8月
大学の前期授業も終わり、卒業研究前期分も提出した。
しかし、就職は未だ決まらず、たくさんの会社から不合格を貰った。
そもそも「大学卒だから作品無くても大丈夫かな」という考えが甘かった。
そこで、何か作品を作ろうと思い作ったのが 3目並べのプログラム だ。

授業で少し解説してもらったから、楽にできるからこれにした。
人工知能の初歩的なことが学べるが、大したプログラムではない。
しかし、ハル○究所は9月までに作品付きで応募しなくてはならない。

2月の説明会に参加しておいて、提出物をまだ提出してないことから
第1志望ではなかった(もしくは作品を作る気が無い)ことがバレバレだが、
提出期限を9月までとしているということは、あまりそういうことは気にしないで、
能力で判断する会社なのだろう。

これから新しく作品を作る気も起きないので、祈るような気持ちで
3目並べのプログラムとソースファイルの入ったフロッピーや
成績証明書などを提出した。選考には2週間位掛かるそうだ。


10日後
ハル○究所から1次選考合格の電話を貰う。
しかし、この時は「次の選考は9月の第2週に行います。」
ということを伝えただけだった。

次の選考は面接と筆記試験があり、本社の山梨に行くことになるのだが、遠い。
自宅(千葉県)からだと3時間半以上掛かる。
大学が夏休みの時に応募して良かった。

3日後位にまた電話があり面接試験実施日を伝えてもらった。
新宿からの切符などを郵送してくれるそうだ。
そして、後日届いた特急の切符は指定席だった。
新宿までの交通費も含めて全額払ってくれる。いい会社だ。


9月7日
まだ、残暑が厳しい時期だが、長袖のスーツを来て行く。凄く暑い。
しかし、電車の中は上着を着た方がいい位に冷房が効いてるように僕には思えた。

新宿から特急に乗った。途中駅で、隣の指定席に座りに来た人がいた(仮にNさんとする)。
特急内の席は、半分以上空いていて、ほとんどの人が片側の席が空いているのに
なんでここだけ2人で座るんだろうと思っていた。

特急券を確認するために、車掌さんが来た時にNさんは鞄の中からハル○究所
の封筒を取り出していた。指定席を用意したのはハル○究所だから
2人分の指定席を頼んで隣同士になったのだろう。

Nさんと話をしていると、僕が行っていたゲームスクールの別校舎で
グラフィックを学んでいる人で、その学校のことやハル○究所について
色々会話した。

ハル○究所の最寄り駅に到着。しかし、最寄り駅から会社までしばらく歩く。
後半は上り坂でかなり疲れた。この先に会社が本当にあるのだろうかと思った。
一人で来ていたら道を間違えたと考えたことだろう。


会社に到着。暑い。ロビーで待っていて、冷房も掛かっているのだが、
服装と、坂を上ったせいでかなり暑い。

1時半から、面接試験開始なのだが早目に到着したのでしばらくロビーで待つ。
社員の人達が昼食から帰って来ていた。
パンフレットが有ったので読んだりして待っていた。
その時間待っていたのが3人だったから、3人でグループ面接なのかなあと思っていたが、
個別に面接をやって、他の時間に筆記試験をやるようだった。

僕は最初に筆記試験をやるということで部屋に通されたら、すでに別の応募者が2人いて
その人達は午前中から面接などをやっていたそうだった。
試験はマークシートの適性試験で、数字が並んでいて、空欄に当てはまる数字を選ぶなどの
算数・数学の問題を最後に性格に関わる設問に「はい・いいえ」で答える形式だった。

企画の人も同じ問題をやっていたことと、女性の応募者がプログラマー志望だったことに少し驚いた。
グラフィックの人はマークシートの試験ではなく、絵を2つ描く試験だったそうだ。

次に応募者全員で社内見学。屋上に案内されてかなり見晴らしが良いことが分かった。
見下ろすと盆地で市街地が広がり、市街地以外を向くと山で緑が広がっていた。
スキー場がそう遠くない所にあるそうだ。

社内はきれいなのにロビーの天井には蜘蛛の巣が有ったり
会社への道の途中に田んぼが有ったり魚が泳いでいたりで
このあたりはとても自然に恵まれているようだ。

社内の仕事場やそれ以外の部屋を見て回ったが印象に残ったのは、
デバックルームで64DDとディスクがすでに使われていたことと
AVルームというゲームがプレイできる部屋で、ハル○究所や任天○と
関係無いソフトやハードがたくさんあったことだ。


次に面接が見晴らしの良い会議室で行われた。
面接官は取締役の人と、もうひとりノートパソコンで
面接の内容を記録している社員の2人に対して僕一人の面接だった。

志望動機や卒論についてなどを質問された。
他に得意科目の中国語についての質問でポケットの中国語訳は?
と訊ねられて分からなかった。
また、ゲームスクールのことなども訊ねられた。

その後、質問ありますか?と言われたので色々質問してみた。

(僕)「御社は7年位前に東京から山梨に本社を移転していますよね。
僕は千葉県民なんですが、移転するなら千葉県でもいいんではないかと思うのですが
なぜ山梨に移転したのですか?」
(社員)「いやー、もちろん千葉県でも良かったんですけど(笑)。候補地はいくつか有ったんですが
移転する当時は山梨のここらへんでソフトウェアの会社がいくつか集まるという話があって
共同開発できるだろうということで、当時の社長が決めました。」
(僕)「ソフトウェアの会社は近くに有るんですか?」
(取締役)「有りますよ。そっちの方に(会社の入り口とは反対向きを指差す)。」
(僕)「それで、それらの会社とは技術提携などは有るんですか?」
(取締役)「予定は有ったんですけどねえ(笑)全然ありません。」

(僕)「ロビーに有ったパンフレットでゲームとは関係無いソフトや技術などが
紹介されていましたが、ゲーム以外の事業もおこなっているんですか?」
(取締役)「いや、あれは過去にそういうソフトを作ったという紹介で
今後もやるという訳ではありません。今後は娯楽商品を作っていく予定です。」

(僕)「インターネットで御社のことを調べていたら、山梨インターネット協会に
加入されているようですが、なぜ会員になったのですか?」
(取締役)「当社は10年前から、インターネットという言葉が世間に知られる前から
インターネットの技術などを研究していました。それで現在も会員でいます。」

(僕)「会社の仕事場で、インターネットの・・・ネットサーフィンなどはできるんですか?」
(取締役)「機材はあるのでできますよ。ただ、仕事に関係無ければ困りますね。」

(僕)「AVルームなどでゲームがプレイできますが、遊び過ぎる人はいないんですか?」
(取締役)「インターネットもそうですが仕事に支障が出るのであれば、注意や警告して、
やめない人は禁止令を出します。それでも続ける人は会社を辞めてもらいます。」

(僕)「僕の作品はどなたが見られたのですか?」
(社員)「私です。」
(取締役)「3目並べですね。」
(社員)「・・・どうゆうプログラムかは覚えていませんが、水準以上でした。」


面接が終わって選考は終わりかと思ったら、次に作文試験があった。
「技術の進歩によって人間が得た物・失った物について」
というような題で時間は30分だった。
(漢字を調べられるように国語辞典を用意してくれた)
用紙はB5の紙が2枚だったが、1枚目の半分位しか書けなかった。


帰りの頃、大雨が降り出していたのと、帰りの分の電車の回数券が無かったので
会社の車で人事担当の人が駅まで送ってくれた。
(会社から駅までの道が狭い。2車線分無くて、歩道と車道に段差などの区別が無い。)

帰りの特急は自由席だった。(甲府から始発に乗るので席にはちゃんと座れた。)


9月17日 ハル○究所から封筒が届く、大き目の封筒だ。 「合格通知が入ってないかなあ」と、思って開けようとしたが、 何やら四角い堅い物があるようだ。フロッピーらしい。 ということは作品が戻ってきたのか・・・、ということは・・・。 不採用通知が入っていた・・・。 丁寧に証明書や履歴書まで返却してくれた。 (ゲーム会社で全部返却してくれる会社は少ないようだ) フロッピーも証明書も別の会社への応募に出すことにする。

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