我等ニ幸アレ
梅雨の湿気はどこへやら。
既に気温は軽く日本人の平均体温を越え
+αで要らない湿度も上がり日本人の不快指数をご丁寧に上げている。
そんな中
ココに更なる不愉快さを讃えた少女とその原因の少年がワンセット
「プールに落とすなんて、ホンッと愚か者よね、くまたん。」
「う、うるせいやい。」
グルグルとプールサイドを歩き回っている所を見ると
どうやら何か探しモノをしているようです。
ジリジリと照りつける太陽、本当なら木陰に入って涼みたい所だが
落としたのがプールの中ということでそれも叶わない。
「で、何を落としたのよ。」
「・・・・・・ピック。」
「一人で探せ。」
「ちょちょちょ!頼むよホントこの通り!!」
腕を掴んでヘコヘコとお辞儀する姿をみたら
彼のファンクラブの方々はどう思われるか。
想像するに楽しげである。
「それに何でこの神の申し子たる私なわけ?」
「一番暇してるから。」
「電波でなくて体に激有害な何かをあんたに光臨させてやるわよ。」
「わぁー、勘弁勘弁!!」
グルグルと回って覗き込んで見るが、水面がキラキラと光って探すのを邪魔する。
ああ、普通だったらプールは好きだが今は途方もない嫌味な水の塊。
「無理ね。諦めなさい。」
「んなこと言うなよ〜;;」
「うっさいわね!今日も天啓を承るのに忙しいのよ!
邪魔するヤツは破滅の音を聴かせてやるわよ〜!!」
「おわぁー――――!!」
ドン。
身構えのつもりで前に出した手は
不本意ながらも攻撃になってしまったわけで
「! ! ! ! !」
どっぱあああぁぁぁん!
軽やかに水へ落ちていた。
「り、凛!!」
大きくそそり立った水飛沫はバシャバシャと崩れ
プールサイドを濡らしていった。
そして再び水面は静寂を取り戻す。
「・・・りーん?おーぃ・・・」
返事はなかった。
「凛、じょーだん止めろよ!オイ・・・凛・・・」
代わりにかえってきたのは絶大な焦り。
「お、オレ、明日朝刊TOP飾っちゃう・・・?」
『高校生男子、友人生徒をプールで殺害』
『ストレスか、はたまたイジメに対する報復か』
『無抵抗の生徒を突き落とした男子生徒の心情やいかに』
頭に次々と後ろ向きな見出しが沸いて来る。
「・・・嫌過ぎる!!凛!返事しろオイ凛ー―――!!」
「うっさいわね!聞こえてるわよ!!」
ザパァと水面から顔を出した。
「おまっ・・・出て来ないから;」
ヘタヘタとしゃがみ込む(ヤンキー仕様)心底ビビったようだ。
「落ちたのは正直ビックリしたけど・・・ほら。」
水の中から差し出した手のひらには、小さなピックがキラリと光っていた。
「マジで!サンキュー凛♪」
嬉々として手を伸ばす。
が、届かない。
「・・・もしもし、凛さん?」
「・・・タダで渡すとでも思ったかー―――!!」
一声、その腕を掴んで思いっきり引っ張る。
運悪くバランスは前に倒れ、顔面から水の縄張りへと落ちる羽目になった。
「ぷは!何すんだよ!!」
「アタシだけ落ちたら不公平との天啓が!」
「んなアホな!」
「突き落としといて文句は言わせないわよ〜?」
不満は解消されたらしい。
「きぃもち〜〜〜vv」
「確かにー・・・」
空は青く
雲はソコにくっきりと白く
蝉の声高らかに
程よい風
「夏ねー・・・」
「そーだなー・・・」
「ねぇ・・・」
「んー・・・?」
「服、どーしよう・・・」
「・・・・・・・・・・」
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青い春って事で/笑