■ 私立ぷそ学園。■
〜登校編〜
第一話
俺の名は双月。
二十七歳独身、今年教職免許を取ったばかりの新米教師だ。
ちなみに元の職業は自衛隊員。どうでもいい。
私立高校の教師として、今日から俺の新しい生活が始まる。
朝の光を心地よく浴びながら、俺は抜けるような空を見上げて深呼吸する。俺の前途を祝福するようなさわやかな風に身をゆだねると、やる気がむくむくと湧いてくるのを感じる。
俺は、道端に立ち止まって、空を見上げたまま、言った。
双月「……で、ここはどこ」
第一話 完
第二話
迷った挙げ句に行き倒れた。
通りすがりの少年「……自由人には見えないけど。……ひょっとしてスジ者?」
でもって目覚めるなり、あんまりな言われようだった。
気がつくと、子供に上から覗き込まれていた。
白い詰め襟を着た少年だった。初対面で人のことをヤクザ呼ばわりとはいい度胸だなオイ。
それはそうと。
双月「その奇抜な帽子は何だ?」
少年「ああ、これ?」
ふたつの三角形がぴょこぴょこと突き出た白い帽子をかぶっている。
某ワルキューレのゲームに出てくるワキ役みたいな帽子だった。
双月「……最近の流行で言うなら……『お嬢』?」
少年「……ワケわかんないし」
トレードマークらしい。
第二話 完
第三話
少年「僕の名前は七本槍勇(いさむ)。ヤクザとよろしくするのはイヤなんだけどよろしくね」
双月「いや……何度も言うようですけど誤解です(※ワカメ涙)」
勇 「じゃあ名前くらい教えてよ」
双月「ああ、双月って言うんだ」
少年と連れだって歩きながら、きょときょとと廻りを見渡してみる。
記憶にない。どうやら完全に迷ったみたいだ。
勇 「……なんとなくソレっぽい名前だね」
双月「だからヤクザから離れれ。これでもれっきとした――」
勇 「れっきとした?」
…………………………………………………………………………。
双月「記憶にない。どうやら完全に忘れたみたいだ」
勇 「……ひょっとしなくても、貴方バカでしょう?」
第三話 完
第四話
勇 「何か思い出せないの? そこから貴方の身元とかわかるかも」
記憶の糸をたぐってみることに。
意識の中、浮かぶのは幼げな少女の顔。
ああ、たしか約束したんだ。俺を見つめる、その天真爛漫な顔が目に浮かぶ。
別れ際、あいつは俺の瞳を見つめて――。
少女『おにーちゃん、帰りに西山飯店の唐揚げ買ってきてなのー♪』
双月「…………………唐揚げ?」
勇 「(※半眼)それで、何を連想しろっての?」
無理か。
第四話 完