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風速72.1m 


 「科學王」と稱された菊麿王山階宮]は、明治三十四年(一九〇一)、自費で筑波山頂に日本初の常設高層氣象觀測所「山階宮筑波山觀測所」を建設し、日本気象學史上に於いて燦然たる功績を今日に至るまで殘してゐる。
 觀測所が開設されて間もない明治三十五年(一九〇二)九月二十八日、今日より遡ること ほゞ百年前に、日本國内最大の風速記録が同觀測所で記録された。山階宮家の「正史」として位置付けられる『山階宮三代』(山階會(和田軍一)編集。山階會、昭和五十七年(一九八二)二月)の「下」巻、「菊麿王」明治三十五年九月二十八日條(一九〇〜一九一頁)に曰く。
 
 是日関東地方に未曾有の暴風が吹き、筑波山頂の風速は実に一秒時一〇三米 ○現在の風速標準では七二・一米、今のところ国内における最大の風速記録 を記録したが、王【菊麿王】の緻密な御指示によって設計された風力台などに異状はなかった。なおこの設計について王が注意せられたことを「筑波山」 ○明治三十七年岩上方外著 は次のごとく伝えている。
聞く、殿下が初めて風力台を建設せんとするや、建築技師黒板工学士【傍注「伝作」】に命を伝ふらく、宜しく百米突以上の暴風に堪ゆべく設計せよと、当時黒板氏思ふ様、左る暴風はよもあるまじ、恐くは杞憂ならむかとて傍人に呟きしを、殿下微に聞召され、曾て海上暴風にて八十米突の速力ありしを聞けり、故に斯く命ぜるなりとの、重ての仰せに、技師も只管に畏みて、爾く設計を為し、自ら工匠を監督して、実際に堅牢無比なる建築を為せり、若し、殿下の御先見なかりせば、此際【傍注「前記の暴風」】人も器材も凡て風力台と倶に千仭の渓谷に吹き落されしなりきと。

 先日の十月一日夜から二日未明にかけての颱風では、風速50mで送電鐵塔が倒壞して仕舞つた。天災・人災、共に恐るべし。
(平成十四年十月四日)




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本頁新装開設日時 : 2004.04.13. 
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