、教科書がない。教材や教育方法は先生が決める。( 国語の読みなら、学校のミニ図書館を使う。扱うテキストを図書室の本をつかう )

・夏休み、11週。宿題なし。

・カリキュラムは、4歳から学校へ。時間割は自己決定。個別の到達目標が設定されね完全「習得主義」

・学校運営に、子どもが参加。( 教員、保護者、生徒代表による経営参加委員会 )

・校区がない。

・学校選びの自由

1993年まで、小中教育の達成目標、教科の内容についての全国的な統一基準がなかった。

・小学校には、宿題がない。

・高校大学に進学する入学試験はない。

・放課後は力いっぱい自由時間を楽しむ。

 

リヒテルズ直子『オランダの教育』2004 平凡社 より

 

「生活を楽しむため」にこそ働き、労働をワークシェアリングし、1人当たりの労働時間は年間1391時間にすぎない。( 日本は1784時間 ) それでいて、生産効率は日本の1.5倍の51.2ドル( 1時間当たり )を達成。失業率も、OECD加盟国中最低の3.9%(2006)。日本は4.1%>

 

「孤独を感じる」と答えた15歳

 

オランダ、2.9%

日本、  29.8%

 ( 編集中 )

 

 

 

 

 

 

スウェーデンの教育  川本佳子『スウェーデンのびのび教育』2002 新評論より

                                                 

学校に成績表がない。初めての成績表は中学二年でもらう。

個人の能力に合わせて一つずつこなしていくのが普通。たとえば算数でいえば、レベルの違う教科書をそれぞれ受け取っている。呑み込みの早い子はとっとと進み、計算の苦手な子は、時間をかけてゆっくり進む。しだかって、当然、レベルの違う教科書がそれぞれの子どもに与えられている。受け取った子どもたちは誰もねたむ子はいない。成績表がないから、競争意識のないこんな授業を可能にしている。( 私はもう一つの理由をあげられる。それは、算数の苦手な子は図工が得意だったり、体操が得意だったりする。一方、算数の得意な子は、反対に体操が苦手だったりする。つまり、ひとりひとりの個性において、得意分野があるので、一科目の進度で、ねたんだりする理由にならないからだ )

 

・成績評価―― 一学期ごと、三者面談が行われる。保護者、こども、先生の三者面談。その内容は、成績評価でなく、「成長懇談会」として、子どもの発達や進歩について、保護者と子どもと共に話す。懇談会の数日前に、子どもは教師から一枚の質問用紙を渡される。( 別紙 ) それには、自分で自分の学業を判断した自己評価や、子どもの社会性を問う質問や教師への質問などが記載されている。質問内容は全国共通ではなく、学校や教員によってまちまち、とのこと。そして、教師は、子どもが下した評価をもとに、懇談会にのぞみ、子どもたちの質問に答えていくのである。子どもはこの話し合いによって、自分の評価と教師の評価とが合っていかどうか、見極めることができる。

スウェーデンの三者面談は、子どもからの評価にもとづいている。教師の指導が分かりやすいかどうか尋ねて、「分からない」と子どもから答えられれば、教師としてもその指導方法を変えなければならない。教師にとっても、この成長懇談会は指導方法を反省する最良の機会になっている、という。

親が特別指導を望めば、それを考慮してくれて、次の学期から特別教師が週に何度かつくこともある、という。この成長懇談会は子どもも理解できる具体的なものとなっており、それゆえ、親は教師を信頼することができる、という。しかも、一学期ごと行う、ということだから、小学校六年間でいえば、三学期あれば、18回、三者面談が行われる、ということで、親と学校がよりつながりを深くしている。

 

・社会性――社会科は、暗記中心の指導方法でなく、物事を観察する目、問題に取り組む動機や好奇心、調査する努力、問題を解決する手段の選択方法、結果と責任、そしてすべてのプロセスに責任を持つことなどを、子どもたち一人ひとりに委ねて学ばせる。

選挙の投票率が高いのは有名だが、政治意識が小学校の時に芽生える。選挙が始まると、教師は課外授業の一環として、政治家が何を目的にどんな公約をしているのか調査するようにと、しばしばグループワークを指示する。まだ小学校の三年生の子どもが、ノートと鉛筆を持って街の臨時に建てられた各党の選挙事務所に出かけ、直接政治家にインタビューするのだ。政治家も心得たもので、ニコニコ対応している。

 

・児童虐待――1979年 児童虐待の全面禁止の新たな法律。学校でも家でも、たとえそれがしつけと称されても、体罰は全面禁止となる。

どんなことがあっても手をあげてはいけない。親が子どもを叩けば、子どももおやを訴えることができる。暴力を振るう教師は学校にいらない。力で子どもを服従させるのでなく、対話で子どもが納得のいくまで説明する。これが、スウェーデンでは常識である。

 

・障害児教育――スウェーデンの小学校の低学年は、多くても25人ほどで、生徒はグループ別に授業を受けたり、輪になって座って授業を受けている。授業中、教師は生徒の周りを常に歩き回り、個人の能力にあわせてそれぞれの勉強をしている子に手助けしている。授業の進行は担任の教師に任されているので、生徒が飽きてきたなと思えば、他のことをとりいれてもよい。所によれば、年齢混合のクラスも多く、小学校1年から三年生までが一緒、四年生から六年生までがいっしょという学校もある。それゆえに、学習に遅れたために保護者面談で1年留年が決定しても周りに気づかれることはない。3年の低学年のところを4年で通っても、自分の能力に合わせたゆっくりした学習ペースを保つことができる。このような学校だから、知的・身体障害児が普通学校に統合されてもあまり違和感なくクラスにとけ込むことができる。

どんな重複障害を持っていても、権利としての義務教育のコンミューンは保障しなければいけない。その障害児のニーズによって一人の専属アシスタントを雇用し、歩いて通学できなければ、契約しているタクシーを利用し送迎し、両親が仕事をしている場合は学校と学童保育の間をタクシーで通う。

 

・大学入学――学生の定員数は、社会的需要に比例して増減する。大学教育と社会的背景が連携された形で学校運営がなされている。大学自体が公立であるから対応できる。

大学入学は、高校の時の成績表で選抜される。特別な入学試験はない。でも、高卒後すぐ大学に進学するものは、日本に比べて非常に少ない。19歳から24歳までの人が大学へ進む率が高く45%で、とくに女子60%

18歳を過ぎると徴兵制があるので、高校を出てすぐ大学に入って徴兵で勉強を中断されるよりも、実社会体験を先に積んで、何を勉強したいかを見極めた方が良い」という。

社会に出て働けば、労働年数も点数に加算されるので、大学への道はさほど険しくない。でも、卒業するにはかなりの努力が必要とされる。

高校の成績が悪い人は、成人学校でもう一度高校の復習や新たに成績の補充ができるようになっている。成人学校の生徒はもう一度学びたいという意欲が高い。希望すると大学の学部に必要な特定科目の成績を上げることもできる。

 

( 編集中 )