第10話「勇士よ、旅立て」<その2>



元四のクロによって、過去の真実が明かされている頃、必勝ボンたちは高野ボンの案内で、神殿内を見学して
いた。

高野ボン「ここが、BBカードを作る所です。」

窓越しから、下の制作場を見下ろす必勝ボン。そこでは、何十人もの神官たちが、カードにビーダエネルギー
注いでいた。

必勝ボン「あ、あれは何をやっているんですかよン?」

パール「あれはね、BBカードに魂を宿しているのよ。」

必勝ボン「た、魂!?・・・カードにも魂があるのかよン!?」

パール「知らなかったの?・・・この世界に存在する全てのBBカードは、自らの意志を持っているの。・・・そ
のおかげで、私たちはカードに宿るパワーを使えるんだから。」


パールの言葉を聞き、おもむろに自分のバトルセットケースからショックウェーブシステムのカードを取り出し、
真剣に見つめる必勝ボン

新人ボン「カードと言えば、この神殿には伝説のレジェンドカードがあると聞いたんですが・・・。」

高野ボン「たしかにありますが、あのカードは強力な力を持っているため、クロ様が大事に保管されている
のです。・・・私も今まで見せてもらったことがありません。」


新人ボン「そうですか・・・。写真でも取れたら、局長にほめられたのになぁ。」

ガックリと肩を落とし、くやしがる新人ボン。だが、すぐに開き直り、背中にかけたバッグから何かを取り出す。

新人ボン「みなさん、そろそろお茶にしませんか?・・・じつはこのお茶、とってもおいしいんですよ!(^ ^)」

営業スマイルをかましながら、「MF」製のお茶の宣伝を始める新人ボン。思わずずっこけてしまうパールたち。

高野ボン「そうですね。・・・それじゃティータイムといきましょうか。(^ ^)」

必勝ボンパール新人ボン「おお〜!!(^▽^)」




舞台は再び元四のクロの部屋。元四のクロが語る、16年前に起こった真実とは・・・?

ゴルボンパールが・・・、王ゴルボンの・・・娘!?」

ナビボン王ゴルボン様のご家族は、あの時に全員亡くなったはずじゃ・・・。」

あまりにとつぜんすぎて、頭の中の整理が追いつかず、ますます混乱してしまうゴルボンたち。

ゴルボン「いきなりそんなこと言われても、全然わかんねーよ!!・・・ちゃんと説明してくれ!!」

興奮するあまり、元四のクロにつかみかかってしまうゴルボン。だが、すぐに我に戻り、あわてて手をはなす。

ゴルボン「・・・教えてくれよ、クロさん。・・・オレが生まれる前に何があったのか・・・何で王ゴルボンが死ん
じまったのかを・・・。」


大きく肩を落とし、うつむくゴルボン。強く握り締めたこぶしがイラ立ちに震える。

元四のクロ「わかっている。・・・そのために、お前たちをこの場に残したのだからな・・・。」

ゴルボンに背を向け、再び日の差す窓辺へと歩いていく元四のクロ

元四のクロ「今こそ話そう・・・。遠い過去の伝説を・・・、お前が生まれる前に起こった悲劇を・・・!」

カッ!!とつぜん、ゴルボンたちのいた広間が、まぶしい光におおわれた。元四のクロに眠る過去の記憶が
ゆっくりと目を覚ましていく・・・。


今から数十年前・・・。この世界に争いが絶えなかったころの話・・・。世界のすべてを見守るビーダの女神は、争
いの根源である邪悪の化身から世界を救うため、ある四人のビーダマンに悪を浄化できる強力な力を与えた。

彼らはその強力な力を使い、世界中に散らばる悪のBBマスター、すなわちDBマスターを次々と倒し、人々に
再び生きる希望を与えた・・・。
やがて彼らはBBマスター四天王と呼ばれるようになり、BBマスターたちの先導者となったのである・・・。

だが、彼らの存在を知った邪悪の化身は、正義の光を根絶やしにするため、総攻撃をかけてきたのだった!!



一面が暗雲におおわれた空。粉々に砕かれた建物の残骸だけが転がる廃虚の街で、たくさんの血と涙が流され
ていた。

次々と倒されていく戦士たち。強大な力を持つ、邪悪の化身によって徐々に追いつめられていく正義の力・・・。

クロ「おのれ・・・、なんという力だ・・・!」

傷だらけで戦場にひざまずく者が一人。黒いマントに身をつつみ、立派なヒゲが印象的な、威厳のある男・・・。
そう、それは若き日の元四のクロであった。

日の出ボン「我らBBマスター四天王の力を持ってしても、まったく刃が立たんとは・・・!」

おやじボン「・・・我々の力では、この世界を救うことすら不可能だというのか・・・。これでは、先に死んでい
った者たちに申し訳が立たん・・・!」


傷ついたクロを支える二人の仲間。すでにたくさんの戦士たちが、この戦いで命を落とし、生き残ったのは彼ら
3人だけであった。

クロ「すまないな、お前たち。・・・リーダーであるこの私がふがいないばかりに、お前たちまで死に巻き込ん
でしまうことになって・・。」


おやじボン「何をおっしゃる、クロ殿!」

日の出ボン「我らBBマスター四天王・・・、死ぬ時は一緒だ!」

自らの死を覚悟し、そっと目を閉じる四天王たち。邪悪の化身が目の前にせまった、その時・・・・!

謎の声「邪悪なる者よ!・・・お前たちにこの世界をわたすわけにはいかない!!」

クロ「・・・!!?」

ズガァッ!! 謎の声が辺りに響き渡った瞬間、天空より放たれた一筋の閃光が、邪悪の化身をつらぬいた!

邪悪の化身「グギャァァァ!!!!・・・お・・・おのれぇぇ!・・・光の者めぇぇ!!」

断末魔を上げながら、チリとなっていく邪悪の化身。閃光はやがてまぶしい光となり、血塗られた戦場をつつみこ
んだ。光がやむと、そこには、雲ひとつない青空が広がっていた。

クロ「これは・・・・・・奇跡か・・・!?」

思わず我が目を疑うクロ。しかし目の前に広がる希望の光景は、まぎれもない事実であった。

おやじボン「・・・あ、あれは!?」

おやじボンの指さす方向に視点を移すクロたち。その指の先には、金色の鎧で身をつつんだ、一人の青年が立
っていた。

金色の青年「・・・・・・・・。(^_^)」

おだやかな笑顔でクロたちにほほ笑みかける青年。そんな彼のビーダマには、光り輝く紋章が浮き出ていた。


――――そう、これこそが王ゴルボン、降臨の瞬間であった・・・。


ゴルボン「い、今の映像は・・・・!?」

過去の出来事を映し出していた光がやみ、ゴルボンたちの周りが、再び広間の景色へと戻った。

元四のクロ「今の映像は、私のビーダマから発せられた過去の記憶。・・・王ゴルボンが人々から「王」と崇
められる原因ともなった出来事だ・・・。」


カッ!!再び元四のクロのビーダマからまぶしい光が発せられた。

元四のクロ「それから十数年後に・・・・・・悲劇は起こったのだ・・・。」


ドゴォォォォォォォォォォ!!!!

はげしい力のぶつかり合いで、王ゴルボンの聖なる城がドンドン崩れていく・・・。

DBマスター「ククク!!・・・老いたな、王ゴルボンよ!今のキサマには、余を倒すだけの力もあるまい!」

王ゴルボンをののしるDBマスター。笑い声とともに黒い瘴気が広がっていく。

王ゴルボン「だ、だまれ!!・・・世界中の人々のために・・・命に代えてもキサマを倒す!!」

傷つきながらも、プラネットエンブレムの力で黒い瘴気を抑え込む王ゴルボン。しかし、その力には、以前に邪
悪の化身を倒した時ほどの勢いはなかった。

元四のクロ王ゴルボンよ!・・・私も戦うぞ!!」

強烈なビーダエネルギーをまとう王ゴルボンに、歩み寄ろうとする元四のクロ。その手には、愛らしい顔で眠る
赤ん坊が抱かれていた。

王ゴルボン「・・・・・・・。」

哀しげな瞳で、元四のクロが抱く赤ん坊を見つめる王ゴルボン。その直後、元四のクロに向かって1枚のカード
を投げた。そのカードには格納庫の名が・・・!

元四のクロ「な、何をする!?・・王ゴルボン!!」

王ゴルボン(・・・すまない、クロ殿。・・・今ここであなたを死なせるわけにはいかないのです。)

戦いの最中だというのに、元四のクロにほほ笑みかける王ゴルボンの目は、とても穏やかであった。

王ゴルボン(私の子を・・・そして、やがて生まれ来る未来のBBマスターたちを・・・「正義」の道へと導いて
あげて下さい・・・。)


王ゴルボンがそっと手をかざすと、元四のクロに貼りついたカードが、光の球体となり宙に浮いた。

王ゴルボン「アシスト!「きんきゅうだっしゅつ」!!」

王ゴルボンが叫んだ瞬間、元四のクロをつつんだ光の球体が、ものすごい速さで城の外へ飛び出した!

元四のクロ「王ゴルボォォォォォォォォォンッ!!!!」

悲痛の叫びを上げる元四のクロ。その瞬間、真っ赤な空をおおい隠すほどの大爆発が起こり、王ゴルボンの城
はあとかたもなく消え去った。

元四のクロ王・・・ゴル・・・・ボ・・・・ン・・・・。」

戦友を守ることさえできなかったことに、なげき悲しむ元四のクロ。ほおを伝って流れ落ちる涙の先には、親を失
った悲しみさえ理解できないほどの小っちゃな赤ん坊が、無邪気に笑っていた・・・・・・。


ゴルボン「・・・・・・・・・・。」

いつのまにか、ゴルボンの目から涙が流れていた。涙のしずくがほおを伝い、地面へと流れ落ちる。

元四のクロ「・・・私は・・・・・・王ゴルボンを・・・戦友を守ることすらできなかった・・・。ゆいいつ救い出せたの
が、彼の子供であるパールだけだった・・・。」


悲しそうな顔で遠くを見つめる元四のクロ。瞳を閉じ、悔やみきれない想いをグッとガマンする。

ナビボン「でも・・・王ゴルボン様のお子さんって、たしか双子の兄妹だったんじゃ・・・・。」

元四のクロ「・・・ああ。だが、もう一人の子は、王ゴルボンの妻のプラチナ王妃と一緒だったからな・・・。
あの時、死んでしまったのだろう」


元四のクロは一言そう言い放つと、キリッと表情を変え、うつむきながら泣き続けるゴルボンの肩に手を乗せた。

元四のクロ「わかるな、ゴルボン。・・・お前の流す、その涙の意味が・・・。あの時のような悲劇は・・・二度と
繰り返してはならないのだ・・・。」


ゴルボン「・・・・・・そのために・・・、オレは生まれた・・・・。」

ゴルボンの問いに、元四のクロは無言でうなずき、壁ぎわにある大きな暖炉にゆっくり歩いていった。

元四のクロ「・・・ついてきなさい、ゴルボン。・・・お前にわたしたい物がある。」

元四のクロビーダエネルギーを帯びた手で、暖炉に彫られた「B」の紋章にふれた瞬間、大きな音を立てなが
ら暖炉が中央から二つに割れ、中から秘密の部屋に続く階段があらわれた。

ナビボン「か・・・隠し部屋!?」

元四のクロ「この部屋は、やがて来る王ゴルボンの後継者にわたす、「ある物」を守るために作ったものだ。
・・・さあ、ついてきなさい。」


元四のクロに案内されながら、秘密の隠し部屋に入っていくゴルボンたち。奥に進むと、そこには暗闇で青白い
小さな光を放つ水晶でできた、大きな広間が広がっていた。

ゴルボン「こ、これは・・・、まるで「試練の洞窟」みたいだ・・・。」

元四のクロ「さあ・・・こっちだ、ゴルボン・・・。」

元四のクロに呼ばれ、広間の中央に歩み寄るゴルボン。そこには水晶でできた豪華な台座の上で、1枚のカー
ドが光り輝いていた。

ゴルボン「こ・・・このカードは・・・!!!」

ナビボンレジェンドカード!!!!

レジェンドカードの光に魅せられるゴルボンたち。カードに秘められた強大な力がビリビリと伝わってくる。

元四のクロ「このカードは16年間もの間、主が自らの足でこの地にあらわれるのを待っていたのだ。・・・・お
前の「正義」の意志が本物なら、このカードを手に取るがいい。」


ゴルボン「・・・・・・。」

息を飲みながら、ゆっくりとレジェンドカードにふれるゴルボン。その瞬間、レジェンドカードから、やわらかい光
が放たれ、ゴルボンをやさしくつつみこんだ。

ゴルボン(あ・・・あたたかい・・・。体の奥底から、力が湧き上がってくる感じだ・・・。)

元四のクロ「・・・どうやら、レジェンドカードはお前を主と認めたようだな・・・。」

やさしくほほ笑みながら、ゴルボンの肩に手を乗せる元四のクロ

元四のクロレジェンドカードは使い方次第で正義の力にも、悪の力にもなる。・・・正しき道に使い、この世
界を悪の力から救ってくれ。」


ゴルボン「・・・・はいっ!!」

元四のクロの切なる願いに、勇ましい返事で応えるゴルボン。その時・・・!

ドガアァァァァァァァァァンッ!!!!

強烈な爆発音が鳴り響き、神殿内がはげしく揺れ動く。

元四のクロ「ば、爆発音だと!?・・・いったい何事だ!?」

ナビボン「・・・く、クロ様!あそこ・・・!!」

おどろき顔で隠し部屋の入り口を指さすナビボン。そこには、爆発でふき飛ばされ粉々になった入り口と、ひとつ
の人影があった。

????「くくく・・・。こんな所に隠し部屋があったとはな。どおりで見つからないはずだ・・・。」

ゴルボン「お・・・お前はっ!!」

隠し部屋の入り口を吹き飛ばし、ゴルボンたちの前にあらわれた謎の人物の正体は!?

To be Continued



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