半節の“モゾッで釣れた50上” ( VII )
仮眠をしたので体力は十分?に回復していました。夕方に成ってぐるりが暗くなるにつれて温雨だったせいか靄が出始めたのです。
他の場所はどうかと池を一周して見ますと、堰堤の水落付近の浅場で物凄いハタキが始まっていたのです。
元来同じ場所で釣をするのが嫌いな私は急遽の転進に成りました。堰堤はコンクリートブロックで補強されていましたので、土の上で親子の台の親台を堰堤の角度に合わせて組み立ててから静かにセットをしました。
普通は台をセットする時にいくら静かにしても僅かな金属音と気配で一瞬は魚が散るのですが、この夜だけは全く関係が無いかの様にワンド全体の対岸から足元まで魚で一杯でした。
ガスは7尺の短竿のケミの明かりがやっと見えるまで池を覆い尽くして、前後、左右、上下が乳白色に染まって平衡感覚がマヒする位までに広がり、何度と無く池に吸い込まれそうな感覚に陥ったのです。
それでも、一枚目からこの池にこんな美ベらが居たのかと思うほどの別嬪さんが釣れて、ボンヤリと見えるケミホタルが馴染むと同時に消し込まれて二枚目にこの池三枚目の50上が釣れました。
まだまだ釣れそうだったのですが、ガスが濃くなって浮子が見難く成ったのと何度も池にはまりそうに成ったので、大満足の中車の中で横に成ったのです。
朝、目が覚めると前夜から比べると少しは静かに成っていましたがいぜんハタキは続いていました。
何の未練も無くゆっくりと道具を片付けている時に広島の中野さんから電話が入って“魚が一杯居るよ!”高速道路の入り口まで随分と迷ったのですが、久し振りに中野さんに会いたかった事も有るのですが、無意識の内に広島方面にハンドルを切っていました。
三川ダムに着くと中野さんが一人で釣をなさっていたのですが、ハタキ場一帯に水しぶきがあがって巨ベらがウヨウヨと泳いでいました。
前日に二匹釣った余裕?か慌てる事も無く実績の有る場所に行って見ると正に巨ベラが至る所に列を成して泳いでいました。
魚の動きを観察しながらゆっくりと6尺をセットしてから魚にきずかれ難い様に水際から少し下がって30cmの水深のタナを葦の中から釣る事とにしました。
右側の川筋方向か4匹から5匹が一塊の群れが近付いては通り過ぎて行きました。
数回目の群れが近付いて来た時の事でした。先頭の超巨ベらが一瞬エサの前で止まったかと思った瞬間に“ドスン”と浮子が入って三川ダムで7枚目に成る51.7cmが釣れて来たのです。
中野さんに魚を見せに行きますと、笑顔で“良かった、良かった!”と一緒に喜んで下さいました。
釣り場に戻ってからはコンセントレーションも途切れましたので、一息ついてから納竿しました。
連絡をして下さった中野さんに感謝しながら帰路に着いたのですが、高速道路を運転中に足掛け二日間、時間にしたら24時間で3枚釣れた事が走馬灯のように脳裏を駆け巡りました。
そして、次は岡山県のK君に何とか釣って貰いたいと思いながら3時間半掛けて自宅に帰ったのです。
( end )
|
|