1993第7戦:カナダGPの前後

現在地:HPセナ→ここ

第6戦モナコGP後の、セナの発言を受けて。

【ベネトン】
フォードのワークスエンジンは、我々ベネトンが独占契約を結んでいる。
他のチームへの供給は、絶対にありえない。

ベネトンは当時、金の卵とも言えるシューマッハを獲得。
3ヵ年計画でワールドチャンピオンになろうとしていました。

その中核ユニットが、フォードのワークスエンジン。

契約は尊重されなくてはならない。
絶対に渡すわけにはいかない。

ベネトンの立場から考えれば、当たり前の主張ですね。


一方、まったく予想外の形で、世界中から注目されてしまったフォード。

マスコミの特集記事から飲み屋レベルまで、世界中で日夜、侃々諤々です。

いわく、これまで通り、ベネトンへの独占供給を続けるべきだ。
セナのワガママを許してはいけない。

いや、モータースポーツは結果がすべて。
フォードは今すぐ、マクラーレンにスイッチするべきだ。

あなただったら、どう決断しますか?

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世論だけでなく、フォードの内部でも意見は真っ二つ。
その間にも、セナは型落ちの市販エンジンとは思えない走りをくり返す。

やがて、空気が変わっていきます。


【フェラーリの会長】
セナが欲しい。

【フェラーリ】
我々がワールドチャンピオンに返り咲くためには、セナの力が必要だと思う。

【セナ】
フェラーリは、世界中のレーシングドライバーの憧れだ。
いつかは乗りたいと思う。

当時のフェラーリは、長い長い低迷の時代。
マンセルにもプロストにもできなかった「フェラーリ再建」。

その可能性が、たひたび報道されるようになります。


【ルノー】
来シーズン、セナと契約できればと思う。

ルノーとエルフも、セナを欲しがっている。
これにはビックリしました。

確かにセナは1985年、ロータス・ルノーで初優勝。
1986年にはたびたび、ホンダ勢より速いタイムを出していました。

ルノーが、プロストとセナのジョイント・ナンバー1体制を望んでいる。
それは、まあわかります。

しかし、プロストはフランス人初のワールドチャンピオン。
しかも、フォーミュラ・ルノーからフランスF3、そしてF1へ。
エルフのスカラシップを受けてた時期もあったはず。

自分を育ててくれた、母国の自動車メーカーと石油会社の「裏切り」。
これをプロストは、どう受け止めたんだろう?

本当に意外でした。


そして、ヨーロッパでは相変わらずのプロスト批判。

1991年、マクラーレン・ホンダでセナは開幕4連勝。
1992年、ウィリアムズ・ルノーでマンセルは開幕5連勝。

当然、プロストにはそれ以上の結果が求められていたわけで。

さらに、ウィリアムズとプロストの今年の契約内容も一部、明らかに。

「プロストはナンバー2ドライバーを選べる」との一文が入っていて。
セナのウィリアムズ入りを、プロストが拒否した、と報道されます。

それはおかしいんじゃない?
正々堂々と、コース上で白黒つけるべきだろ?
……等々。

批判というよりは、バッシングという感じだったようです。


さらに……

0.01秒を争うモータースポーツの世界で、2秒というのはまったく問題外。
ありえないほどの「別世界」です。

その2秒落ちのマクラーレンで6戦3勝、ランキング1位という現実。

もし、セナがウィリアムズに乗っていたら、今頃どうなってたんだろう?
来年はセナとプロストで、今度こそ本当に16戦16勝じゃん?

特に、ルノーは「打倒ホンダ」で一丸となっていました。

ホンダが撤退した今だからこそ、ホンダの記録16戦15勝を上回ろうとしている。
それを達成してこそ世界一だ!と考えているらしい。

いや、マクラーレンとホンダでさえコントロールしきれなかった、この2人。
ウィリアムズとルノーが同じ失敗をくり返すリスクをとるだろうか?
……等々。

話題は「もしも来年、セナがウィリアムズに乗ったら」に集約されていきます。

【プロスト】
ウィリアムズ・ルノーがセナと契約するなら、自分はチームから去る。

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