昨年の夏に能登でバイガイを買って、そのおいしさに目覚めた。
なかなか高い貝なので、そう簡単には手が出ないのだけれども、この日は週末さかな屋で、少し安くしてくれたので、買ってみた。
店では単にバイガイと呼んでいたが、正確な名前は何だろう。
いつもの辞典で繰ってみると、どっやらエッチュウバイと言うらしい。
エッチュウは越中で、ここらで獲れるバイガイなのだろう。
200〜500mの海のすんでいるらしい。
結構、深いところに生息している。
モサエビ(ガスエビ)などと生息域がかぶる。
旬は冬なので、ちょうどいい時期なのだ。
本やインターネットなどで調べてみると、少し気になる記述がある。
エゾバイのなかまは、毒を持つというのである。
その毒はテトラミンというもので、貝の唾液腺に含まれる。
毒もなんだが、貝に唾液腺なんかがあることに感心する。
被毒時の症状は、酔ったようになり、めまいや頭痛などがあるらしい。
少量の貝を食べたくらいで死ぬことはないようだが、毒があるなら取り除く必要がある。
エッチュウバイの毒の有無について、直接の記述はない。
しかし、エッチュウバイはエゾバイ科に属するらしく、毒を持っていても不思議ではない。
調理時には気をつけよう。
乱暴にも、出刃包丁の背をガンガン打ち付けて殻を壊し、身を引っ張り出す。
お尻の内臓は取り除き、身だけにする。
貝のフタを下にして、縦に二分するように包丁を入れる。
その左右それぞれに白っぽい器官が見える。
これが唾液腺のようである。
これを手で取り除いてやる。
あとはよく水洗いをし、フタも切り離してやった。
一口大に身をぶつ切りにして、刺身の完成である。
本当は、ヌメリ取りのために、塩もみするといいらしい。
次回は、ぜひやっておきたい。
貝類は熱を入れてやっても美味しいものだ。
そこで、ぶつ切りの一部をフライパンに入れでバターでソテーした。
いわゆるバター焼である。
刺身は、身の甘みをたっぷり味わうことができる。
舌に乗せるだけで、その甘みが感じられるほどだ。
噛んでいくと、少し磯の香が感じられる。
バター焼は、バターの風味でこくが加わる。
バターの塩気に相対して、甘みがほどよく強調される。
調理された一品である。
note.
2012/2/1:初版
ref.
「魚の目利き食通辞典」講談社編(講談社)2002/3/20
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑
:名前や生態に関する調査に利用しました。
滋賀県 食の安全情報
:「バイ貝によるテトラミン食中毒の予防」コンテンツ。唾液腺除去の情報を参考にしました。
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