安曇野紀行MTB編 1of6
 大型台風のやたら多かった2004年初秋。その合間をぬって、10月16日の土曜日、信州安曇野は晴れた。と言っても、朝東京を出発する頃の天気はあまり芳しくなく、甲府盆地を抜け、諏訪湖、塩尻峠あたりに来てもまだ天気は曇っており、松本を過ぎても北アルプスはまったく見えなかった。ところが、お昼前に穂高に到着する頃になると、にわかに日が差してきて、青空が見え始め、みるみるうちに天気は変わったのである。

安曇野の秋空ナイスな雲。
 まだ盛夏の頃、MTBライダーであるT氏とK氏に安曇野の地を推薦したことにより、話はすすみ、ほどなく今回の自転車乗りが決まった。紅葉シーズン前の中途半端な季節ではあったが、その分、行楽客の出も少なめだろうと踏んだとおり、下りの中央自動車道も思ったより空いていた。がしかし、紅葉前だろうと何だろうと、安曇野には北アルプスがあり、清流があり、広い田んぼがあり、土手道、畦道、なだらかな高原道路、森の温泉、森の美術館、蕎麦屋、路傍の道祖神、花、淡水魚、田舎神社、白壁の土蔵、わさび畑、水車小屋…がある。
 MTB2台を乗せたT氏の車は、まず穂高駅前に到着した。筆者だけ駅前の「ひつじ屋」というレンタサイクル屋でMTBを借りるためである。筆者は以前にも貸自転車で安曇野を走ったことがあるのだが、10年ほど前は穂高にはレンタサイクルの店が一軒しかなく、しかもママチャリぐらいしか置いてなかった。今では数軒あり、どの店にもMTBがある。配送や乗り捨て回収ということまでやっている。「ひつじ屋」は駅前にあり過ぎて最初は車で見過ごしてしまったが、ロータリーの端っこにある新しい店で、小さなビルの二階ではカフェを営業していた。オーナー夫妻(たぶん)は親切で、おそらく脱サラ組であろうか、まだ30代ぐらいに見えた。事前にネット予約しておいたのでMTBはすぐに借りられ、線路沿いにある駐車場までサービスで使わせてもらった。その駐車場で、偶然にもその日がT氏の誕生日であったので、お祝いとしてMTBのサドルを贈った。K氏の取り計らいである。

穂高駅前
JR大糸線の穂高駅は昔ながらの小さな木造の駅舎である。晴れたので、その向こうに見える常念岳ほか北アルプスの山々の眺めが見事である。ときどき二両編成のローカル列車がやってくる。駅前にはロータリーがあり、付近にはいちおう商店やスーパーなどがあるが、町にあまり人がおらず(というか、それがたぶん普段なのだが)、のどかな景色である。
- 次へ -
■ CELIN ■    ★ MOSKVA WORLD ★