傍観者



食堂にはいると、彼女たちがいた。

男と女の二人組。
十人前はある様に見える。
お皿で埋め尽くされた真ん中のテーブルに陣取って、豪快な食べっぷりを披露している。
まず惹かれたのは、男性の方の美しさ。
ただ、そこにいるだけでとても絵になる。
長身。金色の長い髪、整った顔立ち。目の色は碧・・だろうか。
剣士の姿。
さぞかし女性にもてることだろう。
隣の女性は・・まだ、子供っぽい雰囲気を残してはいるが、瞳の輝きは力に溢れている。
魔道士の服装をしている。
栗色の髪。同色の瞳。華奢な身体。
数年経てば、きっと魅力的な女性になっているのではないか。

死闘・・と呼ぶに相応しい勢いで料理の争奪戦を繰り広げている彼ら。
圧倒されるが、なんだか頬笑ましい。
見ていて楽しいし・・何より、とても美味しそうに食べている。
こっちも、回ってきたウェイトレスに注文をする。
さすがに、一人前しか頼まなかったけれど。
料理を待つ間、更に観察を続ける。
趣味が悪いかな、と思ったけれど、他のお客たちも注目しているようだし。何より、離そうと思っても目が離れない。
既に、二人に興味を持っていた。
あっと言う間に全てを平らげると、女性の方が席を立った。
男性が何事か話し掛ける。
・・あ。スリッパではたかれた。
赤くなって食堂の奥へ入っていく女性と、はたかれた頭をさすりながらそれを笑顔で見送る男性。
力関係は女性の方が上なのだろうか。
でも、男性の方も大して堪えてはいなさそうだから、どっこいどっこいなのかもしれない。

男性が一人になったところを見計らってか、それまで遠巻きに見ていた女性客の一人が彼に近づいていって話し掛けた。
・・逆ナンか。
結構な美人さん。
十人中7,8人は捕まえられそうだけど・・果たして彼はどうだろう。
どうやら他にもこの女性と同じことを考えていた人は多いらしく、彼にさらなる注目が集められる。
女性の方には非難の眼差しも。
しかし、彼は言い寄ってきたその女性をあっさりとかわしてしまった。
人の良い笑顔を浮かべながら。
何を話しているのかまでは聞き取れなかったが、体のいい断り文句でも言ったのだろう。
すごすごと引き下がっていく女性。
そうこうしている内に、連れの女性が戻って来た。
元いた椅子に腰掛ける。
男性が彼女に向ける笑顔を見て、ふと思った。
さっきの笑顔とは全く違う。
これに比べると、作り笑いにしか見えない。
何というか、満面の笑みではないのだけど、心の底からの愛しさが溢れているような・・
やられた、と思った。
どうやらこの男性は彼女に本気で惚れているらしい。
そして多分、私は、その笑顔に魂を抜かれてしまった。
俄然興味がわく。
彼にそこまでの表情をさせる彼女にも。
彼女たちを見ることが出来たのを、とても嬉しく思った。


二人が立ち上がる。
勘定を済ませてでていく二人の、一瞬、後を付けていきたい衝動に駆られたが、ちょうどその時注文していたランチセットが運ばれてきた。
食べないのはもったいない。
だから、縁があればきっとまた目にすることもあるだろうと思って。
二人の姿がドアの向こうに消えるのを見送りながら、箸をとった。
縁がありますようにと、心の底から強く祈りながら。
彼女たちの未来はどうなるだろうかと、想いを馳せながら。









おしまい?(と言うか現在に続く・・謎)



*いいわけ*
書き手視点から見たガウリナなんですが・・やっぱ訳わからない・・・(汗)
書きたかったのは、ガウリイに惚れる自分・・?(おい)
・・・ごめんなさいっっ!!(逃走)


苦情はこちらへ(汗)

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