ちゃんと君を見てるよ
窓際の部屋の隅がお気に入りの場所になった。
背中に壁の冷たさを感じて、窓から陽の暖かさに包まれる。
吐き出す紫煙は高く上る前にふわりと消え、その匂いだけが残る。
思い頭を上げてみれば、あまりに陽が眩しすぎて思わず眉を顰める。
眉間によった皺を君が笑うから、おどけて口端をあげてみる。
「癖になるよ」
「なにが」
「ココ」
眉間を指差して君は言う。
「もう遅いよ」
紫煙を吐き出すと、そうねと君は呆れたように笑った。
心地良い時間がゆっくり過ぎていく。
何もないけど 君がいる。
この部屋が 僕の居場所だ。
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僕は知ってる。
笑うと更に丸くなる顔を気にしているのも。
僕は知ってる。
怒ると無意識に頬が膨らむことも。
僕は知ってる。
顎を触るのは考え事をしてる時だってことも。
僕は知ってる。
機嫌がいいとウサギみたいにぴょんぴょん跳ねるのも。
僕は知ってる。
口が悪くなるのは愛情表現だってことも。
僕は知ってる。
寂しいくせに我慢して独りで星見上げてるのも。
僕は知ってる。
自分は後回しにして他人の事ばっか気にかけていつも損していることも。
僕は知ってる。
なんでもないって言いながらも電話をかけてくる時はいつも落ち込んでいる時だってことも。
僕は知ってる。
人に見えないところでたくさん頑張っていることも。
僕は知ってる。
本当は誰よりも優しい人だってことも。
ちゃんと知ってるよ。
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僕も 君も 雨が嫌いだね。
切なくなる。
寂しくなる。
いくら雨に濡れても 結局何も洗い流してはくれないことを知ってる。
雨の日は ふたりでゆっくり風呂に入ってじっとしていよう。
君の体温で 僕は救われる。