なぜ、バカガイというのか。
本によると、口をあけてアシをだらりと出している姿が馬鹿そうだから名づけられたとなっていた。
美味しさを連想させない命名である。
果たして、そのお味はどうなのだろうか。
今回は三重県の海岸で捕獲された新鮮なバカガイをご近所の方からいただいた。
獲れ立てなので丸ごと食べられそうである。
通常は傷むのが早く、アシの部分や小柱(貝柱)部分だけで売られていることが多いようだ。
調理に取り掛かるが、どうすればよいのかわからない。
いろいろ調べてみると、塩茹でして、かき混ぜるように水洗いして砂出しをするようである。
愚直にこれを試してみた。
沸騰した湯に貝を投入する。
茹でるとアクとともに大量の砂がでてきた。
貝が開いたところで身をザルに取る。
そして、水を張ったボールの中でザルごとぐるぐる左回転させる。
理由はよく分からないが、左回りであることがミソであるようだ。
すると、砂が出てくるのである。
遠心分離機の原理だろうか。
だとすると、左回りである必然性はないように思うが、よく分からない。
これを繰り返すのだけれども、何度やっても砂がなくならない。
20分くらい奮闘し、ここで試しに食べてみる。
生姜醤油でパクリ。
味はいい。
アシの付け根の辺りがとても甘いようだ。
新鮮だからだろうか。
身もふっくらした美味しい貝である。
しかし、口の中で広がるのは貝の甘みだけではなかった。
残っている砂が、口中でそこはかとないじゃりじゃり感をかもし出す。
せっかくの味を害している。
砂出しが足りないのだ。
今度は、袋状の身を裏返しにして中を丁寧に水洗いし、砂出しする。
エラ状の組織が砂をかんでいて、なかなか取れてこない。
また、排水管にも多くの砂が溜まっている。
これは割って砂を出すのがよいようだ。
この作業をひとつずつ繰り返す。
非常に気の遠くなる作業である。
量が多いと途中でいやになる。
だから、大きい貝だけを選って作業することがよいようだ。
それでも、ときどき砂があることがあるので、注意が必要だ。
食べられるまでには非常に手間がかかるものの、味はすこぶるよい。
茹で過ぎは味を落とすようなので、注意が必要だ。
note.
2009/5/1:初版
ref.
「魚の目利き食通辞典」講談社編(講談社)2002/3/20
「日本一うまい魚の食べ方」生田與克著(中経出版)2005/12/8
三洋休憩所
:三重県の海の家。バカガイの砂出し情報の記載を参照した。
Copyright(c) BOO総研J All Rights Reserved.