Hunter’s Story
        〜Chapter Of TAKERU〜


〜突如起こったラグオルでの爆発事故〜
〜原因調査の為にハンター達がラグオルに降り立ち、調査を開始した〜
〜これはそのハンター達の中の一人、月神タケルの物語である〜



「じゃあ、行って来る。」
それが父親を見た最後だった。
ラグオルのセントラルドーム付近で謎の爆発を起こり、原因とパイオニア1
の人々の安否を確認すべくハンターズギルドで調査隊が組織された時、ギルド
からの依頼に答え親父は調査隊に参加した。

月神家は先祖代々、剣術などを駆使して魔を狩ったり、一般的に言われる化
け物を狩ったりしてきた家系だ。
ただ、最近では人を脅かす魔の存在など稀となり、今まで培った剣術を生か
してハンターを生業とする事となったという。
ハンターといっても、やっている事は昔とそう変わりなく、人々を守る為に
戦う、ただ呼び名が時代とともに移り変わっただけだ。
こういう事をやってきたのでハンターズギルドとの縁は深い。
ハンターズギルドの依頼報酬で月神家の財政は成り立っている。

そのような家系であるので、今回のハンターズギルドからのラグオル調査依
頼も二つ返事的に引き受けることとなった。

初めは自分も親父と共に調査隊に参加する予定だった。
が、かなり危険が伴うとの事で取り合えず親父が先に降り、その後で私が降
りるという事になった。
連絡を待つこと数週間。
私が降りる、降りないにしてもそろそろ連絡があってもいい頃である。
痺れを切らしそうになったときに、知らせが入った。
その内容は期待していた内容ではなく、親父の死を知らせるものであった。
それを聞き、ハンターズギルドへと即座に向かった。
ギルドの人が言うには、
死因ははっきりとはしないが、パーティが全滅している事から何者かにやら
れたのではないかと聞かされた。
今、ラグオルでは原生生物が凶暴化してハンター達を襲っているらしい。
何組ものパーティが行方不明、もしくは全滅をしているそうだ。
最後にギルドの人が親父の遺言でと伝えてきた。
それはただ一言、
『後を頼む』
との事だ。
その言葉を聞き、私は拳を握り締め一つの決意をした。

それから数ヶ月後…

「…兄様、やっぱり行くの?」
身支度を整える自分に妹のミズカが声をかけて来た。
「ああ、ギルドからの要請もあったことだし、それに…親父の敵討ちもある
。」
「…父様が敵わなかったぐらい危険なんだよ?それでも…」
ミズカがまっすぐに自分を見て言う。
「…だからと言って、このまま何もしないでいる訳にはいかないだろう?親
父の命を奪った奴らが憎くないのかい?」
「…憎くない訳がないよ…でも…私じゃ勝てないよ…だから…」
「大丈夫だよ、私だってこの数ヶ月を何もしないで過ごしていた訳ではない
。腕だって数ヶ月前より上がっている、それに…親父から言われたしな。」
そう、一日でも早く敵を取るために日々の鍛錬を以前よりも強化し、体を作
り上げた。
親父にはまだ敵わないものの、ハンターとしての最低限の力を手に入れたの
で出発を決めたのだ。
「…でも…危ないよ…」
ミズカが心配そうに言う。
「危険でも凶暴化した生物が居るなら放っては置けない、ミズカも月神の人
間なら分かるだろう?」
「…うん……そうだよね…」
ミズカが納得がいっていないがとりあえずうなずいた。
…私が一旦言い出したら聞かない事をミズカは良く知っている。
それにまだ本格的にではないが月神の家としての教育を受けているミズカに
対して、”月神”の名前を出せば逆らえなくなる。
…我ながら卑怯だとは思うが…
「では、行ってくる。」
一通り準備をそろえ終わり立ち上がりながらミズカに言う。
「うん…絶対帰ってくるよね?」
ミズカが心配そうに聞いてくる。
「ああ、大丈夫だ…」
ミズカの頭をなでながらそれに答える。
「うん、いってらっしゃい兄様」
ミズカに見送られ私は家を出た。
目指すはラグオル、親父の敵はそこに居る…


旅立つタケルの背中を見つつミズカが思い出したかのようにつぶやいた。
「…あ…兄様の方向音痴は直ったのかなぁ…」



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