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「・・何考えてんだ? お前さんは。」 「・・・・・・・・」 ベッドの中。 あたしは顔の半分まで布団に埋めたままガウリイを見ていた。 ベッドの隣の椅子に腰掛けたガウリイは、睨むような厳しい眼差しをしている。 「たいしたこと無かったからよかったものの・・・俺をかばってどうするんだよ。」 「・・そんなこと言ったって、体が勝手に動いたんだからしょうがないじゃない。 気付いたら怪我してて・・あたしだって驚いたわよ。」 あたしの言葉を聞くと、ガウリイは深く溜息を吐いた。 「・・・・頼むから、無茶しないでくれ。 お前さんより俺の方が頑丈に出来てるんだから、同じ攻撃喰らったとしても、ダメージは小さくて済むだろ? それに俺には、怪我を治してやることも出来ないから。 ・・目の前で傷付くリナを見るのが一番辛いんだよ。」 「・・・・・・・・」 俯くガウリイ。顔が髪に隠れてしまったから、表情はわからなくて。 なんだか何も言えなくなって、あたしはただ黙っていた。 「・・のど、渇いたか?」 唐突にガウリイが呟いた。 「え? ・・・え、あ・・・・うん。ちょっと。」 「水・・・」 顔をあげ、テーブルの上にある水差しに視線を遣る。 「・・空だな。ちょっと待ってろ、貰ってくるから。」 「あ・・あり、がと。」 「怪我人が気ィ使うんじゃないよ。」 苦笑して、ガウリイは部屋を出て行った。 パタン、とドアが閉まった。 目でも、それを確認してから。 「・・・・・ごめん・・」 一言呟いた。 ・・許して。 あたしは怪我をしたって構わない。ガウリイが怪我をしなくて、良かったと思ってる。 でも、ガウリイはそのことで自分を責めていて。 なのに、きっと、また、あたしは同じようなことをしてしまうだろう。 ガウリイを苦しめる行為をしたのに、心の中で喜んでいるあたしを許して。 ガウリイが苦しむと分かっているのに、自分の感情を優先させてしまうあたしを許して。 「・・ごめん・・・・・・」 もう一度呟いて、あたしは目を閉じた。 「・・・ナ? 寝・・のか・・・?」 それからすぐに訪れた、睡魔に引き込まれる寸前。 「・・・・・・・・・・ごめ・・な。」 ガウリイの声を聞いたような気がした。 ・・・・違う、それはあたしの台詞。 許して。 悪いのはあたしなの。 END |