ピンポーン。
「はい、どちら様ですか?」
「NHKの者ですが、集金に伺いました。」
僕はNHKを見ていない。チャンネルもNHKの番組は見られないように
テレビの設定を変えてある。ちゃんと事情を説明して次回から
来ないように言っておこう、と思った。
「こんばんわ。お忙しいところ申し訳ありません。
NHKの者です。」
と言って、名札(NHKと書いてある。写真付き)を見せた。
相手の人は40代後半くらいで礼儀正しそうな人だ。
「あのー、僕NHK見てませんよ。」
「いやぁ、私も働いていますし、NHKを見る時間ほとんど無いですよ。
NHK以外でもテレビを受信できるような設備が有るなら
払わなければならないと法律で決まっているんですよ。」
「は?!法律で?」
「ええ、昭和25年にできた放送法という法律で決めれています。
これを読んで頂ければ分かります。」
と言って印刷物を差し出す。
文章は当然古いが、後で確認したところ、本当のようだ。
「何でこんな法律が有るんですか?」
「(笑)いやー、昭和25年にできた法律なんで私も分からないですねー。
私達の世代では社会科の授業で習ったんですけど、あなた方の世代は
そうゆうのは教えないようですねえ。
本当は引越ししたら手続きしなければならないんですよ。」
「ああ、知りませんでした。管理会社も何も言いませんでしたね。」
(当然ながら、この人は詐欺師か?という疑問は浮かんだが、
渡された物を見る限り、そうではなさそうだ。)
ドアから部屋の中のテレビが見える位置に有り
テレビを付けた状態でドアを開けてしまったので、
番組は全く見てません、というウソは付けない。
悪法でも法は法だ。法律で決まっている以上、従おう。
契約書を渡され、4・5月分を払うことになった。
訪問して来てから払うより口座振替の方が安いが
今までの分は口座振替できないらしい。
僕は1月下旬に引越したのだが、それについて触れると
追納することになりそうだから言わなかった。
口座振替は2ヶ月・6ヶ月・12ヶ月払いが有るが
当然前払いの方が安い。しかし、いつまでも
アパートに居るとは限らないなぁ。
「12ヶ月払いにして、途中で実家に帰ったとしても
先に払っておいた分は返って来ないですよね?」
「いえ、返ってきますよ。1世帯ごとに払うことになっているんですよ。
もっと言いますと、同じ家に2世帯住んでいる場合は
2世帯分払うことになります。
さすがにー(笑)、と言いますか、そういう所はお役所のように
ちゃんとしてます。」
僕は12ヶ月払いにした。
国民年金も1年分前納している。その方が安いから。
「これ払わなかったらどうなるんですか?」
「通常そのような質問にはお答えしないのですが・・・。
(手帳を取り出す)このような罰則規定が一応存在します。」
いくつか箇条書きがあった。
「しかし、罰則によって払って頂くのではなく、
納得して払ってもらおうとしています。」
僕は「カラー契約」というので2ヶ月分2790円払った。
「普通契約」というのは白黒テレビらしい。当然少し安い。
驚いたのは衛星放送で白黒用の契約が有ることだ。
古い法律で決められた物を正確に守るために存在するらしい。
後で放送法(抜粋)を読んだところ、テレビを受信できる設備が有る場合、
NHKという局ではなく、日本放送協会(NHK)に対してお金を払うらしい。
どうやら、日本の放送を守るために作られた法律のようだ。
こんな法律(少なくも現代では)要らない。
早く廃止してくれ。
今回払った2ヶ月分は、NHK見て無かったからとても損した気分だ。
(でも追納せずに済んだ分、健康保険よりはマシだ。)
最近、出費が多い。居留守使った方がいいかも。