物資の一例

現在地:HP東日本大震災→ここ

自治体や大きな組織からの支援が届きにくいところに、東京から、皆さんからの生活物資を直送しています。
ご協力をお願いします。
……と言った時に、必ず聞かれたこと。

「何を送ればいいですか?」

何でもいいんです。
……と言われても、困りますよね。

それは、現地でも同じでした。

さっきから、他県ナンバーのトラックがウロチョロしてる。
なんだ、ありゃ?
水没車を狙った窃盗団か?
……と思っていたら、俺達の避難所に停まった。

で。
見ず知らずのオッサンがおりてきて、こう言う。

「東京から生活物資を直送します」
「何か必要な物はありますか?」

何者だかわからないオッサンに、どこまで頼んでいいんだろう?
頼んだら本当に持ってきてくれるの?
家でも車でも漁船でも?
……と、まず最初に警戒しますわな。

何でもいいから、救援物資を集めて届けるのが先か?
必要な物を聞くのが先か?

で。
よく言われたのが、酒と女と金。
それから、被災された皆さんだけでなく、現地で活動されてるボランティアの皆さんも含めて、切実にお願いされるのが、嫁。

それは私もお願いしたいです。


「何が必要ですか?」という聞き方が良くない。

「何か」と言われても、家とか自動車とか漁船まで、言い出せばきりがないわけで。
見ず知らずのオッサンに、どこまで頼っていいのか、それは警戒するでしょ?
……と、やがて気がつきました。

それで。
105円ショップに行くと、350本入りの綿棒がありますよね。
耳かきも2本1パックで売ってますよね。
スーパーに行くと、卵や牛乳も売ってますよね。

で。

こんにちは!
綿棒と耳かきを持ってきました!
ご必要な方はおられますか?

卵と牛乳は間に合ってますか?
……と、聞いてみる。

粉ミルクや紙おむつで困ってる人は、この避難所におられますか?
……と、個々の品物について聞いてみる。

そんなところから始まって、少しずつ聞きだせるようになってきた結果が、↓です。

ただし、震災直後、1〜2ヶ月までの話です。
(必要な物資は刻一刻と変化していきました)


まずは、生活物資全般から。


【1】毛布

自衛隊からの配給などで薄手の毛布は届いてました。
「もう温かくなった」とか何とか報道されてました。

でも、日没と同時にものすごく冷えてくる地域は、実はまだまだ多かった。
トラックで寝泊まりしてる私自身、薄手の毛布1枚じゃ足りませんでした。

避難所はもちろん、親戚やご近所さんの自宅に避難してる皆さんも、寒いのは同じ。
そして、秋になれば、また必ず必要になってきます。


【2】デッキブラシ

がれきを撤去しても、その下にはたくさんの汚泥が積もっています。
皆さんの身の周り、その辺のホームセンターで普通に売られているデッキブラシが、現地では品切れでした。
作業着、長靴、手袋、マスクなども。


【3】綿棒と耳かき

どうでもいいように思われがちですけど、意外とヒットでした。

綿棒では満足できない、俺は耳かき派だ!
……という方もけっこういらっしゃって、親近感も芽生えます。

自分だったら、これがない生活は厳しい!と思う品物は、喜ばれるみたいです。

乳幼児のいる家庭では、綿棒は必需品ですよね?


【4】乾電池各種

電気がない地域は、まだまだあります。
NHKのニュースをラジオで聴くにも、電池が必要。

単1、単2、単3、単4、いずれも不足していました。


【5】ソーラー充電式のLEDライト

昼間のうちに日光で充電しておいて、夜の照明にする。
LEDライトと聞くとゼイタクに思うかもしれませんが、省電力のLEDライトでさえ、みんなで時間を決めて少しずつ使っていました。
そういう地域では、まだまだ数が不足していました。


【6】洗剤とハンドクリーム

日々の撤去作業で、大量の洗濯物がある。
大量の水仕事で、手荒れもひどい。

洗剤は、いくらあっても足りないようでした。
ハンドクリームも、けっこう切実だったようです。


【7】パンパースL

SとMは大量に届いてるけど、お子さんが大きくなってしまった、というご家庭がありました。


【8】粉ミルクと紙おむつS

これから赤ちゃんが生まれる家庭がありました。
今すぐ、今日とか明日というレベルの緊急性はなかったけど、必要になってから探してもなかなか届かない。
そんな話も聞きました。

買ってみた粉ミルクが、うちの子には合わなくて残っている、とか。
子どもが成長しちゃって、合わなくなった紙おむつが残っている、とか。

そういうところに声を届くように、あちこちに聞いてみるのも大切かと。
恥ずかしがらず、ダメ元で


【9】チャイルドシート

家も職場も仕事の道具も流されてしまい、収入のメドが立たない状況では、簡単に手が出せる買い物ではない。
だけど、地方ではどこに行って何をするにも自動車は生活必需品。
小さな子供たちを置いて出かけるわけにはいきません。

チャイルドシートのご要望は、あちこちでうかがいました。


【10】カセットコンロ&ボンベ

くり返しますが、電気もなければ、水もない。
そういう状況では、お湯を沸かすにもカセットボンベが必要です。


【11】雑誌やマンガ

子ども達は、マンガを読みたいみたいですね。
それから、皆さんの周りで普通にコンビニで売られてる雑誌なども、なかなか届かない地域がありました。


続いて、食料品関係。


【12】米と水

生きるか死ぬかの瀬戸際、生命の分岐点というレベルではなくなっても、水は必要。

津波が引いたあともしばらく、井戸水が濁っていたり、塩気がたっぷりだったり。
特に、井戸水を日常的に使っていたところは切実でした。


【13】甘いもの

育ち盛りの子供たちへの、おやつだけではありません。
連日の不慣れな肉体労働で、甘いものへの欲求は大人も切実だったようです。


【14】うどん

今回の被災地に関しては、そば文化ではなかったようです。
炊き出し活動をされてる皆さんからの結論として、そばよりはうどん。

(次の震災は、どこだろう?)


【15】刺身

やっぱり新鮮な刺身を食べたかったようで。
これは、あちこちで何回も言われました。

地域の食文化とか、長年の食習慣とか、いわばソウル・フード。

子供の頃から毎日のように当たり前に食べてきたものが、ある日を境に、まったく食べられなくなる。
これは、かなりつらかったようです。


【16】良質タンパク

気温が上がっていく時期、電気がない地域では卵や牛乳を保存できません。

そういう状況でも、毎日それなりの良質タンパクが必要。
(特に妊婦さん)

チーズ、甘納豆、高野豆腐(凍み豆腐)など?


サプリメントやプロテインというアイディアもいただきました。
それはいい!と思う方も、おられるかもしれません。

でも……
個人的にはサプリメントの愛用歴20年以上だったんですが、主治医から禁止されました。

タバコを吸っても何を食べても病気にならない人なら、サプリメントやプロテインもOKだそうです。
でも、ガンや脳血管障害その他、家族的・遺伝的な要因を持ってる人には、そういうものが病気の引き金となることもある。

医学的には評価が分かれているようです。

こういう状況ではありますが、それを知ってて配って歩くことにはちょっと抵抗があります。


実際に被災地を回っていると、必ずしもすべての地域、すべての避難所で、みんな仲良くうまくやっているわけではない。
昔からの人間関係その他、ドロドロした部分とか、そこから発展したトラブルとかの話も聞こえてきます。

自治体などにも言いたいことはあるけど、ものすごく一生懸命にやってくれてるから黙ってる、とか。

(お互いに不満を言い出したら、収拾がつかなくなる)

それで、なんでしょうか。
わざわざお役所に申し立てるほどでもないんだけど、とか。
隣近所の手前、うちだけが役所に言うわけにはいかないんだけど、とか。

個人ボランティアの人にしか言わない、言えないニーズがありました。

これは、自治体が募集しているボランティアだけでは、対応できなかったはず。

また、自治体側にしてみれば、全戸数分がそろうまでは配布できない、とか。
特定の地域だけ特別扱いはできない、とか。
それで、大きな組織からの配給はあるけど、足りてないんです、とか。
今後の備えとして、別のルートからも確保しておきたい、とか。

自治体の皆さん、NPO法人や個人ボランティアの皆さん、避難所の皆さん、自宅避難の皆さん、市街地の皆さん、僻地の皆さん、等々。
全国から来る個人ボランティアの皆さんにも、いろんな方がおられるようで。
それぞれの立場、いろんな考えがあるようです。

「足りてないって、ここにこんなに山積みじゃないか!」

「いや、これはまだ配れないんです」

……とか。

「配れるところからどんどん配れよ!」とか。

「いや、それでは不公平になってしまう」とか。

物資を受け取りに行ける人と、足(クルマ)がない人での物資の格差とか。

時には、対立が表面化することもあったようです。

この辺の反省も、いっぱいあるはずなんだけど……
次回、全国どこかでまた震災が発生した時に、きちんと活かせるのかあなぁ?


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