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「きれーな天の川・・」 空を見上げ、呟く。 「だな。」 隣に立ったガウリイも、あたしと同じように空を見上げる。 「会えたかな。」 「誰が?」 「織り姫と彦星。」 「誰だ?それ。」 ガウリイらしいと言えば余りにもらしい返事に、一瞬気が抜ける。 「おとぎ話みたいなもんよ。 恋人同士がいたんだけど、遊んでばっかりで全然仕事をしなかったの。 それに怒った女の父親が、ふたりを遠ざけて一年に一度しか会えないようにしちゃったんだって。」 「じゃあ今日が、その"会える日"なのか?」 「そ。自業自得とはいえ、やっぱりちょっとかわいそうよね。」 「そーだなあ・・・俺だったら、寂しくて死んでるかもしれないな。」 かなり真面目な声で言うので、あたしはガウリイに視線をやった。 「何?あんたって、ウサギだったわけ?」 あたしの言葉に苦笑するガウリイ。 「ちゃかすなよ。結構本気なんだから。 お前さんと離れてくらすなんて、たとえ一日だって耐えられないさ。」 「・・・言ってて恥ずかしくない?そーゆーコト。」 「全然。」 きっぱり、と言い切るものだから、あたしの顔のほうが熱くなる。 「そうなると、離されないようにしっかり仕事しないとなあ。」 「仕事・・ねえ。じゃ、早速出かけましょうか。」 「は?何処に?」 「決まってるじゃない。仕事に、よ。」 「・・俺の仕事って何だっけ。」 「何でしょう。」 ガウリイが苦虫をかみつぶしたような顔をする。 「ヤな予感がするんだが。」 「間違ってないと思うわ。さ、行きましょう!」 「盗賊イジメにか?」 「せいか〜い。嫌だとは言わないわよね? 仕事しよう、って言ったのはガウリイなんだから。 あ、直接手出すのが嫌なら、荷物運んでくれるだけでも十分だし。」 「でもなあ・・」 渋るガウリイ。 「あたしと離れたくないんでしょ?往生際が悪いわよ。 ほらほら、さくさく進む!」 大きな背中に両手をついて、前に押し出す。 肩を落として大きく溜息を吐くガウリイ。 「仕方ない、か?」 「仕方ない、じゃなくて、『喜んで』!」 ようやく前に進み出す。 「分かったよ。その代わりお前さんが嫌だっていっても、離してやらんからな。」 「分かってるわよ。」 「一晩中な。」 「当たり前でしょ・・って、え?」 「そうと決まったら、さっさと片づけて早く宿に戻らないとなあ。夏の夜は短いし。」 ガウリイの言葉に固まるあたし。 「・・な、んなこと言ってないわよ!!」 「駄目だぞ、リナ。一度口にしたことは守らないと。 さ、盗賊のアジトに向かってレッツ・ゴー、だ!!」 ちょっと待て〜〜〜っっ!! ガウリイによって口を塞がれたためそう叫ぶことも出来ず、あたしはずるずると引きずられる形で連れて行かれ。 そしてガウリイの言ったとおりに。 その夜が明けるまであたしたちは1ミリたりとも離れることはなかったのだった・・・ おしまい(・・でいいのか?) |