君がペット?

 

 

 

 

 

「柚木ー!?どこ行ったーー!?」

 

 

 

 

 

音無の声が天津の耳と屋上に豪快に響いた。

天津は耳を押さえてゴロゴロした。

 

よほど鼓膜にきたらしい。

 

 

「あ!天津!柚木知らない!?

あいつただの立ち話だったのに私が湯山と話したのに腹たてて人のバッグ持って逃げてさ〜!」

 

 

「音無〜俺の鼓膜を殺す気だったじゃろ〜?耳痛い〜〜。」

 

 

天津はゴロゴロしながら言った。

音無はあ、と声をあげて寝てる天津に近づき覗きこんだ。

 

 

「あ、ゴメン、腹たってて気づかなかった〜。平気?」

 

「平気じゃない〜〜」

 

 

天津は起き上がり胡座をかいて耳を押さえていた。

音無は人より肺活量があり、腹式呼吸で話す。

神乃声ほどではないが人よりよほど声が凶器になる場合があるのだ。

 

おまけに天津はアルビノで極端に体が弱い。

 

音無が本格的に動揺し始めた。

 

 

 

「え!?ど、どうしよう耳鼻科行く?」

 

「耳から血が出てるかも…」

 

「嘘…ちょ、ちょっと見せて…

 

 

音無が耳を見ようと近づくと、天津がにんまり人懐っこく笑う、

音無は天津の意図に気づき逃げようと体の向きを変るが、音無の脇からニョッと手が出て音無を閉じこめた。

そのまま引き込まれ座り込んでしまった音無は天津の中にすっぽり収まってしまった。

 

 

 

「あーまーつー!!??」

 

 

 

半ギレの音無を前にしても天津は笑顔を崩さない。

可愛らしい笑顔を見せた。

 

 

「音無は笑っとったほうが可愛いぞー」

 

 

邪気や裏がない天津の笑顔に音無はため息をついた。

 

 

「あんたは本当マイペースねー。」

 

 

 

腕の中から大人しく見上げる音無に天津はにこにこしながら笑った。

 

 

「俺は自分のペースやないと落ち着かんのじゃー。」

 

 

天津らしい考え方というかなんというか…

 

 

 

音無はぼーと遠くを見ていた。

天津の腕の中は温かく、空が遠くに見えた。

 

 

腕の中から心臓の音が決まった感覚で聞こえた。

遅くも、早くもなく、動揺していたのが自分だけだとわかり、なんだかむなしかった。

 

天津の温かい腕の中にいると睡魔に襲われる、睡眠時間が少ない音無にはあまりにも甘い誘いだ。

だからこそ彼にはつかまりたくなかったのだが…

 

 

 

「天津、そろそろ離して。……天津?天津?………嘘でしょー……」

 

 

 

音無は頭を抱えた。

どうやら温かさで睡魔に襲われたのは音無だけではなかったらしい。

 

 

「すぴー」

 

 

天津は完璧夢の中に入ってしまっていた。

 

 

「やだ!こいつ寝てるのに手が堅い!」

 

 

自分を捕まえている天津の腕を引っ張るが、寝てるとはいえ天津の腕力に戦いは逃げ専門の音無の腕力ではかなわなかった。

天津に怒鳴ろうと音無が後ろを向く。

 

 

「天津起き…て…」

 

天津を起こそうとした音無の手と声が止まる。

あまりにも穏やかに寝る天津を起こすのを躊躇してしまったのだ。

 

音無はまた前を向きため息をつくと天津にもたれかかる。

 

自分や友人の女子とは違う大きな体にドキドキした。

 

天津と密着する背中が熱い。

 

 

 

「人の気も知らないで…馬鹿天津…」

 

 

 

そのまま音無も静かに目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柚木もまた屋上に来た。

音無をまいて逃げてきて、困ってる音無を想像しながら屋上で勝利の一服しようと思ったのだ。

 

 

しかし来てみたら自分が嫌がらせしてやった相手が幸せそうに男と寝こけているではないか。

腹が立ったとのと同時に面白い事を考えた。

 

 

「い〜おもちゃ見つけた〜〜♪」

 

 

 

柚木の目がキラリと光った。

昼休みの鐘の音で音無は目が覚めた。

そろそろ人も昼ご飯のため屋上に来始める頃だ。

 

 

「天津、そろそろ起きなさい…ん?」

 

 

天津を起こそうとした音無は自分の左手に違和感があることに気づいた。

そして、天津の首にも…

 

 

 

 

 

 

「ん〜音無おはようさんじゃ〜!顔青いぞ〜!…ん?俺首輪なんぞしとったかのー?

 

 

 

 

天津自分の首についてる首輪を軽く触る。

かなりごつめの鎖がついていた。

それをたどると音無の左手についた手錠にたどりつく。

 

 

 

 

「音無、そういう趣味あるんか〜?」

 

 

「ち、違うわよ!起きたらついてて…!」

 

「こんなんつけなくても、俺今日ちゃんと放送するのに〜(にへら)」

 

「だから違うんだってば!」

 

「ははは!知り合いのDJ制作の強固な首輪に狼狽えやがれ音無ー!!」

 

 

 

給水タンクの上からさっそうと柚木が降りてきた。

音無が今の状況を把握し、柚木を睨みつけた。

 

 

「柚木〜〜!!??」

 

「それいいだろー?知り合いの恐ろしいほど強固な銀を操るDJに

柚木様が特注した君ペセット。本当はあたしと狂介様用だったけど、謹んで提供してあげるわ。」

 

 

 

柚木はいい顔で言った。

 

 

「心底遠慮だー!?…え!?鍵付き!?鍵よこしなさいー!」

 

「いや最初から解除用の鍵なんてつける気なかったし。一生狂介様に繋がれたかったから☆

 

柚木が頬を赤らめる。

 

 

「柚木はきょーちゃん想いじゃな〜!!」

 

 

 

天津はハハハと笑った。

音無は呑気な天津の襟を掴みガタガタとふりまわした。

 

 

「馬鹿ー!こんなんつけられてそれが最初のコメントかー!?」

 

「馬鹿じゃないんじゃー!!」

 

「怒るとこ違うんじゃー!…柚木!」

 

 

 

音無は柚木に殴りかかろうとした。が、

 

 

「ぐぇ〜〜!音無〜苦しいんじゃ〜!」

 

 

天津の首輪で音無の動きが止まる。

 

 

「バッグは返してやるよ!あははー!音無よく似合うぞー!じゃあな!ハマんなよ!

 

 

 

柚木は嬉しそうな軽い足取りで屋上を後にする。

 

「音無ーそろそろ放送しにいかないとあかんのじゃ〜。」

 

「嫌よ!こんな姿みんなに見られるくらいなら憤死してやるわ!

今、間宮に連絡してるから待ちなさい!あーもう柚木めー!」

 

「…今日、女の子と会う約束あるんじゃけどこれじゃえっちもできんなー…音無もまざるかー?」

 

 

 

 

 

「死んでも3Pなんかにまざんないわー!あーもう柚木めー!」

 

 

 

 

強固な君ペセットははたしてとれるのか!?

頑張れ音無!天津はやる気ゼロだ!!

どうなるかはその場の作者のノリで決まるぞ!

 

 

「なんでだー!!??」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

いっぱいいっぱいですな。

あぁ、悶える。

近々シリアス書きたいです。