「晴れでも雨でも、ウィリアムズ・ルノーは1周で約2秒ずつ安定して速い」
「これはもう、どうしようもない」
「ところが、コースの一部で雨が降ったり晴れたりするような状況になると、マクラーレンのほうが約2秒ぐらい速くなるんだ」
いや、それはマシンの性能じゃなくて、あなたの腕。
あなたの腕ですから。
あっという間に、今年も鈴鹿の季節。
照る照る坊主と、るてるて坊主。
両方ともぶら下げればいいのかな?
モナコ以来、いいところなし。
来季のウィリアムズ移籍も決まったし。
今年はもう、このまま終わるのかな?という気持ちと。
いや、雨が降ったり、何かが起きるかもしれないじゃん!という気持ちと。
とにかく、行かなくちゃ!と、鈴鹿へ。
「勝ち目はないとわかっていても、大好きなスズカ、全力を尽くすよ」
……と、東京中日スポーツに連載していた独占手記に、セナは書いてました。
これが、単なるリップサービスじゃなかったんです。
予選は、1周のタイムアタック競争。
計測ラインを過ぎて、1コーナー、2コーナーを曲がったあたりで止まっちゃいました。
トラブルではなく、予定通りのガス欠ストップ。
どういうことか、わかりますか?
何周も何周も続けて走ったところで、ウィリアムズ・ルノーには絶対にかなわない。
それならば、燃料をギリギリまで減らして軽くしよう。
もし予選2番手に入れたら、最前列。
スタートもうまく決めてトップで1コーナーに入れたら、もしかしたらレースになるかもしれない。
勝負は、たった1周。
ピットまで戻れる必要もない。
そんな特攻アタックで、予選から勝負に出たんです。
セットアップに手間取ったウィリアムズが伸び悩み、結果的にはトップタイムからの1秒間に5台が入る大混戦。
久しぶりのそういう状況の中でも、見事に予選2位。
周回遅れに引っかからなかったら、「まさか」のポールポジションだったかも。
最初からあきらめて普通に燃料を積んでいたら、後方集団に埋もれていた。
そんな、見応えのある予選でした。
日本GP以外の年間15戦はどれも、遠く離れた国々でのレース。
夜中にテレビで見てるだけだと、わからなかったけど。
近頃は、いいところなく簡単に沈んでいるように見えてたけど。
こういうギリギリの勝負を、毎回毎回くり返していた。
それでも歯が立たなかったんですね。
ブラジル、ヨーロッパ、モナコ。
転がり込んできたチャンスは、逃さず全部つかんで、結果を出してきた。
セナだけは、どうしてそんなことができるのか?
こういうラッキーは、なぜ、セナだけに?
どう考えても勝ち目のないレースで、これだけのモチベーション。
あきらめず、できることは全部やる。
言葉で言うのは簡単だけど、ものすごいことですよ。
やり直しのきかない、チャンスは1度きりという状況でも萎縮しない。
むしろ、自分の力を100%以上フルに発揮して、成功をつかみ取る。
そうやって勝ち続けることで、生き残ってきたんだろうね。
さあ、予選は大成功。
明日の決勝は、最前列(イン側)からのスタートです。
もしかしたら……
もし、本当にスタートで前に出られたら……
そこに、いくつかの幸運が重なったら。
もしかしたら、久しぶりに「レースになる」かもしれない。
期待が高まります。
当時の前夜祭の映像、見つけました。↓
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2012.-2.-3 Sat 15:00 from 仙台
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