半節の“モゾッで釣れた50上” ( end )


何とかK君にも釣って貰いたい一心で翌週からゴールデンウイークに的を絞っての岡山通いが続きました。

大ハタキも一回切りで前回釣れた場所での再度の期待も釣行の度に薄れてきたのです。
次なる方法をと池を何回も何回も回って竿の届く場所での魚影を探しました。魚の姿は確認が出来ませんでしたが、堰堤のワンドと背丈ほどの笹が生えてる場所の2箇所に適当な金魚藻が生えているのを見つけたのです。

ゴールデンウイークの一週間前だったと記憶していますが、堰堤の金魚藻に50cmは有ろうかと思われる巨べらが絡んでいました。
瞬時にこの魚は釣れると思ったのですが、来週に期待を込めて違うポイントで竿を出しました。

いよいよゴールデンウイークの始まりです。二日前から現地に入って堰堤の魚の確認をしてから、笹が生えてる場所に釣座を作ってこの池4枚目の50cmが釣れました。(この魚は関東から釣りに来られていた三人が見て、目を丸くされていました。)

K君はお子さんが小さかった為に思うように釣りをする事が出来なかったのですが、確か5月3日だったと思います。
何とか堰堤の魚を釣って貰おうと遅めからエサを打ち始めて、浮子に変化が出始めた昼前にK君が“今日の子守がやっと終わりました!”とやって来たのです。

挨拶もそこそこに“早く竿を用意しろ!”と捲し立てました。
一投目は馴染みませんでした。“もっとエサを占めて!”とアドバイスをした二投目でした。ゆっくりと馴染んだ浮子が底に着いたと思った瞬間に一節“ドスン!”と入ったのです。
間髪入れずに合わせた向こうに巨べらがゆっくりと浮いてきました。

正直言いましてその時はまさか50cm有るとは思いませんでした。
何なく取り込んで、ルーラーの上に横たわった魚体は50cmを3mm超えていたのです。

普段は温厚で寡黙なK君が突然“やった、万歳!”と飛び上がったのにはびっくりしましたが、熱いものが込上げて来たのです。

これで役目が終わったと二度と来ないであろう3年間を振り返って連休の最終日まで感傷に耽りながらのんびりと釣を続ける事と成ったのでした。

この池最後の日でした。
犬の散歩に来られていてすっかり顔見知りに成っていた奥さんが何時も通りの笑顔で“釣れもしないのに毎日、毎日良くやるね!”と通り過ぎようとされた時の事です。
偶々ですが、浮子に触りが出ましたので“一寸待って!”と言って合わせました。“ワァー釣れた、釣れるんや!”玉網に入った魚は48cmを少し超えていました。

そして、何の未練も無くこの池を去ったのです。

私の釣台の上で二人が釣った事に関しましては色んな意見が有ると思いますが、巨べら釣はメンタルな部分が大きく左右します。
自信の付いたI氏はその年の秋に別の池で52cmを釣られましたしK君は二日後に49.7cmを違うポイントで釣ったのです。

その後も沢山の方が夢の50cmオーバーを釣られたと聞いています。その中の大多数はこの池だけでの釣果です。

今回のアーカイブは当初の予定寄りも随分と長く成りましたが、初めての場所で50cmオーバーを釣る事の苦労が少しでも分かって頂けたら幸いです。

尚、私は日記や記録等は一切付けてませんし、まさか自身がH.Pを開設する等夢にも思っていませんでしたので、文中の日時の前後や寸法の誤差が有るかも知れませんが、寛大なご理解でお許し下さい。