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作品
 
短詩3

 

風の紳士と酔う古本屋の炬燵
雪の降りはじめブリキの音がする
木彫と湯のたぎる擱筆
あっぱれ猫の天気予報でした
死後あらわれた寄せ木細工の伯父
月下古書ですか咳をして
カクテルの背後水の惑星浮沈する
紙風船ぷっくり麦の芽です
全身でやってくる海の先端である
一本の水の始まり沖縄の戦後
名もなく夕闇の柿となる
すかんぴんすってんころん円の中
怪大無限黄昏風船
この国のうらがわひらめねんぶつ
栗ならべるひとときの宇宙(そら)
虹へ帰る少年のジャングルジム
食卓の絵本白い良夜
じいさんの帰りしな雨の一人言
どどんと花火かっこむ鰻丼
水たまりの墓がある
幻と濡れる旅人の宿である
酒を呑む海底山脈の賭博師
ながあめ墓場の一角貸本屋
虹をゆく梅雨明けの蛇
川の音なにか用かい水羊羹
雨の味さいあいさつの傘
別れの日立っていたひとかかえのバナナ
ひぃふぅみぃやっとそろった御新香家族
月のサーカス流星クラリネット
マフラーのココア月光密造者
雨音の孤舟の酒はこぼれゆく
母は里山かすれゆく花曇り
核実験あほんだらはらわたの拳
TVではキノコ雲じいさんの錐がある
ややあって酒とささやきのらんぷ
古い呼吸音水の花びら
今も死んでゆく戦場のはらわた
夕焼け滑り台無限少女
雨の一日真顔の墓がある
白い月夜ふりそそぐ窓の手
にんげんけっかんどらむかん
そら全部赤ちゃんの海
走る人透明すぎる春隣
ぜんまいせんせいいかせんべい
原稿一途の黄色い部屋がある
体内一つの架空が棲んでいる
果てなきおでんの穴音がする
文学は落ちゆく帰り花の宇宙
ごゆっくりどうぞ闇を折りたたむ
人の逝く無力の酒がありました
9.11の空ふりかかるからっぽの墓
子殺し親殺しのニュース爪を切る
5年目の9.11ふりかかるそらの墓
こぼれた夕焼けの国境を渡る
星とからまる水色の自殺
すててこと、てぽどんぽとん
ココ孤島コトバノコンパス
くうふくの空を喰う鰹節がある
湧き上がる少年の雲三角ベース
文庫本と草餅のある枕です
少年のうらがわ夜汽車です
泡立つキャンパス歩き出した魚
小指割れていた糸姫のほつれ
猫しのび足つかまえた虹のひといろ
銀河ヒトデといる樹海のクリスマス
灯のほのか開かれた絵本の海鳴り
結晶となった漫画家の「黄色い涙」
象のゆめ月と消えゆく温め酒
みずみずしい光の中秋刀魚の矢印
雪明かりいつもの案山子とたおれてる
褌と語るにほんのてんまつ
カレンダーめくるひっかかっていた残暑
「たべられません」遺体の保冷剤
星空もどるシーソーの未来
紙屑からっぽ死のぬくもりがあった
山道を走る産まれゆく虹がある
風景を戻りたくなる蟻のみち
天井がより高くなる手術の時間
くさかんむり化けて出る花の下
こわれゆく家具植物の視線
じっと掌と酔う酒となる
月ほそりゆく葉ざくらの旅路
枯葉のかたちとなるココアの銀河
書き順を戻ってみる漢字の缶詰
津津浦浦の格子戸開ける夢現
なまえなくした合鍵のかたち
よこたわる物語紙飛行機とゆく
戦後六十年総毛立つ全身の階段
少年の手話とまどう指先の声
あったかい卵といる雪夜のハーモニカ
「普通」が崩れゆくおどり大根
時間の窓白くなるふりだしの夜行電車
雲路ひとときもみじの仄か
こぼれた星屑焼鳥ぶるうす
或夜半葡萄酒の人魚と出会う 
戦争終わらない体内の拳
雨だれ少年水晶の笛がある
大の字の季節両手両足の大空
皇軍消えゆく虹の兵士
裾の先から蛍集まる薄着冴え
朝の扉たからかな下駄の空
夜の音生まれた星がありました
月欠けゆく体内のみずうみ
長い廊下ふくらみゆく癌手術
風の古本屋六法全書眠ってる 
花びら、らららの子供てのひらの月
夜と酔いしれ星のポストがありました
夕焼けの翼あの日真っ赤な紙芝居
空のかたまり体内らんぷテロリスト
陽だまりの春眠くじらがおりました
月水面満開桜影が往く
てのひらの夜回転はじめる花地獄
桜の木の下で笑ってる花びらの子供
くいっと夜を揚げくじら千里眼
うずくまる部屋墓の雨重くなる 
墓の上から起つ雲といる
しらふの背中湯豆腐丸くなる
束ねた手紙ていねいな輪ゴムの歳月
早朝の川面浮き立つ額縁心中
音の裏側へ立っていた夜明け前
こぼれあふれおぼれ征く花びらの世紀
テロの朝天秤棒立っている
一枚の夜めくる雨音めざめる
こわれゆく体止まらぬ案山子
あの日手作りロケットは夕焼けでした 
樹皮の闇毟る畦の声
首喰う魚雪の人肉祭
濡れゆく路上唄声くびれる
酔い闇よよよ古本の肌ざわり
かすれゆく水の影がある
やわらかいマシン落葉のつくりかた
夜のかたまりカフェのしずく
すっとてのひら形のよい蛍光燈
つかまえた秋風やぶりすててみる
かかえた膝までくずれゆく満月
あの日焼鳥喰ったヤスリの音
卵の中両手でネコゴコロ
あたたかい書物西陽のマント
拳の顔面胃袋の骨がある
カサブタうまかった野宿の車輪
茶の間ひろびろと点がある
筆入れぱかっとまるでうす
どんぶりをさかさのさかなで
んから始まるアンケートがありました
つるんと立っている蝉穴の人 
ヒトヒトリコドクコブタベル
体の真ん中水の名前を付ける
ほらてのひらのびわ里山きらら
ゆるやかるや人力車雲下り
トイレットペーパーかかえドカ丸の唄
雨ふるるすいっと無音
瞳サンノ電車道ラッパラムネ
星のアイス風まくらんらん
ガラモンガラガラカイガラモンド
しっぽりと雨期の棒へ入る 
いちごはどのここのこはまいご
片手で赤ン坊両手で辛抱
ひとり言葉の卵ですギターの夜
積木の音ふる雪ふみしめるギター
自殺する朝水たまりと出会う
戦争の空ぶらさがる日本
きざまれた煙はがしてみる
術後・臓器ピンク色姉サンノキレイ
自殺サイトの戦争論真白な虹
街灯の中ふわりと列車(みらい)がやってくる 
旅の空ゆく虹のはるかを抱き締める
皺・林立する私の顔
白い頃ここで産まれた午後の時間
地球ひとのみ真赤なシーソー
立方体正しく戻る不在の理由
しっぽり螺旋しぼりの水姿
旅ゆく道すがら少年の雲ヒゲがある
こわれた頭のまま食べちゃった地球
雲のゆくそそっとトンボひららっぽ
昨日ひどく冷たい来訪者右手から眠る
ふっくらした灯あなたの文字立ち上がる
北・かの国をそっと地図からはがしてみる
囲炉裏と眠る昭和のぬけがら
びっしり戦争詰まってる部屋ふくらむ
ボタンありがとうレモンティの再会
鈴音の朝骨壺あったかい
空いまから行こうと落ちてゆく人
乱立する雨音窓際のホットティです
なぜだか重く女の酒は黒くなる
柱かたむいたまま生きてる
止まっている体内の墓場がある
あぐらまたぐら皮膚負けゆく冬
らんぷほころぶ横顔天使
人の丸を感じるかすれゆく唄声
星をながめている枯れてゆく顔
そっとはがしてゆく鏡の生活
しずくの中タツノオトシゴ飲んでみる
冷たい雨粒だらけの鏡つかみとる
あの日から生きてる墓の犬
一枚はがれゆくささくれた孤独こおりつく
冬はじまる太陽棲む所ころころほころぶ
片腕の扉開けると翼ひろげる人々
しととの白あしおとやいば
しずく生まれゆく力てのひらの夜
すっと止まってる海の顔と出会う
はじまる確かな地平線の手触り枕の下
けんけんするズルッペの橋の影
全体重肩組んでいた居酒屋の茄子焼
眠れぬ夜アスパラガス抱いていた
眠っているほつれゆくまま体こわれる 
風の上の音つつんだてのひらひらく
石あたためるどうやら生きてる
夜独り描く沈黙の断面図
口の中階段から入ってゆくあいさつです
涙集め一人言かかえてる終電車
空の蓋こじあける骨立の人
真上から風を両腕でかかえる
生命ノバシテ灯トモス穴ノシワ
世界同時武装解除てんこもり廃墟の夕焼け
大股の地下鉄です今日の物語
このままそっと歩こう雨のはじまり
花びらまわりから右時間
そらの墓抱きしめる旅人かすれゆく
束ねた風の形らららっと氷河期の声
風をうしろから見る
落ちゆくつらら顔全開のひとりごと
徹夜明けトイレットペーパーあったかい
或訃報すすりあげる御玉杓子食べる夜
墓参りする虫の群音を喰う
本閉じる夜の端から戻ってくる
さよなら海の眼球大きな真夜中
人とヒト雨粒の間立ってる
祭りの夜肉体の駅ですリズムの花
目閉じる水飲みたかった夜です
たっぷり時間のある雪の中の笑顔
街角ロボットのいる情熱の夜
月の生命包んでる虹色の卵時間
あったかい墓のニオイでした
ガッと"ガ"が立ち上がる夜中米国テロを知る
其本と眠るセピア色の木漏日です
断景 両手の生活が消えてゆく病窓
薬ばかり毎日の火山あそび
ぶったおれた脳波のままです便所の音
夜の袋です真赤な顔して始まるトロンボーン
彼死んでゆく原爆ドーム雨おもい
ね色、あなたのらおん
身すがらからりかすれの鼓動
何処かていねいな小雨の葉音
ピンッと酔ってる星空です
或人の死枯葉ひらく音でした
さらばの真ん中蹴り上げるいわし雲
「今から自殺する」大和魂の袋
あわい樹木の日砂時計の日本人
顔やぶれた写真の冷蔵庫日記
骨まるくなるよりそうバケツの影
永遠の水たまり紙飛行機の音
花のまだかすれゆく草たけ
見上げると一人じっとしてる空の子供
或日雲のはざまの枯れゆく人
雨上がりの傘の中ほんとまんまる
闇夜のストーブかかえ上げて生きる
腕時計はずしながら消えてゆく
部屋のまるい所父と母がいる
「やあ」陽だまりの背中です