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「尾道」の名の由来は「山の尾の道」だという。山裾に貼りつくようにして寺社と民家がある。 |
| 玉の岩は千光寺境内にある巨岩である。 いまはてっぺんに電灯が載るが、上古にはここに光る石があったという。現在も直径19センチの玉が填められていた痕跡があるらしいが、岩があまりに高く、見ることはできない。 この穴に填められた岩の光が夜になると鏡岩に反射し、海を照らして島を行き交う船の安全を見守っていたというから、こうなるともう古代の灯台である。 その岩に目を付けた遠い国の船乗り達。この岩を譲ってくれと住職に頼み込んだ。もちろん住職が首を縦に振るわけがない。 曰く、「この岩と玉は、海と船の安全を見守ってここに立っていなさる神様の岩じゃ。誰にも渡すことはできん。」 あきらめきれなかった船乗り達、夜になるとせめて上の玉だけでもと密かに玉を切り取り、船へ載せて国へ帰ろうとした。 しかしあまりにも急いだもので、玉は海へ転げ落ち、沈んでしまった。 その海が沈んだところが玉の浦というわけだ |
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| 千光寺境内の玉の岩。 |
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尾道には以前から「鏡岩」の伝説があった。 それは、千光寺に鏡岩という岩があって、その岩は玉の岩の光を反射し、海を照らすというものだった。また、冬至の日、昇る太陽の光は鏡岩に当たって西国寺のタンク岩を照らすと言われてきた。しかし、その鏡岩がどこにあるのか、2000年まで全くわかっていなかった。 ところが2000年、千光寺客殿裏の岩山にある松が枯れたため、それを取り除いてみると、そこに円く磨かれた岩が発見された。 高さ7mの位置に、直径2mの円形が見える。 これが伝説の鏡岩である。(鏡岩発見についてはこちらを参照) ついに鏡岩の存在が明らかになった。 この岩は麓からでも浄土寺山や西国寺山からでもよく見える位置にある。 これが尾道を照らしていたのであろうか。 |
| 鏡岩 |
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では、いったい何の目的でどうやってこんな場所に「鏡岩」をつくったのであろうか。 |
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そうやって玉の岩の光が当たる場所が 伝説通りタンク岩だとすれば・・・・。 これは太陽崇拝と言った面から考えて、大いに興味深いことだ。 タンク岩は、千光寺山をご神体として拝んでいた 拝殿ではないかと考えられる。 ここには不思議な線刻が多くある。 これらの線刻も何らかの意味を持つものではないだろうか。 ただ、冬至の朝日については実際に検証をしてみなければ わからない。 もしこれが本当だとすると、 岩屋山から昇った朝日は千光寺を照らし、 それがさらにタンク岩に当たるということになる。 何か壮大な「光ネットワーク」のようなものを思わせる光景だ。 |
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| タンク岩から見た鏡岩。 | |
| 「光ネットワーク」説を唱えるのは、実はもうひとつの「光る石」の存在を知ったためである。 その石があるのは尾道から海を隔てた向島、向東町の歌という場所である。 歌の竜王山に次のような伝説が残っている。 その昔、向東町歌にある竜王山の頂上に玉の岩があって、夜になると海上数里を照らし、沖ゆく船の灯台の役目をしていたそうです。 昼間山頂に登ってみると、一尺五寸ほどの四角石があり、その中心のくぼみに玉があったと伝えられております。 この玉に雨降りを祈ると、必ず降雨があると言われました。ひでり年に水田の水が不足すると、地元の人々が協議して、ここで雨ごいの共同祈願を行っておりました。 いつのころか、盗人がこの霊光の岩を掘り出して小舟に積み、竜王山の下からこぎ出しました。しかし、大いその海岸まで来ると、岩は突然海の中へ滑り落ちてしまいました。 山頂に霊光の玉が亡くなった竜王山では、ここで雨ごいの祈願をしても、以前ほどの霊験がなくなったと言われます。 「歌島の昔話・民謡」歌島郷土研究会 1999 |
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| 尾道の玉の岩の話とよく似ている。興味深いのは、ここでも夜海を照らしていたという点、やはり玉は海に落ちてしまったという点、そしてこの玉があったのが竜王山であるという点である。 | |
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| 歌の竜王山【右下】と千光寺【左上】 | |
| 「龍が守る尾道と江戸の龍」(小林將利・「龍の国・尾道」展図録に収録 2000)によると、 「オノミチの中央にある大宝山にも、明らかに少し加工された巨大な岩の真上を穿ち、直径19センチの玉が填められていた痕跡がある。この玉の位置もまた、町の芯にあたる拝殿岩(タンク岩)から見て、坤位三十度線にある。 これは、古来最も神聖視された冬至の日の入りの方向に当たり、この冬至の太陽は、オノミチから見て、三原の須波の龍王山に沈んでいく。 この冬至の日の出は、玉の岩から見て向東町の歌と古江浜の間にある龍王山から昇ってくるが、その先には、九頭龍山が頭をのぞかせる」ということである。 冬至の太陽は岩屋山から昇るか、龍王山から昇るか。 それは見る位置によって異なってくるであろう。 龍王山、岩屋山、千光寺は地図で見てもわかるようにほぼ一直線に並んでいる。 千光寺山中の特定の場所に立つと、龍王山から昇る冬至の太陽が拝めると思われる。 |
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次は現地に飛ぶ!しかし・・・・の巻。
参考文献
「龍が守る尾道と江戸の龍」(小林將利・「龍の国・尾道」展図録に収録 2000)
歌島の昔話・民謡」歌島郷土研究会 1999
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