3個のリンゴと5人の村人

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東日本大震災が3月11日。
その直後のゴールデンウィークは、被災地での個人ボランティアを考えてる人が多かった。

それで、それに関するマスコミの報道もいろいろありました。

たとえば……

【1】個人個人が勝手に被災地に行くと、現地の人達が困るから、行かないほうがいい

【2】マスコミに何回も登場している、石巻、志津川(南三陸)、気仙沼、陸前高田。
この4つの地域には全国から支援が殺到しているから、もう大丈夫。
この4つ以外の小さな町や漁村、人口10人とか20人の小さな集落などを丹念にまわったほうがいい。

【3】個人ボランティアはもう十分に足りていて、受け入れを拒否している

【4】現地で交通渋滞が問題になるから、マイカーでは行かないように

……等々。


でも、違うんですよ。
現実は、そうじゃないの。

もちろん、ウソではないです。
本当のことではあります。

でも、その情報がすべてだと思ったら、そうじゃない。
次の震災で被災地に行く時は、最初にその辺を整理したほうがいいと思います。


【1】個人が勝手に行くと、現地で迷惑する?

そんなことはありません。
手ぶらで来て、写真だけ撮って、1円も使わないで帰るなら、迷惑でしょうけど。
人手が足りなくて放置されてることは、たくさんありました。


【2】あの4地域はもう大丈夫?

あの4地域はもう大丈夫?」で書いたとおり。
市町村の名前は同じでも、山1つ、橋1本、向こう側に行ってみると別世界。
そこは忘れちゃいけないと思います。

でも。
東京や大阪ではほとんど報道されることのない、無名の小さな町や漁村、人口10人とか20人の小さな集落などを丹念にまわったほうがいい。
それもまた事実です。

無名の、とか書いたら、怒られそうですけど。
「あの4地域」も含めて、まだまだ大量の支援が必要でした。
あなたも、行けばきっと役に立てます。


【3】個人ボランティアは受け入れ拒否?

そういう自治体があったのは、事実のようです。

グルメ番組と同じで、マスコミが報道すると、そこだけに殺到してしまう。
そこの自治体が受付できる範囲を超えてしまう。
そこは、私たちが反省すべきところ。

「あそこに行ったら誰か有名人に会えるかも♪」
……なんて理由で行くなら、ただの野次馬と変わりません。
有名人と言われる人達にしても、不本意でしょう。

ただ、誤解されてる部分もあります。

うちの自治体が「個人ボランティア拒否」と発表しちゃったけど、ちょっと待ってくれよ、とか。
地域の実情がボランティアセンターに届いてない、とか。
そんな話もよく聞きました。

地域から大量にあがってくる個別のニーズと、ボランティアに来た人達とのマッチング。
ただでさえ大変な仕事なのに、両者から殺到していて、手いっぱい。
ものすごいハードワークに追われていたようです。

(こういう仕事って、平時でもものすごい心労ですよね)←私は苦手

つまり、そういう窓口で「募集してない」と言われても、そこの全域で個人ボランティアを拒否しているわけではない。

悪い意味ではなく、本当に誰もが手一杯でがんばっている。
だけど、そういうマッチング作業もまったく追いついてない。

なので……
そういう窓口を介さず、フラッと行ってみて、その辺でがれきを撤去してる人や掃除をしてる人達に、声をかけてみる。
そういう勝手ボランティアも(大量に)必要だと思いました。

それから、すべての自治体が個人ボランティアの受け入れを拒否しているわけではありません。

地図を開いて、聞いたことのない名前の町に行ってみましょう。
あなたにできることは、あちこちでたくさんあります。


【4】マイカーで行かないほうがいい?

マイカーで行くべし!」で書いたとおり。
私は、それでもマイカーで行くべきだ!と思っています。


私が思うに、誰の指図も受けずに、自分がいちばん正しいと思うことをする。
それが個人ボランティアの本質。
だからこそ、自治体や大きな組織の皆さんの手が届かないところをフォローできるわけです。

たとえば……
村人は5人なのに、届いたリンゴは3個。

平等に配れないから、5個そろうまで配布しない!とか。
そういう端数では送ってこないで!とか。

あるいは、避難所にだけ配っちゃった、とか。
それを自宅避難の人達が後から知って、トラブルになった、とか。

その辺が、自治体や大きな組織の難しいところ。
いずれも実話です。

「公平」という観点からは、間違いではないんです。
でも、「公平」にこだわることで、助かるはずの人を見捨ててしまう可能性がある。

そのリンゴ3個をナイフで5等分して、個別に配って歩けるのが、個人ボランティア。
多少の不公平は割り切って、その場での自分の判断で自由に動けるのが個人ボランティア。

そういう人手も、さっぱり足りていませんでした。

「個人ボランティアを拒否している」という報道だけで簡単にあきらめてしまうようじゃ、ダメだと思うんだけどなぁ。

その報道が本当かどうか、まずはそこに疑問をもたなくちゃ。
そして、確かめに行かなくちゃ。


サッカー日本代表の試合をテレビ観戦したこと、ありますか?

「そこのスペースが空いてるじゃないか!」
「何やってるんだ!」
……と思ったこと、ありませんか?

テレビの前で文句を言ってても、ダメなんですよ。
スタジアムの観客席から、声をあげてもダメ。

参加してる誰もが、自分にできる範囲で必死でやっている。
サボってるわけじゃないんだから。

そこが空いてるのはわかってるけど、とても手が回らない。
そういう状況なんだから。

スペースが空いてることに気づいたら、あなた自身がピッチに立って、そこを埋めなくちゃ。

米とか水とか卵とか牛乳とか、紙おむつや粉ミルクを大量に積み込んで、被災地に行く。

公的な窓口が「個人はお断り」と言ってても、そこであきらめちゃいけない。
実際に現地で、がれきを撤去したり、片づけをしてる個人に声をかけて、手伝わせてもらう。
手伝わせてもらったお礼に、持ってきた物資を受け取ってもらう。

×:手伝ってあげる
◎:手伝わせてもらう

そこは人間同士、相性というのがあるから。
何となくしっくりこないこともあるかもしれないし、初対面なのに妙にウマが合って盛り上がるかもしれない。
気に入ったところがあれば、何回でも同じところに行けばいい。

どうせ、1個人にできることなんて、たかが知れてるんだから。
それなら、現地でがんばってる1個人をお手伝いすれば、いいんじゃないかな?

100人でがんばってるところに飛び入りしても、1%の戦力アップに過ぎないけど。
1人でがんばってるところに1人が加われば2倍、100%アップだよ?


個人ボランティアを受け入れ拒否する自治体が出ている。
……と聞いて、それだけで個人参戦を考えちゃってる人がいたようなので、書いてみました。

【注】サッカーの試合は、叫ぶだけにしましょう


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