| 本当は、言い表せないくらい |
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「んっとれえ、、、、、あたひは、大陸のめんひぇきくらい、がうりいのこと、すきらよ」 月の輝く夜。 一人の少女――そう呼ぶには少し抵抗があるかもしれないが――― と、その少女を背負った、ガウリイと呼ばれた青年が青白く照らし出された夜道を歩いている。 二人は宿から離れた酒場からの帰りだった。 思いの他飲んでしまい、呂律の回らない少女――リナ――は、いきなり、 「どちらの方がより相手を想っているか」を比べようと言い出したのだ。 その時点でガウリイはリナがかなり酔いつぶれていることを確信したが、 普段とは違った様子のリナに急かされるまま、その連想ゲームにも似たそれを楽しんでいた。 「それじゃあオレは、海の面積くらい、かな?」 背中に感じるぬくもりに、限りない優しさと愛しさを込めて答える。 「ん〜、それらあ、あらひは、、、、、、え〜っと、、、、」 「リナ、もう宿に着いたぞ」 「ん、、、、、」 少々残念そうな青年に、今度は抱きかかえられるとそのまま部屋へと連れて行かれる。 ガウリイは眠るのに邪魔そうな装飾を取り払い、今にも意識を手放しそうなリナを優しくベッドへと降ろしてやる。 「あ、、、、あらひね」 「うん?」 「月まで届くくらい、がうりいのこと、すき、らよ、、、、」 はんなりと蕩けるような微笑みとともに、そう告げたかと思うと、彼女はすぐさま寝息をたてはじめた。 その様子をベッド脇で見守り、ガウリイは微笑む。 「オレは、月まで行って、戻ってくるくらい、リナのことが好きだよ、、、、」 届かない呟きを漏らした唇で、彼女の柔らかく甘いそれにくちづける。 「、、、、、お休み。いい夢を」 月光の差しこむ部屋に、囁きが溶けた。 |