*ダム湖の巨べら* (II)
自分が今ホームグランドにしているダムへ通うようになったのがН12年位だったと思います。
通い始めたころはとにかく浮子が動かない(ここ魚居るの!?)ダムと言う印象が強かったです。それでもモジリが出れば音・波の大きさから確かに大物が居ると言う事はすぐに分かりました。
春の野っ込みのシーズンになりますと、前の年に産卵出来なかったヘラだと思いますが?腹の中に野球のボールを飲み込んだような50上が死んで浮いているのを良く見かけました。
それを初めて見た時はこんなヘラが居るのかと!こんなヘラが釣れたらどんな引きをするのだろうと死んだヘラを見ながらそう思ったものです。それでますますこのダムに興味を持ち、このダムへ通うようになりました。
しかし仲間の人達の話では、夜しか釣れ無いと聞いていましたので山奥での釣りは一人では心細く何時も仲間の人と一緒に釣りをしていた事を思い出します。
ある年の6月だったと思います。この日に限って誰も来ずに一人で寂しくナイターをやる事と成ったのですが、夜8時位から入れ当たりになりました。
しかし技術の無さからかスレの連発、結局喰わせたのは42cm位を2枚と言う結果に終わったのですが、このダムで釣った初めてのヘラでしたので凄く感激したのを覚えています。
それからは、魚が居る以上は昼間でも釣れるだろうと昼夜を問わずに通い続けたおかげで巨ベラ釣りの知識も少しづつ身に付き始めて48cm位まで釣れるようになりましたが、どうしても50上が釣れませんでした。
仲間の人達は皆さん釣っておられたので自分にはかなり焦りが出始めていました。
Н16年この年はダムの給水塔の工事をする為に春から満水に成る事も無く7月の始めを最後にパタッと釣れ無くなり、釣り人は誰も来なく成ったのです。しかも10m位の減水!状態が続きましたが、それでも昼夜、時には朝までやったのですが浮子はピクリとも動きませんでした。
流石に2ヶ月も浮子が動かなかった事は過去にも無くて気が狂いそうな思いでした。それでもめげずに9月11日大減水の中上流部の川筋の対岸を21尺棚2本に柔らかいグルテンでやる事にしました。
朝8時から始めて1時間餌を打っては1時間床休めと、その繰り返しをしていると、11時頃に大きいギルが数匹釣れた後に48cmが釣れたのです。
これで今までの辛かった思いが一気に吹き飛びました。床休めを入れながら13時頃に又43cm位が釣れ、こうなって来ると釣れる時に目一杯釣ってやれとさらに気合いが入りました。
14時位に今度は消し込み当たりが連発し出したのですが、何度アワセても釣れず、もしかしたら大物が来ているのかも?と思いながら確実な当たりを待つ事にしたのです。
ドキドキしながら我慢をしていると浮子が「モゾ」と入りました。瞬間、反射的に合せると「ガツン」と竿が止まり、根掛かりか?と思ったら数秒後、水面に「ガボッ」とヘラが顔を出したのです。
慌てながら引き寄せると、予想に反しまるでゴミ袋でも引っぱって来るかのようでした。近くまで来ると余りの大きさに、50mは有るのでは?と慌てながらも慎重に救い上げて検寸すると52.5gm有りました。
この瞬間から心臓はドキドキ,手は震えるはで、感激の余り涙が出そうでした。
3年位前から何時釣れてもいいようにカメラをカバンの中に入れて有りましたが写るかどうか分かりませでした。
とりあえずは震える手で写真を撮り続けました。
こんな日に限って周りに人が誰もおらず、残念ながら手持ちの写真は撮れませんでしたがすぐに道具を片付けてふもとの町へ現像しに行きました。
この時から休みの日は必ずこのダムへ行くようになった事は言うまでもありませ
ん。
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