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「もしも・・・」 ある晴れた日の午後。のんびりと街道を歩いていると、唐突にガウリイが口を開いた。 「もしも、この世界でリナ一人が女だとしたら、お前さんどうする?」 「へ?どういうこと?」 ガウリイの質問の意図がつかめなくて聞き返す。 「うーん、つまりお前さん以外は全員男だってことだ。」 そりゃそうでしょうねえ・・ 「ガウリイじゃないんだからそれくらいわかってるわよ。 あたしの言いたいのは、あんたがどういう答えを求めてるのかって事。」 あたしの言葉にガウリイは困った顔をする。 「どういう答えかって言われてもなあ・・・・あんまり深く考えてなかったし・・・ ・・リナの思ったことなら何でもいいぞ。」 また大雑把なことを。 「んー、じゃあ言うけど。 あたしはどうもしないわ。別に何も変わったりしないでしょうし。」 「変わる・・と思うけどなあ。」 「そう?」 「だってそうだろう?世の中にお前さんしか女がいないんだから、 必然的に世の中のすべての男がお前さんを狙ってくることになるだろうが。」 ・・・・・・・・。 「変わんないわよ。」 きっぱりと言うあたし。 少し瞳を開くガウリイ。 「あたしを狙って来るような奴は、全部あんたが追い払ってくれるんでしょう?」 いったん言葉を切って、ガウリイを見る。 「で、あたしの隣にはガウリイがいて。 ほら、そしたら何にも変わってない。 世界単位で見たら変わってるけど、あたしの周りでは変わらないわ。」 「・・そうかもしれんな。」 穏やかなガウリイの笑顔。 あたしも微笑を返す。 「ねえ、ガウリイはどうするの?」 「え?」 「もしもガウリイだけが男だったら。」 あたしと、ガウリイの視線が絡まる。 「そうなったらハーレムの作り放題よ―? 天国になるわね。」 冗談めかして言う。 「ハーレムかあ。 でもそれはちょっと無理だなあ。」 「どうして?」 「オレは、リナの面倒だけで精一杯だ。」 「そこまで面倒見なくたっていいじゃない。」 「そうもいかないさ。 オレはリナの保護者なんだから。」 さも当たり前だと言わんばかりの表情。 「そこまで言うんだったら覚悟しなさいよ。 何があろうとずっと付きまとって、ガウリイの幸せ邪魔してやるから。」 「ああ、望むところだ。 一生邪魔しててくれ。」 おしまい |