【工場における騒音】
騒音は工場内ではかなりの大きさである。
騒音に隠れた機械の異常音を聞き取る技術あるいは慣れを持った職人もいるが、
作業者にとってもやはりうるさいのである。作業者に耳栓を配布するくらいの対策が多い。
特に鋳仕上げ時には鉄を削るのでものすごい音と火花が発生する。
作業者は、防護面とマスクと耳栓を付けるが、この現場では会話が成立しないほどうるさい。
騒音は全ての工程から発生する。溶解、造型、型ばらし、鋳仕上げの他にも搬送時などからも発生する。
作業環境騒音に対して、
「労働安全衛生規制やガイドラインはあるが、罰則がないため公害環境規制のような
明確な規制値とならない。」
「騒音対策には通常コストがかかるため、騒音対策を講じるかどうかは、
経営者及び作業者の意識に依存する。」
「騒音源が造型機、オッシレーティングコンベヤ、送風機などと工場内にいくつも存在し、
一つの装置・機器に対策を行なってもあまり効果が無いことが多い。」
「密閉などの対策では作業性が悪くなったり、保守が容易ではなく、
しばらく経つと利用しなくなる場合が少なくない。」
といった問題点があるため、騒音問題は放置されがちである。
しかし、「大きい騒音に長時間暴露されると聴力障害を引き起こす。」
「注意力が低下し事故を起しやすくなる。」
「創意・工夫など創造的思考が妨げられる。」
「良い人材の確保に不利である。」
「騒音は基本的にエネルギーの損失である。騒音が大きいほど、
無駄なエネルギーが多く、耐久性も悪いはずである。従って、騒音が大きいということは、
改善の余地が多く、技術が遅れていることを示す。」
といった理由から騒音は極力減らす努力をすべきである。
騒音対策として代表的なものが、表(下に示す)である。
低騒音機器や騒音防止用機器などが有効であるが、中小工場の現状での導入は難しい。
しかし、こうした対策を取ることによって作業者、周囲ともに騒音が緩和され、
特に作業者にとって快適な作業環境になるのである。
金属製品の最も簡単な製造法の一つとして発生した鋳造では、
複雑な環境対策は、即価格の上昇につながり、現在のような不況では無理である。
安価を期待してるユーザーが環境対策費の上乗せを認める事は望めない。
川口の多くの工場では現在、設備への投資が難しいのである。
クリーンな地場産業にしていくために中小工場に対して、市や県の環境支援が望まれる。
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