昨日の『毎日新聞』の六面に、アフリカ四箇国を訪問した緒方貞子国際協力機構(JICA)理事長の記者会見についての記事がある。
日本人の思考、内向き
アフリカ歴訪 緒方貞子氏 「国益」目先だけでない
|
この記事によると、緒方氏は次のように語ったとされている。
◆ JICA理事長就任のため13年ぶりに日本に戻り、人々の思考が内向きになっていることに驚いた。50年前に米国で議論されていた古い国益論が、まことしやかに論じられているのは驚きとしか言いようがない。・・・・・
|
この「驚き」が全く驚きとは思われていないのは何故であろうか。その責任の一端が一部のマスコミにあることに疑いの余地はないであろう。
さらに緒方氏は、「イラクで人質となった日本人へは「危険地域に行った」として非難が集まりました」という問いに対し、次のように答えたという。
◆ 私も責任者として本当に危険な地域に人を出すことはできない。しかし、・・・・・ 危険地域に行かない人もいて当然だし、行く人もいてよい。どんな状況下でも国には救出義務がある。人質となった人々を村八分のように扱って非難した日本人の反応は、国際社会の評価をかなり落としたと思う。
|
擁護よりも批判する方が威勢がよい。世論等はしばしば威勢のよい方に流れる。時にそれは大局を誤る。いっときの時流に乗って「自己責任」論を強硬に唱えた各位には、日本および日本国に対する「国際社会の評価をかなり落とした」という責任を自ら取っていただきたいものである。もっとも、他人に厳しく「自己責任」を問うような論者に限って自分自身の責任を取ろうともしない者が多いことは、過去を振り返ってみれば自明の事実であるのであるが。
(平成十六年五月二十六日)
本頁開設日時 : 2004.07.21.
|