【工場の粉塵対策】

 近年騒がれている環境問題に関して、あらためての対応はしていないことが多い。
対応したくてもできないことが多いのである。粉塵の発生箇所が多数存在し、
それぞれの設備毎に集塵機が設置してあるだけというのが、多くの工場での対応である。
 周りに対して気をつけなければならない工場も、周囲が工場に囲まれている工場でも、
粉塵、騒音の問題は解決しなければならない問題である。周囲に対しても影響を与えるのだから、
工場の従業員にも大きな影響を与えるのである。工場ではどのようにそれらが処理されているかを例で見る。

 生砂型造型ラインでは、混練系、回収系の2つのプロセスで集塵している。
混練時は、水を混ぜるので、混ぜる前の材料投入時に粉塵が発生する。
型ばらし時に壊した鋳型は砕いて、また造型に使用する。そのときに粉塵が発生する。
両方ともに集塵機が設置されている。

 自硬性砂型造型ラインでは、混練系、回収系の他に再生系のプロセスが追加される。
造型時に砂の廻りに付着した樹脂を、石臼で挽くような方法ではがし取り再利用できる砂にする。
砂の周りの樹脂は非常に薄いので、砂からはがし取られると微粉となる。
再生系の集塵機は非常に大規模なものになる。
回収した粉塵は水と混ぜて泥状にして、産業廃棄物取扱業者に引き渡す。

 型ばらし時には、生砂の方は解枠設備で製品と砂を分けるので手作業は無い。
この時の粉塵は、水をまいて粉塵を抑えるようにしている。
周囲を囲った中で行うが、実際には解枠設備への製品の出し入れ時に外部に粉塵が漏れる事がある。
自硬性砂型では壊した鋳型を機械の中に入れて元の砂の状態に粉砕、再生する。
この時の粉塵はほとんど集塵機で吸引されるが、100%は無理である。

 溶解時は、蒸気や材料に付着した油分が燃える煙等が発生するが、回収することなく外に排気する。
工場によっては炉の上部に排気集塵ダクトを設置してあるところもある。

 鋳仕上げでは、ショットブラストの中で製品に付いた砂を落とす。
この時の粉塵は、機械の中なのでそれほどでもなく、機械の中の埃は集塵機で取る。
余分な部分はグラインダーで削る。グラインダーも、設置式のものは集塵機設備が
付いているものがあるが、ハンディタイプは集塵はしていない。
これは隔離して作業をするが、中小企業ではなかなかそのための専用スペースが取れないのが現状である。
また作業者の前後に、送風機と集塵ダクトをおいて、強制的に集塵する方法も採られていることもある。

 粉塵対策は、集塵機で徹底的に粉塵を取り除くか、
粉塵の出にくい材質、製造法を開発するかの対策しかない。 


【追記(2009年)】
上記は1998年当時の状況です。
それ以降どう変わっているでしょうか。
技術の進歩により改善されていることを期待しています。


川口鋳物産業の城!