アノマロスコープって何?

え〜、ハムスターのアルジャーノンです。ボクの飼い主が、今度はアノマロスコープの説明をしろと言ってきました。と申されましてもね〜、不勉強なものでアノマロスコープの動作原理について納得のいく説明を書籍で読んだ覚えが無いのでございますよ。器械の基本的な構造についてはよく見かけるのですが、なぜそれで診断できるのかのメカニズムが判らないのでした。もちろん、下記のような説明は読んでいます。


どうしてこれで納得できるの?

赤の単一波長光(通称単色光)と緑の単一波長光を混ぜた混合光と、黄色の単一波長光のみからなる光が同じ色に見える(等色する)ようにそれぞれの単一波長光の強度を調節する。黄色の単一波長光の強度を一定とした場合、第一色覚異常の場合は赤に弱いので、等色させるには普通より赤の強度を高くする必要がある。第二色覚異常の場合は緑に弱いので、等色させるには普通より緑の強度を高くする必要がある。


残念ながら、ボクの頭では「赤に弱い・緑に弱い」の意味が理解できません。何度も言うように、色はその人の主観であって、物理的に「赤い光」が存在しているのではありません。また、「赤に弱い」だけでは意味が判りません。

やむをえず、ボクなりの想像を加えた説明を試みます。決して科学的な説明と言えるシロモノではありませんが、少なくとも技術系の方にとっては「赤に弱い」といった漠とした説明よりは理解しやすいのではないでしょうか?異常三色型色覚が錐体の感度曲線の違いで説明がつくことが判ってきたのは80年代だそうですから、それまではこのような説明はしたくともできなかったでしょう。


図1

まず図1を見て下さい。図の上側のグラフが普通の人の三種類の錐体の感度曲線を表しています。X軸が光の波長(右側が長波長)で、Y軸が錐体の感度を意味します。この図は単純化したものであって、感度の単位として何を採用するかによっても違うはずですが、実際の感度曲線はもっと複雑なものになるようです。図の中央と下が、アノマロスコープで提示される二種類の光のスペクトル曲線の一例を表します。このような二種類の光が右側の円の上下に表示され、被検者は上下の色が同じに見えるか否かを答えるわけです。
説明は省略しますが、図1を見れば上下二種類のどちらの光であっても三種類の錐体の出力が同じになる、つまり同じ色に見える(等色が成立する)理由がわかると思います。


図2

図2が、図1と同じ波長の単一波長光を扱った場合の第一異常と呼ばれる異常3色型色覚者における等色条件を表します。第一異常の場合は長波長錐体の感度曲線(図2の上側の右側のグラフ)の最大感度波長が普通より短波長側にズレます。この場合は、図1における2種類の光では等色が成立しません。等色させるには、図2のように長波長側の単一波長光の強度を上げ、短波長側の単一波長光の強度を下げる必要があります。


図3

同様に、図3が第二異常と呼ばれる異常3色型色覚者における等色条件を表します。第二異常の場合は中波長錐体の感度曲線(図3の上側の中央のグラフ)の最大感度波長が普通より長波長側にズレます。等色させるには、図3のように短波長側の単一波長光の強度を上げ、長波長側の単一波長光の強度を下げる必要があります。


図4

さて、上記の図2・図3の説明を読むと、何となく「赤に弱い・緑に弱い」を説明しているように見えるかもしれませんが、アノマロスコープで扱う単一波長光の波長を、図1のように普通の色覚者の中波長錐体と長波長錐体の感度曲線が交わる波長を中央としてほぼ左右対称になるようにとったためにこうなるのであって、単一波長光の波長を図4のように第二異常と呼ばれる人の中波長錐体と長波長錐体の感度曲線の交点の波長を中心に対称にとると、様子が変わってきます。図4はこうして作成された、第2異常における等色条件を表します。ね?キレイに対称になっていて、どちらが弱いわけでもないでしょ?


図5

図5は、図4で使われた波長の単一波長光を使用した場合での普通の色覚者の等色条件です。異常を感じませんか?そうでもないかな?人によっては「緑に強い」と写るかもしれませんけどね。


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